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『烏の恋』44:プロット100本できるかな。

 タロットカード6枚引いて小説のプロット100本作る創作訓練やってみた記録です。



◆引いたカード◆
1主人公の現在:塔(逆)必要とされる破壊
2主人公の近い未来:教皇(正)教え、寛大
3主人公の過去:力(逆)本性、自惚れ
4援助者:吊された男(正)自己犠牲、忍耐
5敵対者:節制(逆)浪費、不安定
6結末:皇帝(正)責任、父性


『烏の恋』44/100

 解体屋のノト(塔・正)は、生来の自惚れやで、自分を認めない街の人間を不満に思っていた(力・逆)。
 あるとき瓦礫の中から美しい笛を見つける。唯一の理解者で親友のタムに見せに行くが、タムは数日前に身売りされていた(吊された男・正)。タムの家族を呪い、貧しい者が報われないこの街を呪い、解体屋の腕で街を破壊してやろうと目論んでいるところへ、笛の持ち主と名乗る男が現れた。金を要求するノトだが「笛を鳴らせぬ、価値も知らぬ者が」と激怒される。それは男自身ではなく、懐に隠されていた生首であった。魔道の者と見て、金ではなく街の破壊をノトは要求した。生首は柳眉をひそめただけで「数日待て。気が変わったの撤回したいだのは聞かぬ」と約束し、男は肩をすくめる。
 しかしその数日の間にタムは戻ってきた。家族のため自らの身を売ったタムだったが、家族もまた、タムを取り戻すため手を尽くしたのだった。タムを買った男もまた、その窮状を知って援助を申し出たが施しを受けまいとするタムのために、表向き残酷な身売りという形をとらせたのだという。器用なタムは庭の手入れも家の中のこともそつなくこなし、住み込みで働いているのだという。
 ノトは笛を只で返すかわり要求を取り下げたいと願うが、生首に一蹴される。
やがて双頭の巨大な竜が現れ、街を蹂躙して去って行った。しかし、街を破壊するのが何なのか、いつやってくるのかを男から聞いていたノトは住民を避難させていたため、被害は家屋のみで済んだ。
 街の有力者たちは生首を携えた男の姿を神の使いと勘違いし、畏れて今後は公平で清い街を作ると誓う。すべて自分の責任と知るノトは新たに街を作ることに尽力し、完成の喜びの日、街を出た。ノトから事の全容を聞かされたタムは、その後を黙って追う。  (了)


 番号ふりまちがえてたのに気づきました。当初ブログにアップしたのと付番変わっちゃったけど、まあ照合してどうこうというものでもなかろうもん。

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