メタバースちょっと覗いてみた

日本で一般的にインターネットが普及し出したのは
1995年頃からだそうです。
昭和生まれ、平成ギャル世代(ギャルではなかった)のわたしが
小中学生の頃にはまだなかったインターネットが
高校生ぐらいから登場しました。
モバイルもどんどん進化して一般化していきましたね。
今や大人も子どもも当たり前のように
一人一台はスマホやタブレットを所持している時代ですが
わたしが高校生の頃はまだポケベル、PHS、ケータイが混在していて
そのどれも所持していないという子も少なくなかったです。
昔はインターネットにはパソコンが必須だったと思いますが
スマホが登場して、パソコンがなくても参加できるようになり
SNSも普及し、現実の日常とはまた違う世界が
一般の人にもどんどん拓かれていきました。

若い世代は、生まれた時からインターネットがありスマホがあり
学校など公の場でもネット上のコミュニティがあり。
それがどのような感覚なのかは、残念ながらわたしにはわからず。
小学生の子どもが友達と遊ぶ様子ひとつ見ても
自分たちの頃とは全く違います。
ファミコン世代は、ゲームをするならするで
友達の家に行って一つのテレビ画面をみんなで見ながら
コントローラーを回して交代で遊んだり
ゲームボーイなんかが出てきてからも、公園に集まって
それぞれが自分の手元を見ている、というような遊び方でしたが
今は各自が自宅にいてオンラインで同じゲームをプレイしながら
同時に通話もできてしまう。身体がそこに居ないだけで、
この子達は同じ空間にいるんだなぁと感心してしまいます。

メタバース(仮想空間)で遊んだり仕事をしたりするという感覚を
子ども達は自然と身につけていくんじゃないかと思いますが
わたし自身も含め、成人して久しい世代にとっては
抵抗や拒絶、諦めが生まれやすい分野かもしれません。
親の不安とは関係なく、時代の流れ、子ども達を取り巻く環境は
どんどんそっちへと進んでいくんだろうと思うので
知らない怖い参加できない では話にならないと思い
メタバースでセミナーをしている動画というのを拝見してみました。

それぞれが自分好みのアバターで、思い思いのリアクションをしながら
セミナーに参加しているので、
視覚は完全にゲームの世界。
アバターが発している講師の話は生身の人間の声なので、
聴覚は現実世界。
実際に自分がアバターを作って場に参加してみないと
わからない感覚もあると思いますが、
正直、面白いなぁと思いました。
このメタバースセミナーの中で、AI社会のネットリテラシーの要として
講師の方が選んだ言葉が
[お天道様がみている]だったのがとても印象的でした。
全ての情報が記録されて、発したものが取り消せない世界。
ネット上に証拠が残ってしまう怖さ…という捉えになりがちだけど
現実世界の生身の言葉だって発したものは取り消せないわけで。
監視がなくても、証拠がなくても、
天に恥じない言動をしているか自分自身に問えることが
現実世界でもメタバースでも共通して大切なんだと思うと
知らない世界、新しい世界であっても
そこに生きるのは結局自分自身だということに氣づかされ
苦手意識や不安が少し和らいだように感じました。
セミナーに参加している様々なアバターを見ていて、
今の自分の好みの色や形であったり、なりたい理想の自分であったり
個人の心理が反映されて作り上げているのだから
アートセラピーのような観点でその人への理解を深めることも
可能なんじゃないかなぁと思い
メタバースでのヒーリングセッションも面白いかもしれない
と思ったりしました。

生身の人間が主軸として在るからには
仮想空間だけに没頭することも難しいのではないかと思います。
映画マトリックスで、
培養液で満ちたカプセルの中で眠り続けながら
夢の世界を生きている、という状態の人間の姿が描かれています。
その極端な姿に、すぐにはピンと来ませんでしたが
生身の五感を使うことなく生命を維持している状態は
ほぼ毎日加工食品の食事をしたり、
人工香料の刺激に慣れ親しんだり、
汗をかかなかったり、殺菌消毒を徹底している
現代人の行き着く先を表現していたのかなぁと思いました。
映画でも、2色のカプセルで
どっちの世界を生きるか自分で選べたように
生身はさておき仮想空間を満喫する、という生き方も
有りなんだと思います。

わたし自身は、五感の先の第六感の面白さが好きだし
舞をするにも身体感覚は必須なので
生身も氣づかって生きたいなぁと思っています。
とはいえ、江戸の暮らしをロールモデルに
電化製品を使わない、畑で採れたものしか口にしない、
洗剤も使わない自然派の生活を心がけることで
身体感覚を研ぎ澄ませていこうとまでは考えておらず
技術の発展の恩恵も享受しつつ、温故知新で
自分や家族にとっての良きバランスを探っていきたいと思います。

メタバースセミナーの動画を拝見したことで、
何から始めたらいいのか具体的な動きはまださっぱりでも
苦手意識は手放せたような、
その世界に自分も無理なく生きられそうな、
ちょっとしたワクワクを味わいました。
世界が大きく変化していくのを目の当たりにできる世代に生まれたこと
ラッキーなのかもしれません。
世代の違いで分かり合えないことも必ずあるでしょうけども
学ぶ姿勢や柔軟さを忘れずにいれば
新世代の足を引っ張ることはしなくて済むかな?と思うし
自分たちの世代だからこそ役に立てる何かも
必ずあるだろうと思います。



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