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WFP第182号を読んで

Web Fairy Paradise 第182号(2023年8月号)が発行されました。

ざっと読んだだけですが、いくつか感想を列挙します。

WFP作品展

前口上

最新のfmzaでレトロ協力詰の解析機能が実装されるそうです。
いままでレトロ協力詰は考えたことがなかったので、公開されたら色々遊んでみたいです。

153-7、153-8

覆面駒の自作が2題出題中です。Twitterでたまに公開している覆面駒と同じくらいの難易度だと思いますので、解けましたら解答をお送りいただけますと幸いです。

第152回WFP作品展結果

152-1 神無太郎氏作 複玉協力自玉詰 4手

49玉の配置は自由度がありそうですが、やっぱり桂馬跳びに並んでいるのがお洒落。複玉も色々作ってみたいと思いました。

152-4 たくぼん氏作 と玉多玉協力自玉詰 18手

美しい初形。相当考えたつもりだったのですが解けませんでした。4手目が52歩合ではないのは驚きです。

152-6 さつき氏作 衝立詰 225手

衝立詰の最長手数を大きく更新(47手→225手)。衝立詰で手数を長くするためには衝立要素を薄くせざるを得ないと推察できますが、本作ではサイクルの根幹に衝立要素が活かされているのが素晴らしいと思います。

152-7 さつき氏作 左無限盤 Lortap協力詰 9手/Patrol協力詰 5手

自然数個のフェーズを持つツイン。確かに詰将棋列と呼ぶのがピッタリ。しかも、各フェーズの解はすべて異なっている。無限盤を使えばこのような無限詰将棋列を作れるということを知りました。では、有限盤で駒を無限枚にすれば作れる? 有限盤・有限枚数の駒では作れる? というのが気になりました。

152-11 一乗谷酔象氏作 駒全マネ取禁協力詰 9手

Echoの詰上り。全体を一路左にずらすと詰みを構成する駒たちが上に2段ずれるというのは不思議。

キルケの玉は復元する?

キルケと複玉を組み合わせた場合の、玉を取ったときの仕様に関する話題。通常のキルケでは玉は普通に取れます(玉は戻らない)。玉は戻らないですが、もし受方の玉を取ったらその玉はどこに行くのでしょうか? 下記のいずれかだと思います。
・駒箱に行く
・攻方の駒台に行く
・未定義

複玉の場合、玉は取り捨て(駒箱に行く)なので、複玉とキルケを組み合わせた場合、玉を取っても復元せずに取り捨てになるのが自然かなと思いました。

そもそも、キルケに対してKキルケ(玉も復元するキルケ)を定義しておき、
・キルケ複玉→取られた玉は復元しない
・Kキルケ複玉→取られた玉は復元する
となるようにしておくのがよいのかなと思います。

キルケに限らず、フェアリールールを考えるときに実際に玉を取る手は詳しくは考慮されないと思いますので、複玉と組み合わせたときの仕様については検討や整理が必要かもしれません。

参考
3.2.1 Rebirth on home square
・Circe
・Circe Rex Inclusive

大臣の旅

臣((1,0)-Leaper)のツアー(盤上のすべてのマスを1度だけ訪問して戻ってくる)の話題。ちなみに、G.P.Jellissさんが色々な駒のツアーなどを研究されており、結果をWebで公開しています。

第17回フェアリー入門解答

① 駒井めい作 キルケ協力詰 3手

23-19-13 という変則的なlineでのピンメイト。直線じゃない"line"は他にも色々なケースがありそうだな思いました。

② springs作 キルケ協力詰 3手 2解

キルケでやる必然性がないんですよね。。

④ 羽毛布団作 キルケ協力詰 5手

頭2手の逆算は色々ありそうに見えましたが、角をすぐ取らずに時間差で取るという演出が付いているわけなんですね。気づきませんでした。

アンチキルケ協力詰超入門

書きました。なかなかアンチキルケで新作を作るのは大変かもしれませんが、ぜひ投稿をお願いいたします。打歩ルールとの組み合わせや受先、複数解・ツインもOKです。

協力詰・協力自玉詰 解付き #15

15-3 かいりゅーになりたい作 協力詰 5手

クリティカルスクエアの飛び越え。無駄のない表現で素晴らしいと思います。69歩がどうしても気になりますが、飛車の打点を1通りにするために盤の下端を使うと69飛で詰ます余詰が出てくるということなんですね。

今月の手筋(利き変化合駒動かし)

合駒を動かすといえば、伝統ルールでよくあるテーマ。「利き変化合駒動かし」は、同じ合駒動かしでも、合駒の性能を変化させて本来は移動できない場所に合駒を動かすという手筋。

さらに一般化し、「ある対象をある方法で本来の利き以外に駒が移動する」ことを「非標準移動」と呼ぼうと提案されています。「利き変化合駒動かし」は「対象:合駒、方法:利き変化」の非標準移動であるということになります。対象と方法の組で非標準移動を定義しているわけですが、重要なのは方法で、対象は合駒に限らなくてもいい、くらいのニュアンスだと思っています。

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