コロナ後の国の姿を語れ たどたどしくていいから自分の言葉でね

COVID-19感染拡大を阻止する目的で発出した緊急事態宣言。報道によると、期限の5月6日を1か月延長するらしい。ウイルスキャリアが蔓延したのは「仕方がない」と言う人が少なくないだろう。「誰がやっても結果は同じだった」「政府批判は結果論に過ぎない」「この非常時に政府批判をする気がしれない」「現行憲法では戒厳令を敷けないのだから、憲法を改正すべきだ」etcの異論反論が噴出する。

中国・武漢で正体不明の感染症が流行っているという情報が入ったとき、それはおそらく去年の12月中旬過ぎだろうが、多くの日本企業が武漢市郊外の工場誘致4地区に生産拠点を設けているだけでなく、春節に中国人観光客が大挙訪日することも分かっていた。日本の官僚機構はさすがにエリートの集まりだから、現地に調査団を派遣するなり習近平国家主席の訪日について中国政府と調整もしたに違いない。

しかし彼らは同じエリート集団の性癖で、①5割以上が感染すれば蔓延は頭打ちになる(キャリア1人から罹患するのが1.0以下になる)+②就労年齢層が罹患しても死に至ることは稀である+③特効薬はなく治療法は確立していない=だったら重症者だけケアすればいい(どうせ死ぬ人は死ぬのだから、高齢者が死ねば年金も介護保険制度も助かるし相続税が入ってくるじゃないか)と考えた。経済の低迷より10万人の健康被害を選択した悪魔のトレードオフだ。絶対多数を救うための少数犠牲ーー自分だってそういう判断をするかもしれない。経済産業省と財務省の操り人形であるアベくんが田原総一朗氏のインタビューに答えて「第3次世界大戦のつもりで取り組む」と言ったのは、国民1万人の死は国益を守るうえで已むを得ないと言ったに等しい。

東京オリンピック・パラリンピック2020の1年延期を決めて小池百合子クンは手作りマスクで一気に新型コロナ対策のジャンヌダルクに駆け上った。それに対して安倍クンは特別給付金で迷走し、星野源クンの「うちで踊ろう」動画に便乗しようとして顰蹙を買い、アベノマスク466億円の調達で胡乱な根回しが疑われている。都知事と首相では立ち位置が違うし責任の重さも範囲も違う。

学校の始業を9月に変更しては、という案に安倍クンは前のめりに見える。失点を挽回したい焦りを見るのは私だけだろうが、ここは一番、新型コロナウイルスが収束したあとどういう国にしたいのか、たどたどしくて構わない(というか事前に用意した原稿をスラスラと読むだけでは聞く人の心に染み込まない)から、自分の言葉で語ってほしいと切に願いたい。

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