見出し画像

『京都祇園もも吉庵のあまから帖 4』(志賀内泰弘・著)


 普段の読書では、紙の書籍が読みやすく感じますが、電子ブックは購入直後に読むことができますし、複数冊でも嵩張りません。電子ブックで付箋やマーカーが一覧できるのは、調べたり読み返したりするのに便利です。

 よく利用するのは Kindle ですが、割引クーポンを得て ebookjapan で購入することもあります。また、最近は利用しませんが、雑誌の最新号は Fujisan.co.jp が便利でした。
 ただし、使いやすい電子ブックですが、購入サイトによってリーダーが異なるので、“積読”の書籍がどこにあるのか分からなくなることがあります。

 以前、「電子ブックで購入したはずだが…」と記憶にはあるのに、見失った(?)ままだった『京都祇園もも吉庵のあまから帖 4』(PHP文芸文庫)を、やっと読みました。

 京都・祇園の片隅にひっそりと佇む甘味処「もも吉庵」。
 店を営む元芸妓のもも吉の、趣向を凝らした麩もちぜんざいと人柄に惹かれ、お客が今日も訪れる――。
 頑張るというのは、我を張ること。理不尽に歯を食いしばって意地を張るのも大事なことだけれど、自分を納得させるためだけにがむしゃらになるのではなく、まわりを気遣って張り切る――“気張る”ことこそが真の心意気なのだ。
 ――古都の風情と、花街に集う人々のひたむきに生きる姿を描いた人情物語。

 第一話は、もも吉の娘・タクシードライバーの美都子が修学旅行中の女子中学生が…
 第二話には、病のため職を失った男が…
 第三話は、これまでも登場した朱音が…
 第四話では、卓也と母が…
 第五話で、骨董店で何かを見て、そこから離れられない男性が…

 もも吉は一つ溜息をついたかと思うと、裾の乱れを整えて座り直す。背筋がスーッと伸びた、帯から扇を抜いたかと思うと、小膝をポンッと打った。ほんの小さな動作だったが、まるで歌舞伎役者が見得を切るように見えた。
あんさん、間違うてます

 各話の主人公に向けた もも吉 の言葉は、きっと“あなた・わたし”に語られてきます。
 明日に向かって“気張る”力がわいてきます。

 最新刊は、第5巻です。どれもお薦めです。


  もくじ

第一話 風薫る 少女に仏の慈悲あらん
第二話 彷徨いて 祇園囃子に立ち止まる
第三話 萩の寺 恋は子猫に誘われ
第四話 深かりし 母の想いや山紅葉
第五話 老舗継ぐ 兄弟におぼろ月
巻末特別インタビュー 著者・志賀内泰弘が、もも吉お母さんに京都の美味しい甘いもんを尋ねる


【関連】
  ◇志賀内 泰弘(Facebook)
  ◇『京都祇園もも吉庵のあまから帖』(志賀内泰弘・著)(2019/10/23 集団「Emication」)
  ◇『京都祇園もも吉庵のあまから帖2』(志賀内泰弘・著)(2020/10/04 集団「Emication」)

  ◇Kindle(Amazon)
  ◇ebookjapan(YAHOO! JAPAN)
  ◇Fujisan.co.jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?