見出し画像

不倫とポリアモラスな生活について

この記事をたまたまyahooニュースで読んだとき、私の中のトラウマが目を覚ました。

私は現在、ポリアモリーとして、夫がありながら複数の人を愛し、またそれを夫に許容してもらっている。けれど私は、自分でも「意外」なほど、不倫については潔癖でありたいと思っているふしがある。

もちろん、芸能人の不倫をとやかく騒ぐようなことや、そこまで仲がいいわけでもない友人の不倫に口を出す気はない。だけど、私の中には私がポリアモラスな性質を持たざるをえなかった、傷があることを思い出した。


それは、中学一年の私の誕生日に起こった。

普段から好きに出入りしていた父の書斎に、なんの気なしに遊びに行き、一通の私宛のFAXを発見したのだった。しかし、私宛の誕生日祝いのその送り主たちの名前に憶えがなかった。

ふしぎに思った私は、もちろんすぐに父に尋ねた。「これって誰?私の知ってるひと?」

すると、両親は神妙な顔つきで、そこに座りなさい、と言ってきた。ただ事ではない雰囲気に、おかしなことを聞いてしまったのだと焦ったのがリアルに思い出せる。

両親の話は、思春期の私にはショックなものだった。

なんと、仕事の都合で離れたところに暮らしていると聞いていた祖父が、実は祖母を裏切り駆け落ちをしていて、その相手の子どもからのFAXだったのだ。

どおりで、と思った。

祖父が大好きだった私は、たびたび祖父に会いたいと手紙を書いていたが、いつも「仕事が忙しい」とつれない返事が返ってきていた。家で祖父の話をすると、それとなく話を逸らされていた。

私は、不倫をして祖母を置き去りにした祖父にも、本当のことを何年も隠してきた両親はじめ大人にも、心底絶望した。FAXをくれた駆け落ち相手の連れ子には悪意は感じられなかったが、自分から祖父を奪ったと感じてしまった。おおかた、今まで毎年この手のFAXがあり、毎回両親が破棄していたのだろうと想像もした。吐き気すら覚えたのだ。

そんなことがあったが、私はどうしても一人だけに操を立てて愛することのできない性分だった。高校生で初めての彼氏ができてからも、いろんな別のひとに気が行ってしまう。そんな自分が嫌でしかたなかった。祖父の血を引いているからだ、と責めたこともあった。

しかし、アングラ文化に触れた20歳前後から、その悩みは解消される。世の中には、「彼氏いるけどいい?」とちゃんと事前に伝えても、付き合ってくれる男性がいることを知ったのだ。また逆に、「別のパートナーができそうだけどあなたも好き」という状態を受け入れてくれる男性もいた。


私の中で、不倫や浮気が罪だと感じる点は、「誰かを傷つける恐れがある」ことと、「嘘をつくこと」だった。なので、最初から存在を明かしてしまえば、平和な関係が作れることを知った。

そして、最近になり、「ポリアモリー」という言葉に出会う。ポリアモリーこそまさに私が今までしてきたライフスタイルと一致していたことに気付いたのだ。


この記事にあるように、不倫をしてそれが機能不全家族になる可能性はおおいにあると思う。悲しい結果を迎えないようなコミュニケーションを、大人には心がけて欲しいと、自戒を込めて思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?