月影太陽光発電所 閑話休題:栗ック三昧
太陽電池パネルの熱気も随分と冷めた今日このごろ。
さて、今日は、DIYエンジニアリングでもお楽しみください。
今年の秋も、友達の栗農園を手伝って、朝と夕は栗拾い。。。
今年は天候不順もあり、栗の収量(昨年の約7割程度)や品質が今一つだったけど、元同僚の友達と、ラジオを友に農作業!
・栗のあれこれ
日本の栗は、ヨーロッパ種や中国種に比較し、非常にサイズも大きく、他の果物と同様に品種改良・栽培技術の改善が続いてる。友達も、今年は苗木を各種品種を選んで20本程植えていたけど、既に販売されていない品種もあったとの事。
栗の収穫は、栗菓子では特に鮮度が求められ、早朝と夕方(3:00頃)の2回/日での落果した栗を拾います。栗は、水洗時に浮き・外観の1次選別を行った後、送風機の下で常温乾燥させ、さらに虫害等の目視選別を行い、良品を径サイズ別に仕分けて出荷されます。鮮度にこだわる和菓子屋さんでは契約農家から仕入れるのは勿論、自営農業部門の栗園を持っている場合もあります。
栗園の収穫は、早生~奥手の収穫・出荷が8月末から10月初旬まで、休日無しで続きます。降雨があれば落果量は増加するので、雨天下での作業も必要です。一人ぐらしの友人でも、丘陵の栗園は1000Kgの収量があるので、月影は栗拾いだけのスポット助っ人をしている次第!
残念ながら、月影は選別技量も無く、栗拾い程度しか出来ないので、昼帯は退屈しのぎも兼ねた、素浪人本舗製の贈答用栗ストック材を作ります。
8月末~9月初旬の早生品は旬の物として買取価格も高いので、筑波などの奥手品種になってから自家製ストック材作りを始めます。
栗は果物ですので、新鮮な内に調理加工をしますが、栗自体は冷蔵保存することで、栗でんぷん質が糖化し、30日程度で3倍程度に甘くもなります。焼き栗用には、チルドルームに30日程度冷蔵し、その後は冷凍保存することで長期間に渡って、楽しむこともできます。生栗の保存では、40日を越えての冷蔵保存は甘味増加がないので、30日程度で冷凍保存化しているようです。冷凍では、でんぷん糖化は進まないので、まずは冷蔵保存が必要とのことです。
(和栗の蘊蓄を簡単に得るには、『農文協:くりの絵本』が大人も
楽しめる絵本として、お勧めです。絵本ですが、農業技術センターの
方が書かれており、多方面の栗文化・技術を秋の夜長に学べます。)
・栗の楽しみ方
月影は、菓子用の栗ストック材として、栗きんとん・甘露煮・渋皮煮を作ってますが、これらをアイスクリームやヨーグルトと併せて楽しんだり、マロンパイやパウンドケーキに用います。生栗は、焼き栗としてウィスキーのつまみにしますが、デザート用の栗菓子材料としては、加工ストック材が便利なので、次のような手順で、栗ストック材を作ります。
1)栗きんとん材 の作り方
まずは簡単なのが、栗きんとん! 和菓子としては法人対応の手土産菓子として中津川の和菓子店で発売された商品として有名ですが、栗と砂糖を練りあげ、茶巾絞りに形状を整えるだけなので、和菓子入門に最適です!
