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2022/11/20の日記「感情の一番上っ面の部分」
起きた直後にぼんやりと覚えていた夢は、意識して言語化していかないと音を立てて消えてしまう。しゅるしゅるという具合にだ。さっきまで覚えていたのに…と少し悔しくなるし、胸の奥に何かがつかえている感じがして気持ち悪い。
そうやって忘れてしまったあとでも最後まで残っているのが、夢の中の自分が抱いていた感情の上っ面の部分である。それは色だったり感情の端くれだったり、その時々で変わる。夜中に見ていた夢のうわずみを掬った色は濃い青緑色だった。
夢の内容がどうだったか、しばらく思い出せなくても、ふとした瞬間にぶわっと全景が浮かんで来ることもある。
さっきの濃い青緑色の夢は、彼氏と旅行に出かけた先でめちゃめちゃ大きいさつまいもを買っていた。彼氏は親に電話して色々確認するんだけど
「別に重かったら無理して持って来んでいいよ」
と言われていた。何の生産性もない夢。
その内容云々は別にどうでも良くて、一番気になるのは感情の外側の色である。何であの色なんだろう。濃い青緑色。苔玉みたいな色だったな。多分特別な意味とかは全くないんだろうけど、ふんわり気になる。
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先日彼氏と行っためちゃめちゃおしゃれなカフェ。
ケーキがすごく美味しくてとても良かった。
次はランチも食べてみたい。
こういう食べ物って、ちゃんと「食べるぞ〜!」という気持ちにならないと食べられない。
見た目はかわいらしくファンシーなので、きゃっきゃっと心が沸き立った状態で食べ始める。ケーキはむちむちのふわふわで、もちろん美味しい。付き合い始めた頃は甘いものなんて全然食べなかった彼氏が
「やっぱチョコだよな」
と言いながら隣で食べているのは幸せの極みである。
そして味よりも、と言ったら失礼かも知れないが(味ももちろん最高)、こういうものは場の空気感みたいなものを楽しむものなのだ。おしゃれな空間で好きな人と並んで美味しいケーキを食べ、どうでもいい話をしながらゆったりと時を過ごす。
しかし私はそういった風情をすっ飛ばして
「ケーキ、うま〜!」
で全てが終わる。食に関しては情緒もへったくれもない。舌バカで味音痴で偏食なので、自分が好きなものは大体全部うまい。味の違いは分からないし、細かな感想も言えない。でもそれが一番楽だし彼氏も似たようなタイプの人間だから、それでいいかなと思っている。
ちなみにこのときケーキを食べながら彼氏と話した会話の上澄みの色は、赤みがかったうっすい灰色だった。内容云々とはまた別に、そのときの感情、場の空気、彼氏との距離感、声のトーン、そういったものを全部シャッフルした上澄みがうっすい灰色。エモってこれだわ、とひとりで納得した。
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彼氏は仕事一筋!いっぱい働きます!みたいな人間ではない。月の半分くらい働いて、残りは友人のイベントに顔を出したり、レコード屋巡りをしたり、私とデートしたりしている。だから私が数ヶ月仕事をほっぱらかして資格試験の勉強をしても
「ようやるねえ、俺全然勉強わからん」
と言うだけで別に何も責めない。
「ともちゃんなら大丈夫!絶対合格するよ!」
と励ましてさえくれる。そして延々「働きたくないよ〜」と嘆き続ける明らかに社会不適合者である私に対し、
「まあ労働は疲れるからな〜」
と共感してくれる。こういうとき、これから先の人生を共にする(予定の)パートナーがこの人で本当に良かったな、と思う。
食べ物の好みや衛生観念がズレていても多分しんどいとは思うけど、それ以上に「労働意識」のズレはかなりしんどい気がする。働きたくないけど働かなければいけない状態でうじうじしているのに、
「ほらあとちょっと!こんだけ働いたら休みなんだから頑張って!」
などと松岡修造のようなことを言われたら私はもう一生その相手と口をきかないと思う。いや、普通にみんな嫌か、そんな人間…
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結果として行政書士試験の結果はぼろぼろではあったし、今後の未来設計が1年先送りになってしまったことは確かではあるが、そんな彼氏のおかげで「まあ何とかなるやろ」と思うことが出来ている。
正直、めちゃめちゃ悔しいけど……
