ここ半年くらいで読んだ本の感想をまとめました【頑張ったので全員読んで】
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お久しぶりです。こっちはあんまり動かしてなかったのでね。
長くなりそうですが、なるべくサクッと済ませます。
個人的にしゃべりたいことはあとでまとめて書きますね。
基本的には、「内容(あまり引用とかはせず、私が感じたものを要約することを心掛けるつもり)」「おすすめ度(とそのベクトル)」を中心に語ります。
①『ノルウェイの森』(上・下) 村上春樹
◯内容
主人公ワタナベが、親友やその恋人、大学で出会った人と関わっていく中で、生き方に対して抱く様々な葛藤を描いた長編小説。広い意味では恋愛小説であり、作者もそう言っているが、こう表現してしまうとこの作品の価値が薄れてしまうような気がしてならない。ずっと明確な答えが出ることのない問いに辛抱強く向き合い続けるワタナベだからこそできる個性豊かな多くの登場人物との対話が軸となって進んでいく。
◯読みやすさ・読み応え・その他
読書が苦手ならけっこうしんどいかもしれない。私は上巻の中盤まではかなりしんどかった。慣れたからかもしれないが、私は下巻のストーリーのほうが好き(もちろん繋がっている)。
あと気のせいかもしれないが、若干訳された洋書っぽさを文章から感じる。(もちろん日本語が原文)
ただその分、読み応えは抜群にある。主人公がそんなに明るい性格でもなく、直面していく問題が一朝一夕でどうにかなるようなものでもないため、常に薄暗い雰囲気が漂っているが、得られる虚しさと喪失感で今のところこいつの右に出るものはない。
そしてこの作品の推しポイントは比喩のきらめき。ワタナベは平凡な男かと思いきやさらっと気の利いた(わけのわからない)比喩で女の子(ミドリ)を喜ばせる。どれくらいかわいい?どれくらい好き?という質問に対して「山が崩れて海が干上がるくらい」「春の熊くらい」「世界中のジャングルの虎がみんな溶けてバターになるくらい」なんて、天才だな。
しかし、(↑の比喩もそうだが)非常に好みが分かれると思われる。作者の性癖の「どぎつさ」は下手するとそれだけでこの本を読むのをやめる理由になるレベル。特に男女の関係性に地雷のある人は注意したほうがいい。(ちなみにこれを読んだ母は「何あのエロオヤジ!」と言い放っていた、まあ分かる)
◯総評
読みやすさ:☆☆☆
読み応え:☆☆☆☆☆
村上春樹の性癖:☆☆☆☆
②『星の王子さま』 サン・テグジュペリ/河野万里子訳
◯内容
旅をしている操縦士が、乗っていた飛行機の故障により砂漠に不時着をする。そこで、よその星からやってきたという変な少年「星の王子さま」と出会い、彼の星での出来事、地球に来た理由などの話を聞くことになる。少年との対話を通して、操縦士はほんとうに大切なものを知っていく。
◯読みやすさ・読み応え・その他
読みやすいと思う。そんなに長くもない。ただやはり原文が日本語ではないのと、児童文学感はあるから違和感を抱く可能性はある。
読み応えは本当にない。何のきれいごとを語られたんだろうという気持ちで読み終わってしまった。王子さまがとにかく無茶苦茶でもはや腹が立ってくる。唯一好きなキャラクターはきつね。
ただしこれは本当に個人の感想であり、私の母に読ませたら泣いて感動したらしい。この作品が好きな人はおそらくかなり心が綺麗な人だと思う。そしておそらく星の王子さまが面白い人はこのブログ全般を当てにしないほうがいい(私との好みが真逆である可能性が高い)。
◯総評
読みやすさ:☆☆☆☆
読み応え:☆
綺麗ごと度:☆☆☆☆☆
③『グレートギャツビー』 フィッツジェラルド(野崎孝訳)(村上春樹訳)
◯内容
1922年、ニューヨーク郊外のウエスト・エッグに引っ越してきたニック。隣の家は豪邸で、毎晩のようにパーティーが開かれている。主催者の名はジェイ・ギャツビー、謎の男である。そして彼からパーティーに招待されたことをきっかけに、ギャツビーの人間性、抱く恋愛感情、生き様に触れてゆく。あつい夏のうつくしき物語。
◯読みやすさ・読み応え・その他
