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「ディズニーにおける能力値とマッキーミウスという祖父の勘違い」の話

タイトルのマッキーミウスは誤字ではない。


亡き祖父の勘違いによる造語である。


皆大好き、エンターテイメントの粋、あの夢の国。


彼の地では子供はもちろん、大人すら、現世でのあれやこれやを全て忘れて、キャッキャウフフしてしまうという……愛と夢に溢れた聖地……。


私には……あの夢の国を楽しむ能力が欠落しているのだ。


ディズニーを愛し、楽しむ人々を心底羨ましく思う。


友人が

「ディズニー行ってきたよ!」


と言えば、


(すごい楽しかったんじゃ!楽しさが伝わる!私も幸せになるわ!)


と心より思う。


ディズニーが私を嫌いな訳ではあるまい。


彼の地の住人達は、恐らく、このような欠落人間の私すら愛してくれよう。


私がディズニーを嫌いな訳でもない。


一流のプロフェッショナルとして、尊敬している。


プロフェッショナル仕事の流儀、情熱大陸でミッキーの特集をしてほしい。


ミッキーの仕事にかける情熱、苦悩、葛藤……。


ある時事件が。


その時ミッキーのとった対応とは!?


お、面白そうじゃな。


それはさておき。


ディズニーを楽しむお客さんサイドの人々は愛しいと思う。


恐らく、私とディズニーの間には、何と言うか……暗くて深い谷があるのであろう。


幼い頃、TVでリアルミッキーを見た時、随分衝撃を受けたものだ。


(な……思ってたよりデカイ!顔も同じ表情で固定されて……中に、人間が!恐らく日本人が!入ってる感じがビシビシ伝わってくる!あわわわわ)


両親ともに(ディズニーを楽しむ力を有さない)無能力者だった為か……私もすくすくと無能力者として育ってしまった。


USJが出来たばかりの頃、友人に誘われて、一度だけと思い行ってみた。
 

(私!大学で性格大分変わったし、今なら、行ける気がするー!)

と、一縷の望みを託して……。


感想は一言。


「なる程、これがUSJか。」


心の声はこうだ。


(私そもそも映画をさほど観てないから、どれ一つとって思入れがないよ……演者さんが頑張ってくれとるから、いい反応を返したいと思うけど、私、ええ感じの演技もできませんし!?ああああ!顔が!素になってしまうー!芽吹け!私の演技力!!ここにいる観客として120点のありかたをー!!)


惨!敗!!


あの時は、心底自分にガッカリしたものだ。


「何か、誘ってごめんな?」


優しい友達が気を使って、優しい言葉を……更に傷つく!


「いや、楽しかったよ!友達と一緒だと余計楽しいわ〜」


な、涙で文字が霞む……


夫もゴリゴリの無能力者だったが、息子はというと……


数年前の夏休み。


「せっかくの休みじゃし、どっか行く?USJとかもありよ?」


と聞くと


「うーん、行かなーい」


「そっかー」


子供きっかけで能力者になる夢は、砕け散った。


さて。


そんな私に強い味方が現れた。


朝倉未来である。


那須川天心とのコラボ動画で、勝負し、負けた朝倉未来は罰ゲームとして(!)ディズニーランドに行く事になった。


全体的に反応が薄い。


アトラクションを体験し、ご飯を食べ、買い物をして、一通り終えた後、那須川天心が尋ねる。


「ディズニーランドの感想は?」
  

朝倉未来は答える。


「まあ、ディズニーか」


ワォ(´⊙ω⊙`)!


そんな反応も……ありか。スゲーな、朝倉未来。


YouTuberのヒカルも明日花キララとのコラボ動画で言っていた。


「ディズニーの楽しみ方わからへん。男で心から楽しむ人珍しいんじゃない?」


ワォ(´⊙ω⊙`)!


こんな私でも堂々と生きていい、そう思わせてくれる男子が二人も……心強い。

何処にでも希望の光はさす。


亡くなった祖父が存命中、こんな事を言ってきた。


「こないだ、ばあちゃんとデズニーランドに行ってきたでー」


「デ、デズニーランドに……」


「マッキーミウスに会ってきたわ」  


「マ、マッキーミウスに……」


何処からツッコめばいいのか、ツッコまないのが正解なのか……紡ぐ言葉が、見つからない。  


子供が無理なら孫に期待。

孫と一緒なら!何をしたって楽しい筈だ。


隔世遺伝に未来を託すとしよう。 


あなたが能力者なら、


大切に次世代へと受け継いでほしい、その力を。


それは私の手からこぼれ落ちた夢の欠片なのだから。














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