また、菓子材料の冷凍保存ストック材として、重宝する調理法です。
必要な材料も、栗とグラニュー糖だけですし、電子レンジを用いることで、失敗もなく簡単に作れ、冷凍保存も容易なので、入門用にお試しあれ。
栗のサイズは問いませんが、新鮮な栗ならば、風味が良くなります。
手順
①栗を蒸し上げる(沸騰後、蒸気で約40分)
栗のでんぷん質は、95℃15分もあれば糊化するので、40分蒸し上げます。
スーパーでは、栗は1Kgレベルでも売られてますが、この量レベルを家庭で一括調理すれば、冷凍ストック材としても重宝すると想います。
②蒸し上がった栗を、あたたかいうちに、包丁で2分割に切ります。
③2つ割りされた栗から、小スプーンを使って中身の栗だけを掻き出し、器に集めます。
④掻き出した栗は、すり鉢で栗の固まりがないように、すりつぶします。
すりつぶしている時に、混ざった渋の欠片などがあれば、取り除きます。
栗きんとんでは、栗の固まりがあると舌ざわりが悪いので、ご自身の粒度
の好みに合わせて、滑らかさを基本に栗をすり潰します。
⑤すりぶした栗を、陶器の器(ラーメン丼等)に移し、栗重量を計測します。
栗の重量に対し、所定のグラニュー糖を良く混ぜ合わせ、電子レンジにて
グラニュー糖を溶かすとともに、水分を若干量蒸発させます。この時、器
(ラーメン丼等)にラップをかける必要はありませんが、もし、栗の水分
調整をしたい時は、加熱時にラップをかけて調整します。
A.グラニュー糖は、すりつぶした栗:100gに対し、30gです。
すりつぶした栗:300g+糖:90gの量レベルで、加熱調理する
と、器での加熱・練り上げ作業が便利だと想います。
B.加熱前には、グラニュー糖と栗を容器のなかで良く混ぜて置きます。
C.電子レンジ(600w)にて、Bの材料を加熱することで、グラニュ ー糖を溶かします。
加熱時間:(300gすりつぶした栗+90gのグラニュー糖)なら
ば3分間(600w時)加熱をします。
D.加熱後の栗を食べてみて、グラニュー糖が溶けていれば、しゃもじ等
で栗きんとんを練ります。グラニュー糖が 溶け合っていない場合は、
砂糖のざらつき感が無くなるまで、電子レンジにて若干の再加熱し、
食感が良くなるように加熱し、練り上げます。
⑥練りあがった栗きんとんは、冷ました後に、ZIPロック袋等に詰め、
ストック材として冷凍保存することが出来ます。
和菓子では、茶巾絞り形状にて楽しますが、100円バニラアイスに混ぜて楽しんだり、パイ生地に包んで、マロンパイとして焼き上げてもデザート感はバッチリです。砂糖は三温糖を使ったり、さらには塩を若干量入れる方など、お好みで調整してみて下さい。
フォトは、ラベル材メーカー(3Mジャパンやコクヨ)の無料ラベル・ソフトを使った贈答用ストック材の例になります。奥さん連には、生栗は面倒な食材ですので、栗をお裾分けする時は菓子材料としての加工品を進呈すれば、少なくとも子供達には評価をいただけると想います。。自信は無い!
2)栗の甘露煮 の作り方
栗の甘露煮はひと手間かかるのと、保存が少し面倒ですが、栗きんとん材とは違った食感・風味が楽しめます。保存瓶も百均で適当な瓶が選べますので、贈答用に作られる方も多いと想います。渋皮煮は、コーヒー味やコニャック味を楽しめますが、甘露煮は栗の風味が楽しみ易いので、ブランデーやバニラは加えなくても良いと想います。。
甘露煮は煮崩れ率を抑えるため、月影は栗の大きさをなるべく揃えて作ります。2Lサイズ以上の大きい栗は避け、MサイズやLサイズなど、中程度の栗サイズを用いて、生栗重量で500g単位での調理がお勧めです。
これは、鍋サイズ(内径):18cmを使っての調理量として、簡単に扱える量になると想います。
手順
煮崩れを緩和するための「焼きミョウバン」と、栗の彩を良くするために「くちなしの実」を用意します。いずれも、スーパーの漬物コーナーなどで購入できます。
