貞観政要_4

貞観政要その4 諫言を受け入れる

最近、NHKのBSプレミアムで歴代中国王朝の名君主を取り上げる番組をやっていて、清の雍正帝が取り上げられているのを見ました。

率直に雍正帝ってすごい人やったんやな~と思いました。皇帝としての在位は13年ほどとそれほど長くはなかったのですが、朝4時から夜12時まで働き、地方の官吏一人ひとりと文通を交わし、その内容を出版して世に広めていたとのこと。過労死するほど働くのが良いわけではないですが、地方の部下の仕事ぶりまで目を通すその仕事ぶりは素晴らしいと思いました。

この雍正帝について書かれた本があまり多くないのですが、時間を見つけて少し雍正帝について勉強したいと思います。

さて、今回は積極的に諫言を受け止めよというお話しです。

大意

太宗の顔つきは威厳があり、いつも臣下は気押されていた。そのことに気付いた太宗は、臣下が進言するときには顔色を和らげて話を聞くようにしていた。

貞観の初めの頃に太宗が臣下に対して語っていた。
「自らの顔を見ようと思えば、明るい鏡が必要である。君主が自分の過ちを知るためには、臣下の諫言が必要である。君主が賢そうにふるまうのであれば、たとえ過失があったとしても、臣下は誰も諫言しないだろう。そうなれば国の滅亡は避けられない。隋の煬帝の暴虐な政治の下では誰もが口をつぐみ苦言を呈さなかった。その結果、隋は滅亡し側近の虞世基らも最後は誅殺された。この煬帝の話は遠い過去のことではない。お前たちは政治の実態をよく見て、もし人民が苦しんでいることがあれば、遠慮なく諫言してほしい。」

考察

太宗はよく臣下のことを鏡に例えた話をしていたようです。自分の決めたことが正しいものであったかどうかを確認するために、臣下からの諫言・忠告を積極的に求めたのです。

日本的な社会や企業では、リーダーとか上司が決めたことが絶対のものであるとして、それに従うイエスマンが取り立てられていくということが往々にしてあるように思います。でもそれだと間違った方向に進もうとしたときに修正が利かないということになってしまいます。

最初に取り上げた清の雍正帝も、地方官吏との文通の中で自分自身の過ちを指摘された場合には素直に受け入れ、その文書を公表していました。リーダーのそのような姿勢が、臣下・部下からの諫言・忠告を引き出すのだと思います。

リーダーにとっては諫言は耳の痛いものであるかもしれませんが、良い結果や良い方向に導いていくためには欠かせないものです。素直に受け入れられるようにしたいものです。

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