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覆面駒習作13

問題

元々、後述の「解1」の単解を作意として公開しましたが、余詰があり、下記の通りご指摘いただきました。

https://twitter.com/MejiroNaiDan/status/1681094221246386177?s=20

駒を増やさずに余詰を消すことが難しく、また作意と余詰解でわずかながらも対照性があるため、2解としたいと思います。
大変失礼いたしました。

ルール説明

【覆面駒】
種類が不明の駒。着手の合法性、攻方王手義務を満たせる可能性があれば、それを満たしているものとして手順を進めることができる。駒種が確定すると通常の駒に戻る。
[補足]
・透明駒と異なり所属・位置は判明している。
・手順表記上「成」は指定できるが、「生」は指定できない。つまり、移動についての情報と、駒が裏返ったという情報は与えることができる。
・初形が合法局面であることが仮定される。つまり、駒の枚数が正しいこと、行き所のない駒や二歩がないこと、(受先形式でない場合)受方玉に王手が掛かっていないことを推論に含められる。
また、特に指定のない限り標準駒数であることも推論に利用できるが、ルールから明らかでない限り双玉・単玉両方の可能性がある。
・フェアリー駒を使う作品の場合、特に注釈がなければ通常の駒以外に、初形に存在するフェアリー駒にもなれる。

WFP作品展登場ルール一覧

詳しいルール説明を書きました。よろしければ下記もご参照ください。

解答

解1:31▲、12玉、13香 迄3手
解2:31▲成、11玉、23▲ 迄3手

初手は33の覆面駒で31の覆面駒を取ります。そうすれば、13玉に対して43飛で王手したことになります。攻方33▲は2マス前に動きました。したがって、攻方33▲は以下のいずれかです。
1.香
2.飛
3.龍
4.香・飛・龍のいずれかの性能になった玉

まず、初手31▲としてみましょう。
動かしたのは成れる駒なので、1.香 か 2.飛 のどちらかになります。もし33▲が飛車だったとすれば、初形で13玉に王手が掛かっています。これは不合理なので、33▲は飛車ではなく香だと分かります。

初手31▲成(香成)とした局面では飛車で王手が掛かっているので、13玉は飛車の性能になります。そのため2手目は11玉と指すことができ、23▲と打ち詰みとなります。最終手23▲は、初手に31桂を取ってそれを最終手に使ったということを示しています。

以上が 解2:31▲成、11玉、23▲ 迄3手 です。

初手に33▲で31の覆面駒を取る着手は、前述の「31▲」の他に「31▲」があります。

初手「31▲」とした場合を考えます。敵陣の1段目で成らない着手ができることから、香ではないことが分かります。また、33▲が飛車または龍だったと仮定すれば、初形で13玉に王手が掛かっていたことになります。以上より、香・飛・龍のいずれかの性能になった33王が31の駒を取ったと確定します。

受方13△は玉なので、33王の性能を変えていたのは31△です。よって、31△は香・飛・龍のいずれかです。初形で31△が飛車または龍だと仮定すれば、33王が飛車または龍の利きとなります。よって13玉に王手が掛かっていることになり、これは不合理です。したがって、受方31△は香となります。

初手に取った駒が香だと判明したので、2手目12玉に13香と打てば詰みとなります。

以上が 解1:31▲、12玉、13香 迄3手 です。

解2では、初手31▲とすることで受方31△の情報を全く表出させないことで桂の可能性を残し、最終手23▲が可能になっています。
一方、解1では初手31▲とし、受方31△を香に確定させて詰ましています。

なお、「31▲成、12玉、13▲」とした場合、3手目は前に進む駒を打ったという情報しかないので 11玉(13▲=金)や 92玉(13▲=飛)のように王手を外すことができ、詰んでいません。


覆面駒を使用した他の作品は下記のマガジンにまとめています。よろしければご覧ください。

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