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目の前の無駄に心を折らないこと


決定打も何もない小さな不調が続いている。

仕事にも行ける、
電車にも乗れる、
ご飯も食べられるし、
夜にはちゃんと眠れる。

だけどLINEを返せなかったり、大好きな映画も音楽もわたしの表面をざらりと撫ぜるだけで全部落っこちていく。そんな日常の不整脈が起きることがままある。


最近もそんなところで。
小さくフーフー息をしては身体を丸める夜が多かった。
そういう時って何してるかあんまり覚えてない。


ふっと気づいたらめちゃくちゃに漫画を大人買いしていて。
全部全部表面だけで流れていったのに、なんか夢中で読んでいたらしい。

なんかこんなこと、前にもあったなあ?

考える。

コロナでごりごりの閉塞感の中、一気にアンサングシンデレラを読み込んでいたっけ。
病院薬剤師のお話だった。

目を落とす。

必死に読んでいたのはフラジャイルだった。
病理医のお話だった。


そう考えてみると今までいくつも医療のお話に救われてきたことがたくさんあって。

なんでかなぁと今日は考えてみた次第です。



どかんと結論ですが、悪者がいないんだよなあ。

そりゃ物語的に敵対する人物が出てくることはあるけれども、それよりもっと大きな立ち向かうべきものがある。病気という大きな壁。

未知のものに対して特効薬がホイホイ開発される物語なんてなくて、実直に、誠実に、日々を積み重ねる。今日の自分がより良い未来の礎となるように。
あんまりにも壁が高くて、分厚くて乗り越えられなくて、一気に井戸の底にただ1人で叩きつけられるような絶望に打ちのめされることもある。
大丈夫だよ、気にしなくていいよ、次があるよ、なんてマシュマロみたいに甘い言葉で引っ張り上げてくれる現実はなくて、ただただ事実を受け止めて、受け入れて、自分で井戸の底から登っていく。
きっとそんな井戸をみんな経験していて。
その度に登ってきたその一歩一歩が今という未来だと。

まぁ抽象的にしか書けないんですけども、ここにわたしの好きが詰まっているなあと実感したわけだ。
なんせ人生のバイブルがハイキューなものですので。



たぶん、仕事を頑張りたかったんだろうなあわたし。


実直はダサくないよって、無駄じゃないよって励まして欲しかったんだと思う。


バカ正直に長年続けることを誠実って言うんですよ

フラジャイル 第20話

目の前の無駄に心を折らないこと

フラジャイル 第9話


映画モテキに出てくる『弱ってる時に聞くアイドルソングは麻薬』論に通づるところがあると思いつつも、なんだかやる気に満ち満ちている夜。

自己啓発本なんてと思っていたけど、自分なりに処方箋を持っていたんだなあ。


そんなフラジャイル、なんと3巻無料だそうだよ。回し者じゃないよ。ただね、最新刊まで読んでとってもとってもたまらない気持ちになったので誰かを道連れにしたいだけだよ。


正しいと思うことをただひたすらにやり続ける。

「限界まで努力したという自負はありますか」という問いに、間髪入れず全員が「もちろんです」と返したSEVENTEENのかっこよさよ。

そういうところだよなあ。


一発逆転なんてものはないし、ある日突然日常が一変するなんてことはない。
ただ粛々と日々の階段を登っていくだけ。
無駄かもしれない、自分じゃなくてもいいかもしれない、捨てそうになるそんな物事を必死で掴みながら。自分への期待と、小さな脅迫。


負けるなよ。

負けるな。


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