見出し画像

機内で見る映画の妙(感想)

飛行機で見る映画が複数本全部かぶる人って絶対いないと思う。
ラインナップが独特かつ自分の状態も特殊だから。
自分でも帰ってきてFilmarksをつけていると不思議な気持ちになる。
先週ヨーロッパ出張があったので今回の私のメニューをご賞味ください!

落下の解剖学

お洒落なのよタイトル。そして賞もたくさん取っていて気になっていた。
機内って結構、最新の話題作があるので嬉しい。
そして国際線では邦画や日本語字幕の作品が少ないから、フランス映画や韓国映画など、英語以外の映画にも手が伸びやすくて良い。

「1人1人にそれぞれの真実」系の話であり、パートナー関係や子育てについて抱いていた先入観に気づかされる物語だった。日頃「先ず自分を愛して自分が満たされてはじめて他人を思う余裕と権利が生まれる」という思想がある私は、自分がとんでもない鬼畜なのではと思わされる部分があった。
スワン・アルローめちゃくちゃ顔が好きだった。なんだろうハドリーフレイザーとかベンウィショーと私のなかでは同じカテゴリーです(伝われ)。

The Phantom Tollbooth

まさかのあの児童文学の映画があった。飛行機映画ってこういう謎に古い子供向け映画があったりするので面白い。

実写から始まりtollboothに入るとアニメ化するところから面白い!
正直、これは文字で読んだ方が頓智や言葉遊びの妙を楽しむことができると感じはしたけれど、軽快なタッチが原作にマッチしていた。

カラー・パープル (2023)

本当は劇場で見たかった、ミュージカル映画版!

アフリカ系アメリカ人の話、そして女性のエンパワーメントの話―—そうしたジャンルのなかで比較しても、終盤までずっと辛い内容かもしない。それが決して必要以上だと言いたいわけでなく、ご都合主義ではない作品だと感じた。多層的な社会格差のなかで各人がそれぞれにギリギリの状態で、最後ただ「報われるべきひとが報われて良かった👍」で終われなかったかも…。
アフリカの力強い曲、ショーでの笑っちゃうくらい元気溢れる曲などなど、キャストの歌唱力・表現力が素晴らしいです。

スパイダーマン:スパイダーバース

全編アニメーションのかっちょいいスパイダーマン作品。詳しくはないがいちおうスパイダーマンシリーズは追っているので、「いつか」と狙っていた。

ジブリでもディズニーでもピクサーでもないアニメ作品でこんなに大人にみられているハイクオリティなアニメーション作品ってあるのだろうか!とにかく映像すんげ~!マルチバース概念を活用していくのはもう当たり前という前提になっているし、色々な次元と過去作品を交差させるためにあえて字実写でなく「新たな作画」に落とし込んだのが賢い~!
「だれだって特別な主人公になれるのか?」「英雄は1人なのか?」「機が熟していない若人に無理に背伸びさせるヒーローものってどうなの?」といった問いを考えさせられながら観ていて、「スパイダーマン」はもはや「ゴジラ」やもしかすると「クレヨンしんちゃん」などのように、都度時代や作り手に導かれ進化していくアイコンなのだろうと思った。

マスク

オモコロのひとたち好きよねこれ。見逃していました。
飛行機のなかってチャンスを逃していた名作を見る好機でもあるよね!

え、おもろ、、、、、
こんなにもカートゥーンをメタ的に織り交ぜた意欲作だったとは!
顔芸ジムキャリーに古典的”悩殺系”のキャメロンディアスを楽しんでいたら完全に薄っぺらい悪役としてキリアンマーフィーが出てきて、トマトジュースを噴きだしました。出国前に映画館で『オッペンハイマー』見ていたものでね…

Willy Wonka and the Chocolate Factory (1971)

先日ティモシーの「ウォンカ」を映画館で見たし、ジョニデ版も好きなので、残るパズルのピースはこれかなと…。
機内になかったら多分見る気にならなかった、絶妙に手の伸びない、でも一生気になっていた、そんな作品…。

