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生活は続いていく


家にある食材を適当に見繕ってそれなりに食べられるかたちに仕上げるの、結構得意かも、と気付いた。

乾物をストックしてある棚の奥に眠っていたサラダマカロニ、1年以上前に地元のスーパーで買ったオリジナルブランドのミートソース、冷凍していた豚ひき肉としめじとほうれん草、いつから野菜室に居座っているのか記憶にない玉ねぎ。
これらを炒めたり和えたりしたあと、最後に味を見ながら適当に調味料を加え、賞味期限が「2024.1.10」と記載されたピザ用チーズをのせてミートマカロニグラタンの完成だ!

副菜という概念は存在しない


これは昨日、娘からの「洋食っぽいものが食べたい」という願望の提起により生み出された産物である。
結構美味しかったしすぐできた。天才かも。


ひとはこの行為をきっと「料理」と呼ぶ。
私は料理のことを好きでも嫌いでもない。正確には、そのジャッジが出来るほどの場数を踏んでいないと言った方が良いのかも知れない。

お恥ずかしながら長年子ども部屋おばさんをやっていたので、家事のほとんどを母に丸投げしていた。
母も多分そこまで料理が得意な方ではなかったと思うが、毎日なんだかんだと作って食べさせてくれていた。ありがたい話だ。しかし母はもういない(生きてはいる)。



母が入院して2ヶ月が経った。緩和ケア病棟に移ってからは1ヶ月半くらい。
母が家に帰って来ることはもうないと思われる。
最後に外来で診察を受け入院が決まった日、感極まって泣いてしまった私を見て

「このまましぬわけじゃないんだし」

と母は笑った。肺がんで余命宣告をされてはいたが、がんが脳に転移したせいで11月の頭から認知障害のようなものが起きていた。余命宣告をされ「私あとどれくらい生きられるんだろう」と言っていたこともすっかり忘れていたのかも知れない。



とまあそんなしみったれた話を今日は書きたかったわけではなく、我が家は10代、30代、70代女性の3人暮らしから、10代と30代女性の2人暮らしとなった。

その中で気が付いたことがある。
食材使いきるの無理じゃね?という問題である。

その代表が葉物野菜だ。葉物は足がはやい。購入して2~3日が経てばシナシナになり、いつのまにかぐったりしている。
最近、小松菜やほうれん草は冷凍出来るということを知り、安いときに買って冷凍するようになった。
そうはいってもなかなか思い通りにいかない野菜も多い。レタス、キャベツなどはちょっと目を離すとあっというまにシナッ…となってしまう。
あともやし。もやしは知らん間に袋の中で溶けているのでびびる。そういうときは大地の神様に「ごめんなさい」をして、袋ごとさようならだ。


葉物野菜を元気なうちに消費するには、買ったその日に使ってしまう、というのが一番堅実だと思う。
しかしながら女2人暮らし、スーパーに行く頻度自体がそこまで高くない。まとめ買いをするにしても「また使い切れなかったら…」と思うと買うことすら躊躇してしまう。
そのため、野菜を買うにしても根菜ときのこばかりになってしまい、野菜室を上手く活用できていないな…とガラガラの野菜室を見て思う。きのこは冷凍できるからいいね!

家計の無駄遣いを減らすためにも献立を決めて買い物に行きましょう、と提唱されているのも見かけるが、そもそもその日によって食べたいものが変わるのであまり意味がない気がする(我が家の場合は特に)。
だから作り置きとかもできない。数日後に同じものを食べたいと思っている自分と娘が想像できないからだ。


そうなると必然的に、備蓄してある食材をうまく組み合わせて料理っぽいものをする、というスキルが上がっていく。
その昔、元夫の家族と同居していたときは、大人6人+幼児1人という7人分の食事を毎日作っていたが、これは元夫の父が買い出しに行き、元夫の母が「今日はこれとこれで何何を作ってちょうだい」とミッションを与えていたからこそ成り立っていたことだと約20年越しに気付いた。
当時の私は7人分のごはんを毎日作っていてすごいなあえらいなあしんどいなあと思っていたけれど、ただ与えられた仕事をこなしていただけだ。そこに「思考」が存在しないため、楽っちゃ楽ではあったのだ。

離婚後、私、娘、母の3人暮らしとなってからも、私が料理をするのは自分が食べたいものが明確に決まっているときだけ。それは日常や生活という部類のものではなく、イベントに近い。非日常だったのである。
子ども部屋おばさん、日々生活を送ることの大変さにようやく気付く…!


家事といえば先日、39年生きて来て初めて換気扇掃除をした。これまではずっと母がやってくれていたので、やり方すら知らなかった。

母が最後に換気扇を掃除してくれたのは10月の終わり頃。昨年末から「やらなきゃな~」と思ってはいたものの、「寒い」「気温が低いから油が固まっている」「換気扇を止めるとファンヒーターを点けられない」などの言い訳をし、見て見ぬふりをしてきた。
それでも毎日換気扇に付いたほこりが視界に飛び込んで来る。今やらなくても近い将来必ずやらなければならない。未来の自分のテンションが下がらないように今やるべき…
など己を奮い立たせてなんとか換気扇の掃除を成功させた。こんな面倒くさい疲れることを母は毎月のようにやっていたのか…と思うと気が遠くなった。
もう二度とやりたくはないがこれからも生活は続いていく。なくしてわかるありがたさ、親と健康とセロテープ。新幹線の三河安城駅前から見える看板にデカデカと書いてある言葉の重みを39歳にしてようやく知るのであった。


その他の家事に関しては、現在無職であることも相まって今のところ良好に日々こなしている。換気扇掃除と葉物の管理以外はあんまり苦じゃないので、できることならこのまま引きこもって生活を続けたい。

とはいえ、来週の水曜日(1/31)は行政書士試験の合否発表がある。
私はもう完全に合格したものだと仮定して事務所の物件探しをしたり、デザイナーの友人にHP作成を依頼したり、イラストレーターの友人にアイコン用の似顔絵やロゴ作成を相談したりしている。
これでもしマークミスがあり不合格だったら…ということは考えない。11/12の自分のことを信じているから…めっちゃ頑張ったから……(多少の不安はある)

合格が確定したら、開業のためにやることは山積みだ。考えたくもないが1週間後の自分は合格に浮かれた勢いで何とかやってくれるのではないか?という甘い期待をしている。まずは不動産屋に電話するところからだ。やるぞ!



◎最近のできごとコーナー◎

彼氏とアンティークショップに行ってぐったりしたり
やっとCADの本を買ったものの1ページも開いていなかったり
正月に娘とパルコでマツケンくじを引いたら紙袋を2枚ゲットしてしまい小脇に抱えて帰る羽目になったり
猫に4時間ほど太ももを占拠されて尿意と戦ったり
居住地域の治安が相変わらず最悪だったりしています。犬!


今年も健やか穏やか平和に日々過ごしていきたい。
(久々にPCから文章を書くという行為をしたかったための日記なので特にオチなし!)


おわり


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