バランスのとれた心理欲求の実現の重要性について

今回は2018年12月に発表されたブダペスト大学の論文の和訳・要約です。

~要約始まり~

自己決定理論は、3つの基本的な心理欲求(自律性、関連性、有能さ)が満たされることがモチベーションを最大限に引き上げるうえで重要であると述べている。この主張は十分なエビデンスに基づいているが、一方で「それぞれの要素がお互いにどう影響を及ぼしあうのか」「バランスの取れた心理欲求の充足はどれだけのシナジーを生むのか」といったことにはあまり注意を払ってこなかった。

今回の研究は、潜在プロファイル分析(latent profile analysis)を用いて心理欲求のバランスの取れたグループとバランスの取れていないグループを比較することで、この疑問に対処している。

この研究は1094人の成人を対象に行われた。


モチベーションが最大限に引き上げられたのは、のうち、4つのプロファイル(グループ)だった。

⑴全ての心理欲求が高い水準で満たされたプロファイル

⑵関係性のみが高い水準で満たされたプロファイル

⑶すべての心理欲求が平均的な水準で満たされたプロファイル

⑷すべての心理欲求が満たされなかったプロファイル


興味深いことに、これらのプロファイルは強迫観念的情熱、ネガティブ感情という点でお互いに異なっており、ポジティブ感情という点でも少し異なっている。しかし、調和のとれた情熱という点では異なっていない。

DMP(Dualistic Model of Passion):調和のとれた情熱(Harmonious Passion)と強迫観念的情熱(Obsessive Passion)

ネガティブ感情(negative affect)とポジティブ感情(positive affect)


プロファイルのメンバーシップは、特定の要因と同様に普遍的要因と関係していた。

これらの結果がが示すのは、個々の心理欲求の充足とは別に、3つの心理欲求のバランスも、幸福と最高のモチベーションにとって大切だということだ。

~要約終わり~

数学の知識がないため、潜在プロファイル分析の詳しいプロセスを理解することができませんでした。

間違えている可能性も大いにありますので、もし間違いがありましたら、指摘していただけると幸いです。

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