マイナポイント 心配なのは「たらい回し」型のトラブル 大衆迎合メディアの記事は要注意

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スマホの画面では文字が小さすぎる

マイナポイントは、①東京オリンピック・パラリンピック2020終了後に予想される景気落ち込みに歯止めをかけること、②併せてキャッシュレス決済の普及を図ることがお題目(大義名分)だった。東京オリパラが延期になったので「マイナポイントは中止ですか?」と聞いたら、「粛々と実施しますよ」の返事だった。理由は「予算が付いているから」だという。

結局、マイナンバーカードの交付枚数を増やすことが大目的になっていて、その裏を探ると、昨年6月、マイナンバーカード用のICカード5000万枚を発注していて、在庫7000万枚を早く片付けたいからだ、ということが読めてくる。QRコードでキャッシュレス決済や公演チケットがゲットされる時代、カードそのものをなくすのが「ITの利活用」じゃないのか——という論は、残念ながら霞ヶ関や永田町には通じない。

さて、SankeiBizが《早くもトラブル多発 マイナポイント事業「カード読めない」》と報じている(https://www.sankeibiz.jp/business/news/200702/bsj2007021851002-n1.htm)

トラブルを喜んでニュースにして非難の声を煽るのは大衆迎合的メディアの特性。わたしもその一人かもしれないのだが、この記事に出ている「トラブル」の多くは、システムそのものの問題ではないようだ。こういう記事に煽られて軽々にアクションしないよう、心がけることも必要だ。

わたしはSuicaを登録したが、分かりにくかったのは「決済サービスID」と「セキュリティコード」。どうして分かりにくい言葉を分かりにくいまま使ってしまうのだろう——ということを指摘しないと、改善につながらない。

ちなみに「決済サービスID」は、キャッシュレス決済事業者に登録されている自分のIDをマイナポイントに連携するためのもの。そうしないと利用額が分からないし還元ポイントも付与されない。

Suicaを登録するための「決済サービスID」は、まずJREポイントサイトで「JREポイントの登録」をする。そうすると「JREポイント交換番号」が付与される。この交換番号が「決済サービスID」。

マイナポイントを登録するために、別のサイトで別の作業が必要なのが問題で、例えばSuicaカードの番号を入力させるとかで対応できなかったものだろうか。またWebアプリ間の連携がないのが難点ではある。

マイナポイントの登録そのものは簡単にできた。ただ、わたしは物理的なSuicaカードとスマホ版モバイルSuicaを使っている。どちらにチャージしたらマイナポイントが付与されるのかが分からない。JRの窓口に尋ねたら「それはマイナポイントの事務局にお問い合わせください」という。

こういうたらい回し型のトラブルが、あちこちで始まるんじゃないか。

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