「千年続く思想をつくる」吉田松陰と起業家教育
1.TSUKURUと吉田松陰
「吉田松陰」といえば、言わずと知れた幕末の武士ですね。
思想家・兵学者として時代に革命を起こしただけでなく、
「松下村塾」を開き教育者として伊藤博文など数々の幕末志士を育てたことはあまりにも有名です。
今回何故、急に吉田松陰(1830年9月20日生まれ)の話をするかというと、この松下村塾の特徴や信念が、百九十年経った今でもTSUKURUの「起業家教育」と通じているからです。
現在TSUKURUでは、「千年続く社会づくり」を志した起業家を社会に送り出すための実践的教育プログラムをインターン生と共に構築しています。
そして、この松下村塾、ひいては吉田松陰のマインドセットは、現在においても起業家を育てる上で重要な仕組みになるはずです。
今回のnoteでは、そんな松下村塾の運営スタイルやポリシーから「行動できる」経営者の理念を学んでいきます。
2.MBAより早い?ケーススタディの実践者
松下村塾の特徴はなんといってもアメリカのMBAで行われている「ケーススタディ」を採り入れた先進性にあります。
約2百年後においても世界の最先端として利用されているなんて、まさに「1000年続く社会づくり」ですね。
吉田松陰が生きる幕末は、圧倒的な力の差があるアメリカやイギリスといった「列強」の侵略にどのように対処していくか、他国から日本を守るためにはどうすればいいのか、そもそも日本自体が変化していかなければならないのか、などなど、様々な思想が渦巻く時代でした。
吉田松陰とその弟子たちは昼夜を通して、
この正しい答えの存在しない問いについて議論しあっていたそうです。社会的、時代背景は大きく違いますが、私たちの生きる時代も本質は一緒なのではないでしょうか。
資源枯渇や環境汚染、食糧不足など、様々な問題が混沌と渦巻く現代社会は「第六の大量絶滅時代」とも呼ばれており、地球環境の保護に重きを置くようになった先進国と発展途上国との間には見えない軋轢が生じています。
持続可能な社会をつくっていくための解法は決して一つではありません。
「ただ闇雲に動くのではなく、大きな目的のために事の本質を見極め、どのように行動していくかを話し合う」この松下村塾スタイルは、これからの時代を担う実践的起業家の教育に最適なのではないでしょうか。
3.吉田松蔭の目指した世界
彼が現在でも名を馳せる所以は、彼が松下村塾で定めたルールにも顕著に現れています。
以下が彼の定めた3つの原則です。
1.「一人ひとりを弟子ではなく、友人として扱う」
2.「お互いの目標について同じ目線で真剣に語り合う」
3.「入塾を希望する人には、
『教えることはできないが、共に勉強しましょう』と言って誰でも受け入れる」
どうでしょうか。
なんとなくですが、彼の生徒を包み込むような大きな志が見えてきそうですね。
松下村塾は、高杉晋作や伊藤博文など多くの著名人を輩出したことでも有名です。
しかし、松下村塾は上下の身分制度を避け、多様性を尊重した雰囲気であったために、決して彼らは同じ意見は持たず、それぞれのやり方で偉業を成し遂げています。
つまりは、「いかに生きるか、何を目標とするかという志さえ立たせることができれば、人生そのものが学問に変わり、後は個人が自由に学んでくれる」という松蔭なりの哲学がそこには存在していたのです。
そんな彼のスタンスは、同じ方向性を持ちつつも各々が自分の長所を伸ばす環境にぴったりですね!
4.松下村塾をTSUKURUに起こす笑
最後に、ここまでの話から学べる、
彼の教育理念をピックアップしてみましょう。
・大きな目的をまず初めに共有し、本質を見極める。
・目的を達成するために何をすべきかを徹底的に議論し合う。
・上下関係を重要視せず、同じ目線で議論する。
・意見の多様性を尊重する。
・各々が学ぶ場所を提供する。
書き出してみると至ってシンプルですが、いざ実践するとなると難しい、教育の本質に迫った内容と言えるのではないのでしょうか。
特に「活動理念を仲間内で浸透させる」ことは、我々TSUKURUもインターン生と特に意識していかなければいけないと感じています。
人に物事を教える場面は日々溢れていますので、是非これらのポイントを活かしていただければ幸いです。
吉田松陰の人生から我々が学べる事柄はまだまだたくさんあり、またどこかで詳しく説明できたらなと考えています。以上読んでいただきありがとうございました!
6月10日加筆
この記事から数日過ぎ、こちらも書きました。
もしよろしければ、ご覧ください。
画像提供
吉田松陰 Wikipediaより
ケーススタディ 毎日エデュケーションより
松下村塾 画廊musicaより
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この記事を書いた人は
ken
東京大学4年
微生物の研究はじめます