(絶対↑ラスト1文いらんな。でも書きたかった…)
まずこれややこしくて。別訳で2冊読んでます。
読んだきっかけは『ノルウェイの森』に登場したこと。ワタナベと、彼と学生寮が同じ永沢が、過去に読んだことのある本として挙げていた。ちなみに村上春樹も、人生で最も自分に影響を与えた本として挙げている作品である。
野崎訳を読んだが、死ぬほど、ありえないくらい、読みにくい。終始何の話をしているのか分からなかったので読み応えどうこうの話すらできない。しかし、比喩だけはやたらと美しい。それだけを活力に何とか読み切った。
あとがきまで読むことでようやく少し『グレートギャツビー』の世界を理解できるような気がした。
この約半年後、「村上春樹訳のほうが読みやすい」と言われたことをきっかけに、リベンジしたくなった。
改めて触れた『グレートギャツビー』の世界は、信じられないほどに美しかった。
ギャツビーが持つ狂気的とも思えるひたすらに純粋な恋愛感情、しかしそれで相手が絆されてくれるというわけでもないという、残酷さ。一生をかけて自分の中に宿る夢を追い続ける彼の様子と、周囲の人々、それを取り巻くニューヨーク郊外の世界が、とんでもなく鮮やかに描かれている作品だ。
正直、「全員読むべき」というような薦め方はとてもじゃないができない。それほどハードルは低くない。だが、この感動は唯一無二なのではないかとも思う。いろんな本を一通り読んできたような人には一度手にとっていただきたい一冊だ。
◯総評
読みやすさ:☆/☆☆☆(-)
読み応え:☆(+)/☆☆☆☆
比喩の美しさ:☆☆☆☆☆
④『Another』(上・下/エピソードS) 綾辻行人
◯内容
夜見山北中学校に転入してきた榊原恒一は、左目に眼帯をした不思議な少女・見崎鳴と出会う。3年3組は毎月1人以上クラスの関係者が死ぬという不可解な”現象”の渦中にあり、恒一の隣の席である鳴は他のクラスメイトからは見えていないようで…?
この現象を止めるため、恒一と鳴は手がかりを探し求める。
◯読みやすさ・読み応え・その他
ジャンルはホラーミステリー。私にとって初めてのミステリー小説はこの本となった。
主人公が中学生ということもあってか、かなり読みやすい。実際、私以上に読書が苦手な妹も、かなりのハイペースで上・下巻読み切っている。ミステリー小説としての敷居は低いように思われる。妹に、なぜこの本は読みきれたのかを聞いてみたところ、「情景描写があって、どんな景色かが想像しやすかったからかなあ」ということらしい。
読み応えは普通。『ノルウェイの森』なんかを比較対象に思ってしまうからかもしれないが、あっさりと終わってしまったように感じられた。また、2冊分の長さがあるため若干間延びする印象を受ける。
あと、ホラーとミステリーの相性がそこまでよくないのではないかというのが個人的な意見である。読んでいる最中では思いつけないものの、実際に説明されると納得できるという「再現性」みたいなものがミステリーの魅力なのではと勝手に推測しているが、ホラーとかけ合わされているがゆえに、現実ではまあ起こり得ないことが淡々とこの世界では起きてしまっている。そのため一旦完全なフィクションとして切り離す必要はある。
ちなみにこの物語におけるホラー要素、本当に耐性がない人以外は問題ないのではないかと思うが、内容紹介の通り人は死ぬ(わりと残酷な最期もあり)ので、地雷がある人は要注意。
そして「エピソードS」は本編(下巻)あたりから派生するサイドストーリーだが、感じたこと(読み応え等)はそこまで変わらないので省略。
◯総評
読みやすさ:☆☆☆☆☆
読み応え:☆☆☆
ミステリーとしての魅力:☆☆☆
⑤『新編 銀河鉄道の夜』 宮沢賢治
◯内容
宮沢賢治の作品が14編入っている大変お得な1冊。
作品一覧↓
双子の星
よだかの星
カイロ団長
黄いろのトマト
ひのきとひなげし
シグナルとシグナレス
マリヴロンと少女
オツベルと象
猫の事務所
北守将軍と三人兄弟の医者
銀河鉄道の夜
セロ弾きのゴーシュ
饑餓陣営
ビジテリアン大祭
(多すぎるのであらすじは勘弁してください)
◯読みやすさ・読み応え・その他