一週間前に戻って試験中の自分の肩を揺さぶり「問題をちゃんと読め〜!!」と教えてあげたいけど………
終わったもんは仕方ない。1年後に再受験することを決めたので、前に進むしかない。あと1年あるならまあ受かるやろ、無敵無敵、と思うあたりが私の切り替えの早さと言えよう。無駄にポジティブ、根拠の無い自信だけはある。
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昨日は朝5時半に起きてから40分間肢別問題集をやった記憶と記録があるのだが、何を勉強したのかは全っっ然覚えていない。なぜなら前日の夜に眠剤をいつもの1.5倍飲んで寝たから。再び労働の日々に飲み込まれることの恐怖、社会との接触、現実の全て……恐ろしすぎて全然眠れなかった。
それでもちゃんとアラームで起きて、立てた勉強ノルマをしっかりとこなし、身支度をして家を出たのは本当にえらい。朝のことは何も覚えていないが…
労働のあと、帰り道にある銭湯に行った。この銭湯は以前からよく労働帰りに寄っていた。
彼氏もたまに友人と行くらしい。私とは風呂屋に行かないのに友人とは行く。なぜなら友人はめちゃめちゃせっかちで、風呂に浸かるのも秒だから。風呂に対する向き合い方がそもそも違うんだな。
彼氏も私のように風呂好きになってくれたら良いのにな、とぼんやり思うことはあるが、それは私が革ジャン大好き人間になることと同じくらい難しいだろうな…と再びぼんやり思う。
お互いの好きなことは干渉せず、それぞれ好きにやる方が良い。私も彼氏もひとりが大好きな人間で、ひとりの時間が無いときっと気が狂う。お互いを尊重するというのはこういうことなのだろう、多分。
そう、そしてその風呂屋である。
昨日行ったら、1階にあるバイブラ、ジェット、寝湯、電気湯にシートが掛けられていて、中に入れなくなっていた。1階に残っているのはあつ湯とぬるい薬湯である。2階にはぬるい露天風呂と水風呂、サウナがあるが、サウナに入らない人はあまり2階まで行かない(階段が結構つらいから)。土曜日なので人も多い。入って来た人はシートが張られた浴槽を見て
「何これ!?」
と口々に騒ぎ、さっと薬湯に浸かって帰って行った。
その光景を見ながら、これは債務不履行になるのだろうか、履行の追完をするよう催告し、確答が得られなければ代金減額請求出来るのかな…ということを考えていた。でも一応風呂には浸かっているし、債務は履行されたと言えるのではないか、頭や体を洗ったり、水道も使っているし…
と未だに試験の範囲を引きずっている自分がいることに気付いたりした。
民法、深みにハマると完全に沼だが、条文を読んでいるだけでドラマ性を感じられるので好きだ。明らかに「これやる人ADHDでしょ」と思う条文もある(707条1項)。そして私もやりかねないな…と己を顧みたりする。
法律の堅苦しい文章の中にも人間ドラマが隠れているというのはすごく面白い。来年は民法の条文全部暗記したい。がんばれ脳みそ!
風呂はあつ湯にさっと入ったあと、2階のサウナで8分×3セット。-1.3kgとまあまあの記録であった。最後に露天風呂に浸かってぼーっとしていたら15分くらい経過していて、湯から出ている部分だけがめちゃめちゃ冷えていた。冬が近い。
風呂上がりにベビーオイルを全身に塗ったくっていたら、同じ時間帯にサウナにいたおばちゃんが丁度風呂から出て来て
「背中塗ったろか?」
と言ってくれた。私はそれがどこまで本気なのか(私が必死に塗っている様が面白くて冗談で言った可能性もある)分からず、
「え!大丈夫です!ありがとうございます!」
とお断りしてしまった。おばちゃんは笑っていた。
こういう冗談混じりのシチュエーション、まじで正解がわかんね〜!になる。受け入れて塗って頂くべきだったのか、その方がおばちゃんの顔も立つし良かったのか?ということを無限に考えてしまう。大人になってもこういうことって全然わからない。人間同士のコミュニケーション、むずすぎ。
そんな感じで元気に生きている。一週間前の今頃は試験前で何もしていなくても脈が100を超えるくらいドキドキしていた。先週も雨だった。
来年の今頃は清々しい気持ちで試験を終え、彼氏とゲラゲラ笑っていられますように。
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今日は諸々頑張ったご褒美におつとめ品のシャインマを食べます。
おわり。
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