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戸隠神社宝光社

初冬の週末、長野の温泉に行くという時、ふと思い立って戸隠神社に立ち寄ってみました。

数年前に、杉並木の長い参道を奥社まで歩いたことがありましたが、他は訪ねることがなかったまま、今回は、急速に暮れかかる夕方頃ようやく宝光社にとどりつき、お詣りしました。

山の斜面は陰っていましたが、社殿の辺りは日が残っていました

この宝光社の御祭神は女の神様だそうで、御神楽が有名です。いつか見てみたいものです。

戸隠神社宝光社

なんだかすごく気持ちのいい場所で、おみくじをひくことにしたら、神主さんが、まず祝詞を奏上した上で一枚渡してくださいました。内容は素晴らしいメッセージで、すっかり明るい気持ちになり、わざわざ来てみて良かったと思いました。こういう気持ちを味わえたらいいなぁと思って、誰もが神社仏閣に詣でるのかも知れないと改めて思いました。

火之御子社の夫婦杉

お隣の火之御子社にも、お詣りしました。こちらは、とても素朴な感じのお宮さんです。古い形を一番残しているのかも知れません。

戸隠連峰を拝むような形で社殿が五つ並んでいますが、最初から順に歩いて巡るというのもいいのではと思いました。カミーノや熊野に行く気があるなら、まず戸隠からというのも考えます。

宝光社の駐車場にあった案内板。とてもわかりやすい

昔のひとは、亡くなった家族の霊は、やがて山へと昇って行き、祖霊神となって子孫を見守るという信仰を持っていました。そして、山は神の宿る他界であり、山伏は、そうした山へ分け入り、厳しい修行の後に神通力を得て、里の人を助ける仕事をしました。このような説は、民俗宗教学という分野の書籍を読むとくわしく知ることができます。

伝来の仏教と神道が習合したあとは、お寺と神社が同じ場所にあるという時代が長く続きましたが、明治時代の神仏分離の際、山伏の活動は廃止され、戸隠は神社として残ることになったそうです。このように、戸隠は、狭い地域に日本の宗教史のエッセンスがぎゅっと詰まっているところと言えるでしょう。

奥社に通じる杉並木、巨大な杉の根方

季節が良くなったら、奥社への杉並木を、また歩いてみようと思います。そうだ、御神楽も見たいんだった、忘れないようにしなくちゃ。


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