ひとことで表すならば「大人の童話」だろうか。神秘的な懐かしさの中に広がる宮沢賢治の独特な世界観を、様々な物語で味わうことができる。ちなみに、確認はしていないがおそらく全ての作品が青空文庫にて無料で読めるため、必ずしも本を買って読む必要はない。
読みやすさは…どうだろうか。作品が古いこと、童話であることから、独特の読みにくさはあるかもしれない。個人的には属性が近いと思われる『星の王子さま』よりも少し読みにくいような気がする。
読みにくい理由はまだある。
注釈が多すぎることだ。とにかく多い。引くほど多い。『オツベルと象』を読み始めたとき、「オツベル」に注釈がついていたときはさすがに驚いた。
それから、作者が作品を仕上げずに息を引き取ったせいで、未完成の作品が存在する。結末が描かれていなかったり、誤字があったり、文章の途中で(一字不明)という表記が混じっていたりする。『銀河鉄道の夜』が最たる例であり、物語の内容と、存在しない結末に、二重で喪失感を覚えたものだ。
読み応えは、本当に作品による。前述のとおり作品が多すぎるため全てのあらすじを書くことはしないが、完全なる私の好みで評価するならば
好きなやつは『銀河鉄道の夜』『黄いろのトマト』、好きじゃないやつは『ビジテリアン大祭』『猫の事務所』だ。
『銀河鉄道の夜』に関しては私が過去に別垢にて書いたnoteで少しだけ言及しているのでそちらも参考にしてほしい。
本当に言葉を失うような喪失感に見舞われるため、読むならぜひ最後に、そうでなくても『双子の星』よりは後に読んでいただきたい(理由も過去note参照)。
(ついでに『ビジテリアン大祭』は、なぜこれを最後にしたのか本当にわからずイライラしてしまったくらいに好きじゃない。)
◯総評
読みやすさ:☆☆☆(-)
読み応え:☆☆☆☆☆~☆
物語ごとの魅力の差の激しさ:☆☆☆☆☆
⑥『マチネの終わりに』 平野啓一郎
◯内容
クラシックギタリストの蒔野と、海外の通信社に勤務する洋子はお互いに、出会ったときから惹かれ合った。しかし、洋子には既に婚約者がいた。愛し合っているはずなのに、ある日を境に引き裂かれる2人。どうしようもない葛藤、苦悩、罪悪感、諦めの中でもがく40代の心境を描いた作品。
◯読みやすさ・読み応え・その他
わりと読みやすい。背伸びをしたような表現は少なく、それでいて恋愛感情、願望が満たされない苦しさがありありと描かれており、世界観が心を掴んで離さない。
40代という未知の年齢の登場人物によって織りなされるストーリーをちゃんと楽しめるのかという心配はあったが、全くの杞憂だった。読み応えも抜群だ。表立って感情的な様子を出すような若さゆえの鋭さはなく、未来に残された自分らしく生きられる自由な時間もあまり残されていないという微妙な時期で揺れる心に触れられる。
総じて、全てが「ちょうどいい」小説である。これほど読みやすさと読み応えの両立が叶った小説を私は知らない。ネタバレになってしまうため物語の核心に触れられないのが心苦しいが、いつかこの本を薦めてくれた彼女のように、この本は自分も多くの人に薦めたいと思える1冊だ。
◯総評
読みやすさ:☆☆☆☆+
読み応え:☆☆☆☆☆
ちょうどよさ:☆☆☆☆☆
⑦『兎の眼』 灰谷健次郎
◯内容
新任の小学校教員・小谷先生は学級の個性的な児童に振り回される日々を送っている。一言も話さない鉄三、彼の祖父であるバクじいさん、口は悪いが子どもからの信頼は厚い足立先生など、多くの人たちと関わる中で、苦しみながらも努力することを決意する。
◯読みやすさ・読み応え・その他
読みやすい。中高生でも難なく読めるような読みやすさだ。
この本は「人権教育論」の授業で課題図書とされていたものであったが、この授業を受けていなかったとしても読む価値は十分にある素晴らしい1冊だと感じた。
学校ものの小説ということで、「教育」が綺麗ごととして語られたり、最終的に安っぽいところに落ち着いてしまったりすることを危惧しながら読み進めていたが、いい意味でちゃんと泥臭く描かれていたことが私は嬉しかった。
おそらくここで紹介している本の中で唯一、私が読書中に涙を流した本がこの作品である。
