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過去に読んだ恋愛小説まとめ

〈2842字〉

おすすめの恋愛小説は?
という問いを見かけて回答しようかとも思ったけど、140字に収まらなさそうだったし、せっかくならこっちに書こうと思います。面白かったものも面白くなかったものも書きますね、こんなのは好みの問題が大きすぎますから。


ハッピーエンド寄り かつ 面白かった寄り

『僕が愛したすべての君へ』
『君を愛したひとりの僕へ』
乙野四方字

ジャンルはSF恋愛小説って感じかな。
「並行世界」という考え方が一般的になっている、今より少し未来の話。ややこしさが全くないわけではないけど、普通に読みやすい本だと思います。

tiktokで流行っていたらしい、「読む順番によって結末が変わる小説」。
塾の生徒に教えてもらったので、メルカリで買って読みました。
tiktokってところが引っかかってあんまり期待していなかったのですが、まあまあ面白かったです。

主人公の男の子がそれぞれの世界で別の女の子を好きになります。「僕愛」がわりとハッピーな展開、「君愛」が残酷な展開。どちらかだけを読んでもいいけど、どっちも読まないとただの凡作になってしまう気がします。時間があるなら両方読もう。

私は生徒と同じように、僕愛→君愛の順番で読みました。満足感がめっちゃあったわけでは正直ないけど、君愛のラスト十数ページで急に「お~読んでよかったかも~」ってなりました。

【追記】『スプートニクの恋人』
村上春樹

わすれてたぁぁぁぁぁ
かなり好きなのに。まあ思い出補正もあるけど。

途中で不可解な感じで主人公の幼馴染の存在が消えちゃうので、そこを呑み込むのだけちょっと苦戦しましたが。上下巻なく1冊で完結するわりには充実しているし、雰囲気がかなり好きです。

村上春樹の作品は、主人公の人格がいいですよね。好きですよ。

ハッピーエンド寄り かつ 面白くなかった寄り

『どうか、彼女が死にますように』
喜友名トト

ファンタジー恋愛小説。
主人公の男の子は魔法使いの末裔。好きになった無表情の女の子を、魔法を使って笑顔にしようと奮闘します。しかし女の子は「笑ったら死ぬ」らしい。はて。

これはうちの最寄り本屋にて、「本の福袋」なるものが売っていたときに中身が分からない状態で買ったものです。また福袋やってほしいんですけど、これ以来見ていません。

これを読んで学んだことは、「自分は多分中途半端なファンタジー小説が好きではない」ということ。どうせなら振り切って主人公が虫に変身するとか、銀河鉄道に乗るとかしてもらわないと気持ち悪いです。面白くなかった寄りなのもそのためです。ちなみに私はバッドエンドのほうが好きです。


『潮騒』
三島由紀夫

これは「面白かった寄り」に分類するか悩みました。読んでよかったとは思ってるけど、物足りなさはあったので、ギリギリこっちで。

やっぱり昔の作品ということもあって、ノスタルジックな雰囲気はずっと流れてます。終始わりと穏やか。恋愛の駆け引きみたいなものはほぼない。「昔の作品特有の読みにくさ」を乗り越える価値があったかと言われると、うーん。

読んだきっかけは、とある人から三島由紀夫を勧められたから。
勧められた三島由紀夫作品の中でいちばんあらすじが面白そうなものを選んだのに、買って読んだら「潮騒は最初は違う」って言われました。なんでやねん潮騒も君が勧めてくれた中にあっただろ。
まあそういうわけらしいので、三島由紀夫を読んだことがない人は大人しく『金閣寺』とかを読んだほうがいいのかもしれません。


バッドエンド寄り かつ 面白かった寄り

『マチネの終わりに』
平野啓一郎

これはいいね。
40代の微妙な恋の駆け引きと諦め、そして幼稚さと強さが鮮やかで複雑。
バッドエンド好きってのもあるけど、好きですね。(雑)
物語の後味自体は悪くはない。主観。けど中盤はわりと胸糞。


『ノルウェイの森』
村上春樹

これも好き。バッドエンドですか?と聞かれたら微妙。
そもそも恋愛小説というジャンルでくくっていいのかも微妙。まあ出版社は「100%の恋愛小説」と謡ってますが。

これ、とマチネが好きな理由は、「リアルだから」です。私はわりと、現実に起こりうる物語のほうが好きです。真実味があるから。嘘は嫌いです。フィクションは嫌いじゃないです。真実「味」があればいいです。私に幻を信じさせてください。


『若きウェルテルの悩み』
ゲーテ

「好きな恋愛小説は?」って聞かれたらいちばんに挙げるのがこれだと思います。(変態)

ひと言で言うなら「メンヘラが恋してドメンヘラになる話」です。
古典作品なのでちょっと読みにくいけどね~。私は1ページ目が好きで、病むとそこだけ読み返したりします。

ちなみに上記3作は過去のnoteにてもう少し詳しく感想を語っています。
気になる人はどうぞ。


『パイロットフィッシュ』
大崎善生

傷つきながら澄み渡る、みたいな、美しい小説。
私にとって、大事な小説です。
あんまり大事で、正直紹介したくないくらいです。
過去に2000字の感想文を書いたくらいに丁寧に読んだ小説です、もし興味があれば声かけてください。

これバッドエンドに入れるか悩みました。ギリギリまでハッピーエンドでいくつもりでしたが、まあ一般的にはバッドエンドになるのかな。ハッピーではないけど、幸せだと思います。というか、幸せであってほしいな。


バッドエンド寄り かつ 面白くなかった寄り

『ボクたちはみんな大人になれなかった』
燃え殻

どんな話やったっけな。
わりとエッセイ風な文章だった。過去に好きになった女性、その過去そのものを回想していく大人の物語。みたいな。

ちなみにこれを買った理由は、2年くらい前の「新潮文庫の100冊」という冊子を、てきとーに開いて、目を閉じて指さしたのがこの本だったからです。

なんていうかな……まじで主観だけど、エモさで売り出してる感じがそもそも好きじゃなかった。物語自体もそうだけど、というよりもプロモーションの雰囲気がだるくてチルな感じだったのが気にくわなかったです。こんな客に買ってもらうつもりなんて全くなかったと思うので、こっちがすみませんって感じです。

あ、主人公は意外とおじさんです。文章全体が都会的だからあんまりそれを感じることはないけど。


『恋に焦がれたブルー』
宇山佳佑

オーキャンでアンサンブルをしたときにもらった500円を使ってアイリスで買った本です。チョイスは一緒にアンサンブルをした、とある友人。

彼女が病になる系です。
なんか、「中途半端ファンタジー」だったので好みに合いませんでした。『どうか、彼女が死にますように』よりファンタジー感はマシだけど、そもそも文章が好みじゃかなかった。

まとめ

多分私が「面白くなかった」って言ってる本を面白いと感じる人はたくさんいると思います。みんな色々読むといいと思います。

多分私はちょっと性癖が歪んでいるので、バッドエンドのほうが好きです。
なので、リアリティーがあって完全に幸福になりきれない物語を所望しています。
おすすめがあったら教えてください。

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