ロアルド・ダール本人から不評と聞いて観たので、「あれ?冒頭とかチキチキバンバンみたいなミュージカル系だし、チャーリー可愛いし最高では?」と思って見始めた。
しかしほどなく「ああこれはウォンカ氏の解釈が争点だったのだろう」と思った。ジョニデが創り上げた、あの”稚拙で残酷で親の愛を受けずに歪んで育った菓子作りの天才”という像、それとは全く反対の、グレイテストショーマン系の人物造詣だった。ロアルド・ダール作品にある奇妙さ、ほの怖さが、あまりない。
宮廷貴族みたいな格好しているウンパルンパとか面白いし、契約書とかガチョウとかオリジナル要素はあれど、おそらくベースは「解釈の違い」で、リスペクトがないとまでは言えないとも思う。子供のころにこれを見たらきっと好きになる人はたくさんいるし、反対にジョニデは気色悪く思うかもしれない。とにかく、違うものではある…。
後から気が付いたけどタイトルが「Charlie and the~」でなく「Willy Wonka and the Chocolate Factory」になっていることで原題の”チャ”/"チョ"のマッチがなくなっているのはさすがに改悪といって差し支えないのでは?
個人的には、チョコレートの大河がシャバシャバの色水なのはちょっと!!水彩画の筆洗のバケツみたいで!!いやでした!!!

すずめの戸締まり

「アジア映画」のコーナーがあること、そこにアニメがあることが嬉しくて、1本観ようかな~と。『君の名は。』以降の新海誠作品を追えてなかった私です。『言の葉の庭』もありました(カタール航空のチョイス…?)。

時差ボケと闘いながら、なぜか『天気の子』だと思って見始めたら全然天気の話してなくて、気が付いたら爆睡しており、巻き戻しながらなんとか完走。申し訳ございません。だんだん目がさえてきて、最後は自然と2人を応援していた。
発想や構成、これ思いついたとき本当に嬉しかったのだろうなと思う作品。「戸締まり」ってそういうことなのね~!ただ、作中ネーミングや呪文などもう少し捻っても私はついていけますよ監督(誰)。
日本のクリエイターとして3.11と向き合うということは大事だと思う。

アクアマン

なんか水のものが見たくて、シンプルに楽しめそうだし、と鑑賞。

あ~『デューン』で「この人どっかで見たな?」と思っていた戦士、アクアマンだったか~唯一無二のお顔立ちで格好良い。ウィレムデフォーもいい。
こうしたヒーローものは、わくわくする設定や仕掛けがたくさんで、多少寝飛ばしても話が余裕で追えるし、飛行機にとても向いています(極限失礼)。

というかFilmarksでクリップしようとしたら、恐ろしいことにすでに「視聴済み」…え…もしかして私、前も飛行機で極限に眠いとき、まったく同じことしたかも…絶対そうだ…2度も味わわせてくれてありがとうアクアマン……
ヒロインの髪色とドレスの色があまりにもリトルマーメイドのアリエルすぎるのはやや笑ったけど、謎解き要素にときめきました。

まとめ

飛行機の映画って、日常に比べて映画のほかの選択肢がないなかで、気を紛らわす目的もあって、なんだか普段向き合えない作品や時間の作れなかった作品と引き合わせてくれる特別な存在だと思います。人と「何見た~?」とシェアする時間も好きです。長時間フライトきついけど、またあれば、映画が楽しみ。

最後に

<眠くて仕方ないけれど、寝ると帰国してから体内時計が狂うから耐えなければ、さあ何かを見よう、目を使おう、でも結局うとうとしてしまうから映画はストレスだ、どうしよう>
――という方にぴったりのコンテンツを発表します。

それはBBCの『Planet Earth』です!!

数分単位で紡がれる生き物たちの驚異的な生態をぼんやり眺めて、「ちきゅうってふしぎ~~~」と感心する、上空1万メートルを飛ぶホモサピエンスになってください!
私のおすすめは、海や川などの水系です。水音が、気持ち良いです。

目が疲れていたら、JALやANAであれば、落語もおすすめです。

おまけ

♪好きな海外持参お菓子発表ドラゴンが~
♪好きな海外持参お菓子を発表します~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?