『ヨーヨー笛は聞こえない』7:プロット100本できるかな。

 タロットカードを6枚引いて、プロットを100本作る創作訓練の記録。

◆引いたカード◆
1主人公の現在:節制(正)適応、自重
2主人公の近い未来:女帝(正)繁栄、豊かさ、収穫
3主人公の過去:女帝(逆)不安定な愛、停滞
4援助者:愚者(逆)計画性の無さ、非協調的
5敵対者:魔術師(正)独創性、技術力
6結末:審判(逆)こだわる、遅延

『ヨーヨー笛は聞こえない』7/100ファンタジー

 後宮での権力争いに敗れた主人公シマは、帝のお召しなど望めもしない日々をひっそりと過ごしている。そんなとき新たに召された若い女リンは、美しくもあったがそれより楽の技量で帝が目を留めたものらしい。
 リンの奏でる楽器は見たこともない独特のものなうえ、合奏すら誰も、どんな楽器もできない。
 あるとき何気なく故郷の歌を口ずさんだシマの歌声にリンが即興で合わせる。リンの楽はシマの歌だけがともに奏で合うことができるようだ。
 楽のためにたびたびシマとリンにお召しがかかるが、リンは帝の寵愛には興味がない。夜の楽しみのあとで床をともにするのは決まってシマにゆずられ、やがて懐妊する。
 リンはその独特な立ち位置から周囲にうとまれ、後宮から抜け出す計画をシマに打ち明ける。
「演奏だけして生きていけるなら、こんなに幸せなことはないと思ったのだけど。見込みがはずれた。聞くのは帝ばかり。でも、あなたに会えた、それがこの後宮に私がとどまった、唯一の意味」
 しかしシマはあくまで後宮での幸福にこだわり、脱出計画を誰にも話さないと約束し、リンの差し出した手を取ることはなかった。
 翌朝、騒がしさで目が覚めると、シマの枕辺にはごくありふれた小太鼓が転がっている。手の中でまわすと鳴る赤ん坊用のおもちゃを手に、シマは立ち尽くす。 (了)


 一応はエンドマークつけるまで小説を書き終えることができるので、こういう創作訓練はあなたにとって意味あるのかって問われたことありますがね、何がいいって、自分で考えろって言われたらぜーったいにひりださないような、百合っぽ話が出てくるとこです。
 百合はインストールしてないの私。BLだけなの。
 萩尾望都先生の作品だったと思うんだけど、それエレキギターだよね?っていうのを「琴」と称しているのがものすごくいいなあと思って。リンとシマの奏でる楽はジャズじゃないかなあ。


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