脱(反)・丁寧な暮らし

「丁寧な暮らし」が世の中に蔓延って、もうずいぶん経つと思う。Instagramのハッシュタグは200万件近くに達し一般化しているものの、Googleのサジェストには「うざい」「違和感」「疲れた」「無理」などネガティブな言葉が並ぶ。
そもそも丁寧な暮らしとはなんだろう。

https://matome.naver.jp/m/odai/2135512673244508201

上のまとめに色々書かれているように”暮らしの動作や心持ち一つ一つに気を配り、心と身体の満足度を上げていく生活”がそうだとするならば、非常にパーソナルかつミニマルなことなのネガティブワードが来るのはなぜか。

Instagramの#丁寧な暮らし を覗くとたくさんの整った写真が羅列されるが、そこから浮かび上がるのは「丁寧な暮らしに憧れる」人々のアピールであったり、そのナチュラルなトーンとは裏腹なギラギラとした欲望たちだ。
そうしたワナビーの群れに憧れるビギナーたちも普通の生活にさえ#丁寧な暮らし をつけてアップをするので、今ではただの晩飯でさえ”丁寧な暮らし”の仲間入りする名欲人間の無法地帯となっている。

おそらく皆がネガティブに思っているのはここなのだろう。お互いがお互いを丁寧か否かを見定め、私はいかに充実した生活を送っているかをアピールし合う世界観は、ハイブランドに身を包んだ金持ちアピールよりもある意味厄介で目に余るものがある。「丁寧な暮らし(笑)」と揶揄をする事も自然的だなとうなづける。


   でも考えてみれば、丁寧であれ雑であれ
      自分や他人の暮らしにそんなラベリングをしたくなる風潮って
   なんだか不思議だと思いませんか。
                               ”

今年頭に出た”暮しの手帖 4 早春”に載っていた編集長の言葉だ。
誰かの暮らしを羨んだり憧れを持つのは別に勝手だが、競い合うことはもうやめにしよう。報告はあってもいいがアピールはいらない。みんなに割り振られた暮らしを、コロナにめげない名も無い暮らしを互いに認め合っていきましょう。

https://www.amazon.co.jp/dp/B082PQ4WWR

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