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土が変わるとお腹も変わる―目次

はじめに オーガニック給食実現の鍵は関係者のマインド・リセット

序章
カーボン・ゼロでは防げない地球の危機
土壌にカーボンを戻し有機農業で地球を冷やす
重労働低収量の有機農法から科学的に洗練された再生農業へ
世界ですでに始まっている再生農業革命
本書の構成と登場人物
COLUMN1 再生農業とロデール研究所

第1章 有機農業で洪水と旱かん魃ばつを防ぐ
ヨーロッパの洪水とオーストラリアの緑野を結ぶ土壌とは
気候変動で多発する洪水と旱魃
夏は緑─入植者たちが見たオーストラリアの原風景
土壌団粒によって高まる透水性と保水力
植物の吸水力を飛躍的にアップさせる助っ人、菌根菌
ニューヨークの空を暗黒に染めたダストボウル
カバークロップ革命で土壌は簡単に作れる
団粒構造が構築されれば干上がった河川も蘇る
COLUMN2 団粒構造を構築する接着剤グロマリン

第2章 土が健康なら無肥料で農業ができる
根からの液体カーボンと菌根菌ネットワークの共生進化
農業とともに始まった地球温暖化
耕起は真菌の身体を切り裂き土壌を壊す
締固めと耕起 耕せば耕すほど雑草は増える
生物多様性の九五%を占める目に見えない土の中の世界
リン酸肥料は不要 着目される菌根菌ネットワーク
根からの糖分と交換されるミネラル
菌根菌にカーボンを提供し光合成能力を高める共利関係
菌根菌ネットワークを養う栄養パーティーの主催者は植物
化学肥料と農薬で台無しにされる地下の饗宴
インクルーシヴの摂理─誰一人取り残されずメンバー全員の参加でミネラルは循環する
農業は土壌生物たちを育むアート─ハイテク・アプリよりも顕微鏡
COLUMN3 メタンへの濡れ衣 工場型畜産が問題

第3章 草本と偶蹄類の共進化が生み出した肥沃な土壌
野生動物の行動パターンを模倣して肉牛を飼育しながら地球温暖化を防ぐ
牛は地球温暖化の犯人なのか─草原の価値を見直す
地上部よりも根が多い草の高い適応力と過放牧による植生破壊
牛をたくさん飼うほど砂漠化が防げる─常識を覆すホリスティックな放牧マネジメント
サバンナでのゲリラとの命がけの戦いの中から生まれた気づき
密集して絶えず移動する野生動物の群から、草を根こそぎにする家畜飼育へ
草は齧られると成長する─肥沃な土壌は偶蹄類が作り出した
COLUMN4 科学的に検証できないが世界から注目

第4章 表土は根から放出される液体カーボンで作られる
化学窒素肥料と菌根菌
窒素施肥で失われる土壌カーボン
大半が無駄となり環境汚染や病気の原因となる化学窒素肥料
植物と菌根菌と半共生窒素固定菌チームの無駄がない有機態窒素固定
団粒構造と生物的窒素固定と液体カーボンの深いつながり
表土は根から構築されるカーボンによって構築される
表土形成と森林での木材形成とのアナロジー
真菌が繁殖する切り返さない方法で良質な堆肥づくりに成功
バクテリアと真菌のバランスが養分や土壌カーボン以上に重要
COLUMN5 バクテリアと真菌のバランスの破壊者・化学肥料と農薬
COLUMN6 スマート農業とグリーン・ウォッシュ

第5章 土壌カーボン・スポンジで地球を冷やす
緑・土壌・微生物による水循環の再生が地球を蘇生させる
土壌から失われたカーボンが大気中の二酸化炭素を増やす
土壌にカーボンを戻せば二酸化炭素を減らせる
微生物の構成が変われば生産性が五倍向上
地球の熱収支を制御するのは二酸化炭素ではなく水蒸気
樹木は自然のエアコン─アマゾンを冷やす夜間放射と気化熱
雨は微生物が降らせていた─アマゾンにある立体河川
裸地になると土埃と赤外線の再放射熱でより乾燥化が進む
乾燥化で内陸部に居座った高気圧でさらに加速する温暖化
土壌団粒とセットとなった植生からの蒸発散で地球を冷却
土壌カーボン・スポンジを作り地球を再生する

第6章 生物はプチ飢餓が常態
土壌にカーボンを再び戻すことが大気中の二酸化炭素を減らす
気候変動問題を解決する鍵は菌根菌と不耕起と都市自給
炭素を元の鞘に戻せば温暖化は防げる
砂漠での発見─自然界は微生物による相互協力とミネラル循環で成り立っている
土壌、食べ物、ヒト、地球のつながり
日々の選択が地球を救う─小食こそが肝要
COLUMN7 二酸化炭素の増加はジャンクフードを増やす

終章 消費を変えれば腸も健全化し土壌と地球も再生する
EUのモデル 川下需要が牽引するデンマークの有機農業
調理員を教育することで経費をあげずにオーガニック給食を実現
テクノロジー重視の転換戦略は時代遅れ
鍵は公共、NGO、民間がコラボできる仕組みづくりとマインドのリセット

おわりに
引用文献
著者紹介

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