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保護犬の里親になるまで:⑥トライアル3週目

保護犬って? 保護犬を引き取りたいけどどうすれば?
そんな興味をもつ人のために、”夫婦共働きでも保護犬の里親になれた”私の経験をお届けしています。
今回は第6回「トライアル3週目」編。2週間かけて環境の変化を受け入れてきた犬。3週目は新しいことにも挑戦できそうです!

前回はこちら⇒⑤トライアル2週目
目次ページ ⇒⓪はじめに



新しいことに興味を持つようにになってきた

 私たちとの暮らしを「安心だ」「信頼できる」と思ってもらえたのでしょうか。少しずつではありますが、今までのルーティンになかったこと、今までの行動範囲の外に興味を持つようになってきました。

 犬にとって楽しいことが増えるのはとても嬉しいもの。私たちも飼い主候補としてサポートをしたいと考えました。


少しだけ遠出してみる

 これまで、毎日の散歩コースから外れると犬は立ち止まって動こうとしませんでした。その時は無理をせず散歩を続けていました
 しかし、犬の散歩の様子を観察していると、草や土のにおいを嗅ぎながら犬自身で少しずつ行動範囲を広げていることがわかります。普段のコースに十分慣れたと思った時、歩いて5分ほどのところにある大きな公園に向かってみることにしました。

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 しばらく経ったある日、散歩の途中に公園の方にリードを引いてみると、犬はすんなりとついてきてくれました。途中で水を飲ませたりしながら、犬のペースで歩きます。公園にたどり着くと緑道がとても気持ちよく、犬も気に入ったようでした。
 一度行けるようになると、その後はすぐついてきてくれるようになりました

NGゾーンを作ってみる

 家に来た当初から、犬はケージに入ることが苦手でした。あまり無理強いはせずに部屋の中でフリーにさせています。はじめは好きな場所で寝ているのですが、私たちが布団を敷くと、いつの間にかその上で寝いることがありました。(場所の都合上、寝室は分けられませんでした)。
 朝は布団に乗って「散歩に行こう」と腕をつついてきます。とてもかわいいのですが、これでは人間が落ち着いて眠れません。衛生面でもあまりよくないそうなので、布団の上は犬のNGゾーンにすることにしました。

①犬が布団に上がってきたら、「NO」と言って犬を下ろします。
②布団以外の場所に落ち着いて座ったらほめ、くつろいでいるときは邪魔をしないようにします。


 しばらく繰り返すと犬は布団に上がらなくなりました。布団を敷くとそのそばに陣取り、好きな格好で寝ています。私たちも安心して眠れるようになりました。

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他の犬と交流してみる

 ある朝、いつもの散歩コースを犬と歩いていると、「○○ちゃんですか?」と犬の名前を呼びかけられました。犬が過ごしていたシェルターでボランティアをしていた方とのことで、元保護犬を連れています。トライアルのことをお話するととても喜んでくださいました。
 連れられていた犬と我が家の犬は面識がありません。でも、人間が話しているあいだにそっとにおいを嗅ぎあっていました。以前は知らない犬に出会うと吠えていた犬ですが、落ち着いて反応できるようになったようです。

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 それ以降、少しずつ他の犬と交流できるようになりました。犬同士が問題なさそうであれば、飼い主さんの許可を得てしばらく様子をみるようにします。ある程度においを嗅ぎあうと満足するようで、和やかにその場を離れられるようになりました。

 (余談ですがこの後も「○○ちゃんですか?」と声をかけられることがありました。シェルターでお世話になった人・一緒に暮らしていた犬と出会える、犬も人も嬉しい瞬間です。元保護犬ならではのつながりかもしれません。)


困ったこと

換毛期で毛が抜けて、部屋の掃除が大変!

 トライアル期間中は換毛期で、びっくりするほど部屋の中に犬の毛が落ちていました。トライアルの準備時、”部屋の低い位置にモノを置かない”としたことで、かなり掃除がしやすかったです。それでも、3週目ともなると少し負担に思えてきます。準備時の合言葉は「ルンバが使える部屋にする」…購入が現実味を帯びてきました。
(換毛期のブラッシングについてはたくさんアドバイスをもらいました


車には乗れない…

 少しずつ新しいことにチャレンジできるようになった犬ですが、車に乗るのはこわいようでした。車ドアを開けて誘っても後ずさりしてしまいます。(車に乗って我が家にやってきたのですが、その時も大興奮でした)かかりつけの動物病院も車で行く距離にありますが、今はトライアル期間。緊急時でない限りは乗らなくて良いと判断し、無理に乗せることはしませんでした。


「これからも一緒に暮らしていけそうですか?」

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 犬は我が家の環境にも慣れ、行動範囲も広がってきたようです。嬉しそうな表情をすることも増えました。保護団体の担当スタッフさんにはその様子を3日~1週間に一度報告しています。トライアル3週目は正式譲渡を視野に入れてお話をしていました
 トライアル期間中も沢山の喜びをくれる犬。スタッフさんの「これからもこの犬と一緒に暮らしていけそうですか?」との問いかけに全力で「はい!」とお答えし、正式譲渡の手続きをすることになりました。
 手続き後は正式に”我が家の犬”ということになります。嬉しさと安堵がこみあげてきました。

 とはいえ、トライアルのために団体からお借りしているものも少なくありません。今までの変化をふまえつつ、”我が家の犬”になるための準備をすすめていきます。

次回、⑦トライアル4週目 をお届けします!

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