◯総評
読みやすさ:☆☆☆☆☆
読み応え:☆☆☆☆☆(-)
逆境に立ち向かう強さ:☆☆☆☆☆
⑧『寝ながら学べる構造主義』 内田樹
◯内容
構造主義(私なりに分かりやすく言い換えるなら「『ことば』の思想」)とはどのようなものなのか、過去の思想家は「ことば」をどのように捉えてきたのか。難しい現代思想を、様々な文を引用しつつ、筆者が噛み砕きつつ、丁寧に深く解説している1冊。
◯読みやすさ・読み応え・その他
私が読んだ本の中では唯一の新書である。
読みやすいといえば読みやすいが、読みやすくはないという感じだろうか。「内容の難解さ」を丁寧にスモールステップで解説してくれているのを感じる。が、さすがに「寝ながら」学べるほどやさしくはない。私の母は寝てしまった。
しかしながら、内容は興味深く、「ことば」に関心があるなら頑張って読み進めたくなるのではないだろうか。
読み応えがあるのは間違いないが、難しく、自分が100%理解できていないと感じる部分も多いため、まだ少し消化不良だ。
ちなみにこの本はおそらく、高校の現代文の教科書に一部改変されて掲載されている。『ことばとは何か』というタイトルだと思われる。読んでいる途中で「なんか読んだ覚えがあるな…」と考えて思い出したときの鋭い快感はなかなか忘れがたい。
気軽に読めるわけではないが、地に足つけてしっかり踏み込んでいきたくなるような充実度だ。
◯総評
読みやすさ:☆☆+
読み応え:☆☆☆+
なるほど度:☆☆☆☆
⑨『本日は、お日柄もよく』 原田マハ
◯内容
幼馴染の結婚式で、眠気の限界を迎えてスープに頭を突っ込んでしまうほどの退屈なスピーチを聞いた平凡なOL・こと葉は、伝説のスピーチライター・久遠久美に出会うことで、「スピーチ」や「スピーチライター」という職業の奥深さにのめり込んでいく。
◯読みやすさ・読み応え・その他
普通。まあ読みやすくはある。
けどどうだろう。個人的に、この本の良さは「読みやすいこと」くらいだと思っちゃったので、別に薦めはしない。
小説にしては珍しく(?)、わりと主人公(こと葉)が幼稚め。言い換えれば素直でまっすぐな性格をしている。自分が幼稚でひねくれているからあまり楽しめなかったのかもしれない。
いい言葉とかもあるにはあるけれど、常に感動が一定ラインを超えないところで収まってしまっているような感じがして、うまく没入できなかった。
内容は全然違うが、読んでいるときの感覚は『Another』に近いかもしれない。
ちなみに私と感性が合わないことで有名な母は、「おもしろかった!!」らしい。
◯総評
読みやすさ:☆☆☆☆☆
読み応え:☆☆
物語の素直さ:☆☆☆☆
⑩『金木犀とメテオラ』 安壇美緒
◯内容
都内の名門私立中学校に通うために努力をしていたにも関わらず、北海道の私立中学校に通うことになってしまった宮田佳乃。プライドの高い彼女にとって、この進路は屈辱的なものだった。そこで出会ったのは地元から入学した才女・奥沢叶。完璧に思える彼女にも、実は秘密があって……
思春期の少女たちの葛藤を描いた青春小説。
◯読みやすさ・読み応え・その他
青春小説とは言ったものの、正直そんなにキラキラしたものではない。そこに描かれているのは、置かれた場において自分を守るために必死に戦う少女たちの姿だ。
登場人物は、基本的に頭脳が明晰である。しかし精神的に成熟しているかと言われればそうでもなく、いわゆる「学歴コンプ」「高飛車」な人には刺さる1冊だ。
つまらないわけでもないが特別面白いわけでもなかった。
まあなんというか、登場人物は基本的にえらいと思う。
素直でとげとげしい文章で、わりとサクッと読み切れる。
◯総評
読みやすさ:☆☆☆☆☆
読み応え:☆☆
主人公のプライドの高さ:☆☆☆☆☆
⑪『若きウェルテルの悩み』 ゲーテ/高橋義孝訳
◯内容
青年・ウェルテルは、婚約者のいる女性・ロッテに恋に落ちる。叶わぬ恋愛感情を抱き、ついには絶望から自殺を遂げてしまう。その心境を綴り、ウェルテルの友人・ヴィルヘルムに送った書簡によって構成されている。
◯読みやすさ・読み応え・その他
やはり古典作品は読みづらい。もうこれは致し方ないことだ。
