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11/2~11/6 晩秋の北アルプスに登る

◆11月2日(土)北アルプスの女王に会いに

朝5時30分、夜行バスは定刻どおりに燕岳の登山口である中房温泉に着いた。

これから1泊2日で燕岳に登る。燕岳に登るのはたぶん5回目ぐらいだけど、最近は5月中旬から下旬ぐらいの残雪のシーズンに登ることが多かったので、この季節に登るのは初めて。

前回、2018年の残雪期に登った際の山行記録と、燕山荘についてのレポートはこちらの記事↑にまとまっている。山旅のきろくは別途ブログに書こうと思っているので、旅の詳細についてはそちらの記事に譲るとして、ここでは所感をざっくり書いていこうかなと。

今回の燕岳は11月初旬にしてはかなり積雪も少なく、燕岳の山頂まではほぼ雪がないというコンディション。そのせいか登山者はかなりの数だった。

と言っても8月9月の週末ほどではないと思うけれど……ここ数年間、燕岳に登るのは5月中旬から下旬ぐらいのまだ雪が残る時期ばかりだったので、もう「普通がどんななのか」が正直よくわからない。燕岳にとっての「普通」っていったいいつなのか……。

だけど残雪期の宿泊のときは、寝床として与えられた場所は食堂のある棟の2階で、しかも1人で2畳ぶんぐらいのスペースを広々と使っていた。けれど今回は、食堂からわりと長い距離を歩き、長い階段を上ったり下りたりした「新館」と呼ばれる別棟での宿泊。

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こんな長い階段があるって初めて知ったよ……。

寝る場所も1人1畳ギリギリないぐらいで、狭いと感じるほどではないものの「ひろびろ、悠々」という感じではなく。

まあたしかに……登山中の大変さで考えると、今回はほぼ登山道に雪がなくアイゼンを着ける必要もなく登頂できたから、残雪期に比べるとかなり楽だった。5月に何度か来たときは、樹林帯はところどころに雪が残っていて下山時は滑るし、日中は雪が腐って踏み抜くから登りもきついし、万人向けではない。

でも、11月初旬のこの時期も、いったん天気が崩れたら一気に冬山めいてしまう可能性もあるわけだから、決して油断はできないのだけど。燕山荘のスタッフブログにも「夏山感覚での登山は危険ですのでおやめください」とあったし。

「夏山感覚」かどうかを見分けるポイントって「靴」なのではないかと思うのだけれど(服はそのとき暑ければ脱いでしまうから)そういう意味では今回、夏靴の人も大勢いたと思う。実際、冬用のゴツい靴って雪がなかったら底が固くて重くて歩きにくいだけだしね……どのタイミングで切り替えるかは悩ましいところだが。

残雪期のほうが格段に空いてはいるけれど、その代わり食事時に「赤沼オーナーのお話」と「アルペンホルンの演奏」はない。残雪期に2度泊まって2度ともなかったから、お客さんが少ない時期はオーナー不在か、いてもやらないんだろうな。
鈴木ともこさんの「山登りはじめました2」にも登場するオーナーに、3度目の正直で出会えたのは良かった。本当に漫画のとおりの人で、笑ってしまった。

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席の関係上、後ろ姿だったのだけど……まあ、話もホルンもしっかり聞こえましたので。

夕食も3~4回転していたので「食事タイムが終わったら食堂で一杯飲もうかな」と思っていたけど、待ちきれず寝てしまった。

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