見出し画像

とびの冒険 #1

※突然の思いつき企画😊以前ちょっと書いてたワンコ目線のお話し、ちょっとづつ記事にしていこうかなと思います。では、どうぞ。

ぼくの名前はとび。 ぼくが生まれた時からお世話してくれた女の人が、最初にとびー(Toby)って名前をつけたの、ワン。それからしばらく、ぼくは「とびー」だった。ぼくの毛は黒くて少しカールしてる。赤い首輪がよく似合うっていろんな人から言われるよ、ワン。ぼくはすごく大きな犬にはならないって、周りの人がよく言っているよ。ぼくは大きくなってもならなくても、そんなことどっちでもいいよ。

ぼくを育ててくれてた女の人の家には、ぼくの兄弟のほかにもたくさん子犬がいて、ほとんどみんな毛が少しカールしていて、黒か白か茶色だった。中には体の毛は黒いけど、足のところだけ白いのもいて、女の人は「ブーツ」って呼んでたよ。「ブーツ」は女の人がカウチの上に置いた靴下をくわえてバスルームの隅っこに持っていったり、玄関のところに脱いであったサンダルを噛んでちぎったりするのが大好きで、面白そうだったからぼくも真似してやろうかなと思ったんだけど、女の人が「こら、ブーツ!靴下をどこかに持っていったらダメじゃない!」とか、「ブーツ!もう!私のお気に入りのサンダルを噛みきっちゃったのね!悪い子!」って言って、怖い顔してどなってたから、ぼくは、いつも食べ物をくれる女の人の事好きだし、怒られるのはいやだったから、ブーツの真似はしないことにしたんだ、ワン。だけど、ブーツはいつも同じようなことをして怒られていたよ。ブーツはもしかして、女の人を怒らせるのが好きなのかな?怒られるのが楽しいのかな?って思ったよ。ぼくは怒られるのが嫌いなの、ワン。

女の人の家にいるぼくたち犬のメンバーはしょっちゅう変わって、新しく生まれた犬がやってきたり、どこかに行ってしまう犬もいたよ、ワン。女の人は優しくて、ぼくたち犬に、茶色くて小さくてカラカラに乾いた豆みたいな食べ物を食べさせてくれたよ。夜になるとキッチンのカウンターの上に脚を組んで座ってよくお金を数えていた、ワン。ぼくがどうしてあの緑色の紙きれのことをお金だと知っているかって?ぼくはとても頭がいいんだよ。だから、ぼくには何でも分かるの。

ぼくにはチャビーっていう名前のお兄ちゃんがいて、女の人の家で一緒に住んでたの。チャビーと掴み合いっこしたり、飛び乗りあいっこしたり、噛み合いっこするのがすごく楽しかったよ、ワン。毎日毎日チャビーとあばれてたら、ある日、間違えてチャビーの右後ろ足を噛んじゃって。チャビーが「ウィーン!」って声出して痛がった。女の人がとんできて、僕に「とびー!だめじゃない!噛んだらだめ!そこに座っていなさい!」と叫んで慌てていた。女の人はチャビーの血をふいて、何かを塗った。ぼくは、女の人に初めて怒られてちょっと悲しかった、ワン。

その日からしばらく・・・ 次回へ続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?