しかし長年愛されている作品なだけあって、やはり読み応えはずっしりと重いものがある。あとがきに記されていたことだが、当時の作品として「恋愛感情の行き着く先が自殺」というのはとんでもなく異例であり、世間にものすごい衝撃を与えたようだ。
まあ好みは分かれる。上ではこの作品を当たり障りなく紹介したが、私に言わせると「メンヘラが既婚者に恋してドメンヘラになる話」だ。
あまり書くとネタバレになるため言えないが、死の間際までちゃんと「ロッテを愛しているメンヘラ」という態度がぶれなくて良い。
ちなみに、「最終的に死ぬ」ということはネタバレじゃないんかい!と思った人。私も思ったが、この本の裏表紙にネタバレされたため、もうネタバレとかでもないのだろうと考えている。
そして、作品の前半はずっとヴィルヘルムへの書簡で構成されているというのもなかなか特殊な形式である。これがウェルテルのメンヘラみを増している理由の一つかもしれない。
◯総評
読みやすさ:☆☆
読み応え:☆☆☆☆
メンヘラ度:☆☆☆☆☆
⑫『人魚の眠る家』 東野圭吾
◯内容
離婚寸前の夫婦の間には小学校受験を控えている長女・瑞穂がいる。しかし不幸な事故から瑞穂は脳死状態に陥ってしまう。この残酷な現実を突きつけられた母親・薫子は、狂気的とも思える方法で瑞穂を生かすことを決意する。
◯読みやすさ・読み応え・その他
「ちょうどいい以下」くらい。
かなり読みやすい。少し新鮮だったのは、登場人物が基本的に全員賢いこと。考えは様々に揺れても、取る手段が狂気的でも、根底にある知能の高さは揺るがない。そのため、安定感のある読書が楽しめるが、『マチネの終わりに』あたりと比べると、少し物足りなさを感じるような気もする。
「狂気的」と言っておきながら何だが、読んでいる最中は案外狂気を狂気と感じない。自分でも意外だったが、そういう書き方をしているのかもしれない。周囲の人間が「それはおかしい」と口を出すことで初めてそのおかしさに気が付くような。
「脳死は人の死か」なんて、普段考えない重いテーマのように思えるが、そういう意味では、テーマと読みやすさが良い意味で合っていないのかもしれない。
◯総評
読みやすさ:☆☆☆☆☆
読み応え:☆☆☆☆
登場人物の聡明さ:☆☆☆☆
まとめ
繰り返しになりますが、全て私の主観に基づくものですのでご理解ください。
◯読みやすいもの(☆5つつけたもの)
『兎の眼』『本日は、お日柄もよく』『金木犀とメテオラ』『人魚の眠る家』
◯読み応えのあるもの(☆5つつけたもの)
『ノルウェイの森』『マチネの終わりに』
個人的に今後読んでみたい本
◯『るん(笑)』酉島 伝法
この動画を見て気になりました。
◯『告白』湊かなえ
『Another』を読んで、正統派ミステリーを読んでみたくなった。
とりあえず今日ブックオフで衝動買い。これでダメなら本当にミステリー向いてないんだと思う。
◯『変身』カフカ
ブックオフ衝動買いシリーズその2。「人生で一度は読んでみたい」系の本ですね。
◯『罪と罰』ドストエフスキー
衝動買いこそしていないが、おそらく今後古本を見つけたらどこかのタイミングで買ってしまうであろう、「人生で一度は読んでみたい」系の本。
◯『蟹工船』小林多喜二
教科書で覚えたプロレタリア文学の代表作。「おい、地獄さ行くんだで!」という書き出しだけ知っている。父が知り合いから借りパクしているものが家にあるので、父の返す気が起きる前に読まなければならない。
◯『レ・ミゼラブル』ユゴー
夏までには読みたい、というか読んだ方がいいよなと思っている本。しかし原作が長すぎてなかなか手が出ない。見つけたら今日買うつもりだったが見つからなかった。
終わり!
つかれた!8000字を超える公開ブログは人生で初めてです。
もうみんなよんでください。軽い気持ちで始めるんじゃなかった。わりに合いません。笑
というわけで、そろそろ締めていきたいと思います。
ここから読んでみたいと思える本を見つけて、実際に手に取ってもらえたりしたら嬉しいです…
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