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連句という「詩」

#買ってよかったもの

さえずり、と読みます。
「囀連句会」は、静岡県袋井市の俳人、村松二本(むらまつ・にほん)氏が主宰している連句の会です。

連句とは、分かりやすく言えばリレー小説の俳諧版です。
幾人かで、まず五・七・五を詠み、次の人が七・七を繋げ、その次の人は五・七・五、次に七・七と繋げます。
このように、五・七・五(長句)と七・七(短句)を交互に繋げて行きます。
定型はこれを百句繋げます。
三六句繋げてひとかたまりとする場合、これを「歌仙」と称します。半分の十八句でひとかたまりとする場合は「半歌仙」です。囀連句会の今回の号には、歌仙が六巻、半歌仙が四巻収録されています。

二本主宰は、私が師事している俳句の師匠です。
その辺りの話は、また別の機会に譲りましょう。

そんな縁でこの本を購入し、連句というものに初めて触れました。
まだ、最初の半歌仙を二巻読み終えただけですが
もう筆舌に尽くしがたい、もの凄い衝撃でした。

「連句は決して古い時代の遺物ではない。むしろ現代的な詩の一つの形式と言えるだろう」

とは創刊の辞の言葉ですが、確かに前衛的と言いますか非常に実験的だと思います。

創刊の辞にはまた、

「連句は句の主人公が次々に入れ替わる。そのため自分以外の何者かになりきって、いかにも本当らしい句を詠むことが求められる。 (中略) 現実を離れて現実味のある句を詠むべし。」

とあります。

俳句は通常、句の主人公は詠み手です。
ですのでここを理解せずに連句を読むと、前句とその次の句(付句・つけく)との関係がさっぱり分かりません。
長句と短句の繋がりはまだ分かりやすい方ですが、短句から長句に行く時は句の主人公などが変わることが多いので、かなり想像力と理解力が必要になります。

半歌仙には、講評と言いますか解説のようなものがあります。
最初は半歌仙から始まるので、取り敢えずここで連句の決まりや流れのようなものに、頭を慣れさせることができます。
それでも、半歌仙一巻を理解するだけで数日かかりました。
この文章を書くのにも、一週間かかっています。
ですが理解できると、とても気持ち良く、味わい深いのもまた連句の魅力です。

ご興味を持たれた方には、長谷川櫂先生のサイト「うたたね歌仙」をおすすめします。

連句と取っ組み合いをしていたおかげで俳句づくりがしばらく止まっていましたが、いい勉強ができたと満足しています。
今後の作句にも、きっと生かされるでしょう(^^)

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