1720年（300年前）の日本
日に日に寒さが厳しさを増し、街路には銀杏の香りが立ち込める。
そんな11月。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルスはまるでもう過ぎ去ったかのように、日本は日常へと戻りつつあります。。と言いたくなるような今日この頃です。
このまま終息していってくれればもちろんうれしいことですが、
まだまだ予断を許さない状況ではないかと、筆者としては思っております。
4月に始まった緊急事態宣言中、あるノーベル賞作家の小説が話題になっていましたが、皆さま覚えておいででしょうか。
そうです、カミュの「ペスト」ですね。
実はペスト、ちょうど今から300年前に流行したということで、コレラ・スペイン風邪と合わせて「パンデミック100年周期説」なんて通説も出ているようです。
いまは読者の方たちも一部の方しか知らない、TSUKURUの活動も300年後に、もう少し多くの方々に何かしらの論評や評価を頂くことができれば一定程度頑張った甲斐があったなぁと、未来を想像し、一堂日々精進しております(^^;
さて、本題に入っていきたいと思います。
ちなみに1,000年前、500年前と続き、『●年前の日本』の3作目になります。
前回は500年前のこちら（ちなみに1,000年前が、TSUKURUで一番人気の記事になってます(^^)/）。
１．1720年といわれても
300年前、1720年の日本。
そう言われて、江戸時代と想起する方は大勢いらっしゃると思うのですが、具体的にどんな人物、どんな出来事があったかといわれると、なかなか厳しいかもしれません。
かといって、実はそこまでマイナーな時期ではありません。
なんといっても、あの8代将軍徳川吉宗の治世に当たるんです。
吉宗といえば、寛政の改革、天保の改革に並ぶ
江戸時代三大改革として名高い、「享保の改革」を行ったことで有名です。
また、三大改革の中で比較的後世からも高い評価を得ているともいえるのではないでしょうか。
享保の改革として一番名高いのは「目安箱」の設置でしょう。
庶民の声を吸い上げていこうと、
和田倉門の近くの評定所前に設置して、
投書を将軍自らが確認して、
実際に小石川養生所の設立などに結実させました。
今の、河野行革相と近いところがあるかもしれませんね。
他には、上米の制や新田開発の奨励、定免法の導入、元文の改鋳などで財政基盤の強化を図りました。
２．享保の改革の光と闇
やはり、財政再建を図る中で、吉宗の改革は至る所で成果を上げ、
その後江戸幕府が一世紀以上安定して続くうえで、
欠かせないファクターになったと言えるでしょう。
しかし、その裏では農民層の困窮をもたらした側面も軽視できません。
一例として、
年貢を四公六民から五公五民に引き上げたことにより農民の税負担は増大
しました。そのため、百姓一揆などが頻発した時代でもありました。
また、庶民に節制を求めたことで、文化の発展の停滞を招きました。
目安箱の設置と聞くと、庶民の方を向いていた「いい将軍」に一見見えてしまう吉宗ですが、果たして実際に当時の人々が彼の改革をどう見ていたのかは、大変気になるところではありますね。
３．ひとくくりに語ることの困難さ
さて、今回は享保の改革を少し掘り下げてみてきました。
理系の方、或いは文系でも日本史を選択されなかった方は、「吉宗＝目安箱＝庶民に優しい」というイメージが裏切られたのではないかと思います。
現代の日本でも、「令和おじさん＝パンケーキ＝いい人」とか、或いは極端なものだと「ヒトラー＝実はいい人」のような言説が飛び交っているようです。
しかし、正義と悪の二分図式の困難さ、それぞれの観点から細分化して人物や時代を評価すること、そんなことをこのnoteを通じて改めて感じていただければ嬉しく思います。
1000年前、500年前、100年前の日本についても執筆したので、下記のリンクから覗いてみてください。
画像提供：東洋経済オンライン、amazon、世界の歴史まっぷ
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ban
コロナ禍の先にどんな未来が待っているのか、
空想が止まらない
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