「あーん」の普遍性
相手に口をあけてほしい時に、「あーんして」と言い、スプーンなどで、食べ物や、薬などを、赤ちゃんや介護の必要な人にあげる。
私が小さい頃の昭和の時代は、ドラマやアニメなどで、新婚カップルがいちゃいちゃするシチュエーションにも、この「あーん」が使われていたと思うのだが、今回、サムネのイラストを検索していたら、関連する萌え系イラストがいっぱい出てきたので、令和の現代でも通用しているのであろう。
残念ながら(?)、こういういちゃいちゃする場面で「あーん」した経験はいまだかつてないのだが、仕事で薬や食べ物をスプーンで患者さんにあげることは、よくしている。
もちろん、スプーンで食べ物や薬を与える動作自体は、世界中どこにでも存在しているだろうが、「あーん」という声掛けは日本語に限定されるはずである。
しかし。
アメリカの介護施設や病院で働いていて、つい、この「あーん」が口に出てきてしまうことがある。
不思議なことに、今にいたるまで、私が「あーん」と言っても、全く怪訝な顔をすることはなく、どの患者さんも口をあけてくれるのだ。
食事、薬、そして検温する体温計。
「あーん」のかけ声で、あけてくれるのだ。
かように、「あーん」は普遍的なのだろうか。