以下は、生栗量として500g単位での調理例で説明しています。
①生栗の鬼皮剥きでは栗用カッター(下図のオレンジ色の調理具)とニッパ
を補助的に使って、外被の鬼皮を取り除きます。
②鬼皮を取った渋栗は、表面の渋皮を包丁にて6方剥きし、むき栗にしま
す。むき栗は、ミョウバン水に浸して置きます。
月影は初心者なので、左手には防刃手袋をつけての作業をします。
おばあちゃん達は防刃手袋なんて知らないので、危険防止のために包丁
は使用せずに、栗カッターだけで、むき栗を作り、道の駅で販売してい
る方もみえます。
ミョウバン水(600ccの水に、大匙1杯の焼きミョウバン)に、
むき栗を漬け、アク取りと煮崩れ防止をします。
栗を剥き終わったならば、ミョウバン水に漬けたむき栗を再チェック
し、表面の渋が残っていれば、除去します。渋の丁寧な除去をすること
で、甘露煮の外観に大きな差がでるので、包丁のカット面と共に、贈答
用では気を配るポイントになります。
②ミョウバン水に1時間程度浸かったむき栗はざるに入れ、水洗い→水にさ
らす事でミョウバンを落とします。
③小鍋に、②で洗ったむき栗を入れ、水を張ります。栗の着色のためには、
くちなしの実:1個を半分に割り、小鍋に入れます。
④煮崩れしないように、中火で加熱後は沸騰を避け、落とし蓋をして弱火で
ふつふつと15~20分程度煮立てます。あくが少しでますので、スプー
ンなどで掬います。
煮え具合は、つまようじが刺さる程度と言いますが、割れた栗が出るの
で、これを食べてみて、好みの食感まで煮てください。グラニュー糖で煮
含める段階では、栗は柔らかくならないので、食感をここで決めます。
⑤栗を煮ると同時に、別の18cm鍋にグラニュー糖で蜜を作ります。
18cm鍋ならば、生栗量:500gのむき栗が1面に並べることが出来
ます。230cc程度の水を沸かし、グラニュー糖:230gを溶かして
おき、④のむき栗が煮えたら、この蜜に煮た栗をすくって、移し換えま
す。
煮崩れ率を抑えたいのと、今後の瓶詰めまでの時間効率を考えて、熱い
段階で栗を扱います。
⑥栗に蜜を煮含める時も煮崩れを少なくするために、落とし蓋をかけ、弱
火でふつふつと12分程度煮込みます。
また、同時に、保存瓶を煮沸殺菌を行い、煮沸後の瓶を冷まして準
備をしておきます。
⑦甘露煮の出来上がりを食感で確認できたら、暖かいうちに保存瓶に甘露煮
を詰めます。保存瓶に甘露煮を充填した後は、保存瓶の蓋を軽くしめ、保
存瓶の殺菌に使用したお湯に漬けて、お湯を介した加熱をします。
お湯が軽く沸騰した時点で、甘露煮保存瓶をお湯から出して、蓋を強く締
めた後に、自然冷却で瓶を冷まします。 これで、保存容器の減圧密閉が
出来上がります。
(保存瓶蓋のパッキンが欠けて無いかは確認ください。蓋は冷却により減圧
密閉状態になるので、開栓時は蓋に湯をかける事が必要になるとは想いま
す。)
⑧贈答ラベルを貼って出来上がり!
加熱減圧密閉されているので、開栓しないならば冷蔵庫保存にて、正月に
楽しむことが出来ます。バニラアイスに添えて、スプーンでザクザク割っ
て食べるのも好きだし、ざっくりと切ってパウンドケーキに混ぜるのもお
勧めです。
・最後に
DIYエンジニア風に、栗のストック材作りをまとめてみましたが、楽しんでいただけたでしょうか?
(蛇足ですが、液糖は寒天やゼリーで固め、冷蔵すれば素敵なデザートにもなります。。。一度お試しあれ!)
昨年は、渋皮煮を贈答用に作っていたのですが、やっぱり甘露煮が好きなので、今年は渋皮煮は自家用分しか作りませんでした。。
また、来年かな~
最後に、おばあちゃんから頂いた栗ごはんをお楽しみ下さい。
(栗カッターでむき栗してますね。。。。)
素浪人シルバーエンジニア 月影四郎と申します。幕府学問所を卒業後、仕官したお城づとめも終了し、素浪人として歩き始めました。 皆さまに楽しんでいただけたらとふと思いたち、徒然なるままにnoteデビューした次第でございます。