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僕は毎日 布団の中で 世界が滅ぶ 夢を見る あいつも 先生も 大嫌い あの子は 好きだけど しょうがない 僕は毎日 布団の中で 滅んだ世界を 旅してる 平らな地球を フラフラと 無言の青い月を追う 生まれてから 16年 地に足つかない ふうせんのまま 僕は毎日 布団の中で 世界が滅ぶ 夢を見る 「悪くないよ」慰むママ 「甘えただな」しかるパパ 生まれてから 17年 まだ2本の足で 歩けているのに もう誰も誉めてくれない 言われなくても わかっている 僕は毎日 布団の

    • 20171211uta

      太陽から剥がれ落ちた殻をせしめる僕は ちんけなヤドカリ カラカラに乾いた神様は砂漠の中に すっかり溶けてる 砂にまかれた火薬を 拾い集めてきたのは 誰かの傷を作るんじゃなく 僕が進むためだった 過ぎていった 足元の空はきっと 『青』なんて 一文字じゃ 語り足りないはずなんだ 一度切った 『希望的』なんて都合の良いカード 嫌いだろう けど 今は抱えて行こう 再出発のチケットを抑えられても 行きたい所ないし 愛するために探してた両性具有の天使は 彫刻に戻る 正義の礫

      • 過去もなく声もなく育った子らの眼差しが掴む外宇宙

        • 『つまさかし』について

          このさくや このさくや むしろ しょいては さか のほる けむり のほりて つま さかす このさくや このさくや つまを さかして さか おりる けむり のほりて さか おりる  東北のある地域には『つまさかし』という行事があり、男たちが蓆(むしろ)を背負い山へ登る。  山桜の管理と喪った家族を鎮魂する目的が重なったものと一説にはある。  私は地域に伝わる詩を拝借し、新譜を考えていた。主旋律を考えていると、夢にあの風景が出るようになったのである。  空が高い。山か

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        • 8本
        • 創作物
          8本

        記事

          夜に息衝く恐るべき君よ 私は眠って待っています (I Love You)

          夜に息衝く恐るべき君よ 私は眠って待っています (I Love You)

          幽霊列車の夜 メモ

          Discordから移植。 拙作の創作メモや裏設定です。 https://ncode.syosetu.com/n3360ih/ 🏔 M)死因を探す女「なにも覚えていない」 [ミステリ][導入][自己なんとか] ヤマグチ:主人公。死神のようでそうじゃないなんか。 女(仮・守山理紗/モリヤマ リサ):自分の過去を忘れて死んでいる。弟がいる。 男(仮・守山央樹/モリヤマ ヒロキ):自分の過去を否定して死んでいる。姉がいる。 (叙述トリックもりもり。記憶の不確かさと所属意識への執着、

          幽霊列車の夜 メモ

          ホームにて 彼の言葉

          なろうでも公開している短編。 有料部分は裏話。 「復活編あるじゃん。火の鳥の。脳の回路に障害が残って、人間がモノに見える主人公。目の前の生きた人間が、無機物やグズグズの肉塊に見えたりする話。」 「まあ、なんだ。そういうのとはちょっと違うけど。」 「そこまで重症でもないんだ。知り合い程度の相手だと見分け付かないくらいで。」 「いつごろからかは解らないけど、やっぱり……生まれつきだからしょうがない。」 「無茶を言うようだけど、気にしないで欲しい。俺自身だって、普段気にし

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          ホームにて 彼の言葉

          大気圏越えの夢を見た朝は 重力に垂直となるを惜しむ

          大気圏越えの夢を見た朝は 重力に垂直となるを惜しむ

          陰謀論 飛び交う実家 初日の出

          陰謀論 飛び交う実家 初日の出

          冷えた肉球で 熱を奪い 素知らぬ顔の黒

          冷えた肉球で 熱を奪い 素知らぬ顔の黒

          真円へ 近付く彼の 中心へ 指をうずめて 爪をたてられ

          真円へ 近付く彼の 中心へ 指をうずめて 爪をたてられ

          恋の国

          なろうにも投稿している短編。 有料部分は裏話。 話によれば、かの地に友情はないという。 1.カメラマンとして潜入したY氏の手記より 手を握っても薄ら笑いを浮かべていた。 マニュアル通りに一つの食べ物を分け与えてみたが、感謝は受けても直ぐに疑念の視線を向けられた。 彼女達の仕事の手伝いをしてみて、ようやく受け入れられた。 だがこれは奴隷を大事にする為の気遣いだろう。まだ上下関係の付き合いだ。 ある日、一人の女性に花を贈ってみた。 すると瞬く間にその女性だけでなく全員の関

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          傭兵になりたかった

          なろうでも公開している短編。 有料部分は裏話。  傭兵になりたかった  紛争地を回り 時々は気の好かない相手に使われても  何を考える暇も無いよう 戦って生きたかった  オブジェクトを殲滅する 指先の甘美な刺激に陶酔し  枕元に立つ 敵味方の亡霊を見つめ 毎夜を過ごしたかった  澄んだ笑顔の爆弾少女  足の無い子供たちに見つめられながら食事を取って  グダグダに煮込まれた激情のスープの中でゴミのように死にたかった  傭兵になりたかった 田舎の裕福な家になんて産まれ

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          傭兵になりたかった

          陽光の 隙間に詰まる 黒猫の 赤茶けた野原 飛び交う蚤の子

          陽光の 隙間に詰まる 黒猫の 赤茶けた野原 飛び交う蚤の子

          弔辞.txt

          固まりつつある瞼に触れた感触はもう薄れていて このまま忘れてしまうでしょう 遠い昔の女神が嘆いた未来も今となり こんな祈りもあなたには無意味なのでしょうね 一夜で消えた火 空へと散った煙を探した いまさら空へと溶けたあなたを探した あなたがこの世界に居た痕を 刻みつけずにいられなかった 声色も忘れてしまったのに 今はただ 空へと散ったあなたを見つめるだけ 執筆時期:2023年 動機:十年以上前に旅立った同居猫を想い

          あぶらあげのうた

          有料部分は裏話。 皆が寝静まるこの時間に 僕はあぶらあげを煮しめています 遠慮もない 落とし蓋もない そんな夜に 僕はあぶらあげを煮しめています 僕の部屋から立ち上る みりん醤油の匂いが 誰かにきつねうどんの夢を見せている そう考えるとうれしくなる だけどここでは 誰も夜に寝たりはしない 勉強したり あてどなくふらふらしたり 布団に篭ってゲームにかじりついたり 明日のバイトを考えて一喜一憂したり そんな彼らにきつねうどんを求めさせている 翌朝 大家さんに苦情が行くかも

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          あぶらあげのうた