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猫が、糖尿病と診断された

コッチャン日誌【1】

・8/1
飲む水の多さ、いつもと違う尿のにおい、口の中の環境(ドロドロよだれが垂れる)、顎をカクカク開く(後にわかったけどぐらついて下がった歯が口の中で引っかかっていたんだね)、毛繕いもできてない、明らかな異常がここ数日進行したように見えて、病院に行くことにした。ただの口内炎だろうと信じたけど。木曜日は休診とのことで翌日の午前中必ず行くと決めた。コッチャンにもそのことを伝えた。

・8/2
ご飯をあげて、自分の気持ちも落ち着けて病院へ。自分ではなかなか口の中をこじ開けて見ることができない。しっかりと開けられた口の中を見たら、歯は黄色く歯茎が真っ赤に腫れている、右の牙がぐらぐらなのを見て目を覆いたくなった。最近寝顔を見たらなぜか右の牙が出てるな…て思っていた。お口の臭いも気になっていた。もう抜けかけているぐらぐらの歯。毎日歯みがきをしているペットはそう多くないだろうし、歯が悪くなることって歳をとるとまぁあるよね、とか。こわくて見て見ぬふりをしていた自分、何も言わずに頑張って耐えていてくれたコッチャンに深く深く申し訳なさを感じた。

まずぐらぐらな歯について。思い切って抜いてしまうか、自然に抜けるのを待つか、麻酔で抜くか。コッチャンの最善がわからない。私は自然に抜けるのをまつのが良さそうだと思っていた。

歯や歯茎の状態をみて、先生が念のため血液検査をしましょうか、とのことでお願いした。振り返ればその時は今後の治療費のことなど、どうなってもいいと思う感情があった。今までは出来るだけお金かけずにいたいって思ってたけど…お金に変えがたい愛情があるんだなって逆に自分でも驚いた。

血液検査で血を抜く時の注射もコッチャンは鳴かないし怒らないし暴れないし、ジッと黙って耐えている。自分よりもずっとがまん強くて偉い子。

血液検査の結果は「糖尿病」と「腎不全」。
他にも数値の悪いところはあるけど上記の2つが早急に対処が必要とのこと。
先生は年齢的にね〜と言って色々説明してくれた。今までのコッチャンへの向き合い方、気にかけ方、お金のかけ方、ぐるぐると過去を悔いて考えたけど、先生はこれからの治療のことを淡々と話してくれた。

わかりやすく説明してくれた



糖尿病治療にはインスリン注射、糖尿病食。腎臓には腎治療食、錠剤のお薬。

インスリン注射は自宅で1日朝晩2回、私がコッチャンの体に、注射を打つのだ……
これは避けたい、できない。と思ったけどコッチャンに長く元気に生きてもらうには選択肢はない。迷っていたら先生は淡々と治療の方針、スケジュール、注射のタイミング、打ち方、細かなアドバイスなどを進めてくれた。先生は動物のことをいちばんに考えてくれている。私に迷う隙など与えない。

まずはインスリン注射から取り掛かって、腎臓や食事療法などは後からするらしい。

まだ歯については決めかねていたけれど、先生は抜いちゃいますねと言って進めてくれた。あとでネットで調べてみたけど、猫にとっての抜歯は必ずしもネガティブなことではないらしい。歯を抜く瞬間はとてもびっくりした顔をしていたけど、ぐらぐらとした歯で食事もままならないはず。現にドライフードは食べられなくなっていた。真っ白な毛に血が滲んで涙が出そうだった。3時間くらいで血は止まるそうで、抗生物質の注射もしてくれた。注射、痛いねごめんね。

インスリン注射キット


インスリン注射のキットを見せてもらって実際に打つところも実践して見せてくれた。針は意外に細くみじかく、これならできそう、と1ミリだけ安心した。

これからずっと、強いコッチャンと弱いわたしが2人で治療を頑張っていく。



帰宅後、コッチャンは抜歯の痛みなのかしばらく居場所をあちこち移動し落ち着かないようだった。痛いのかな、何もしてあげられず横に来るとさすってあげたりした。3時間くらい経つとようやく色々おちついたようで横になって眠った。

自分自身が糖尿病の超予備軍入りしていて、食事や生活管理に悩まされていたけど、もう、ちょっと許容範囲を超えてきた。。でも頑張らないと。
血糖値め!!!!

19:00 夜ごはんの時間。初めての注射。手が震えておさまらない。先生は初めはうまくできないし大丈夫と言っていたけど、生死に関わるあまりにも責任重大すぎるミッションに押しつぶされそうだった。注射することでコッチャンに嫌われたら…と思うとさらに悲しい気分だった。

ごはんの支度をして、注射針を消毒する。冷蔵庫保管しておいた薬剤を注射器にふた目盛。多少の空気は大丈夫とのこと。コッチャンはご飯を食べ始めている。毛をかき分けて背中の皮膚を消毒、すこし引っ張りあげて注射した。驚いて逃げたから針が折れそうになった!でも目盛は減っていたのでたぶん、できてるはず。

インスリン注射後、低血糖になりすぎて死に至ることがあるそうで、慎重に気にしておく必要がある。痙攣、ふらつく、元気がない、下痢など。その対策用にガムシロップを買った。糖をお口の粘膜にぬったりするなどして血糖値を上げてあげるらしい。

その夜は特に問題なさそうで安心した。歯が抜けて具合が変わったのか、ご飯食べるときに変顔になるのが可笑しかった。水飲みもピシャピシャ飛びちらすようになった笑。大好きな牛乳もニャーンと駆けよって欲しがり飲んでくれる。便は黒っぽい下痢だった。

夜中あらゆる媒体で猫の糖尿病について調べた。検索サイトでの基本情報。Instagram、noteで実際に治療中の方の投稿や日記みたいなのを探し回った。ある飼い主さんの文章に「呼ぶと目をキラキラさせて見つめてくれた猫が、今では一点を見つめたままでこちらが目に入っていない様子」と書かれてありなんだかわかるような気がして、めちゃくちゃに泣いたりした。不安とか、絶望とか、反省とか、色々込み上げてきて、ずっとメソメソしてしまう。

夜中か朝方、コッチャンが液体を吐いた。低血糖や何かで気分が悪くなっていないか、心配。暗い時間に吐いてしまうのはたまにあることだけど…

8/3
朝6:40頃、コッチャンがニャーンと呼んでいる。お腹空いていたりかまって欲しいなど、何かを求めてくれる元気があって嬉しかった。

朝ごはんの支度をして、注射の準備。今日もまだ手が震える。治療に慣れていて強い子は注射の時間に定位置で待ってくれているという投稿を見て、1ミリだけ希望を持った。

インスリン注射はごはんを食べない時は打ってはいけない。だけどごはんの前に打つ。打つとテンションが下がってごはん食べなかったりしそうで、気が気じゃない。ごはんを食べ始めたから、速やかに打った。

やっぱりすぐに食べるのをやめてしまうのでなんとか食べさせようとベッドまで運んで食べてもらったりした。朝の便もすこし下痢っぽい。

低血糖症もなさそうだし、ひっくり返って眠る姿は安堵でしかない。痙攣しているけど、たぶん夢を見ているだけだと思う。


20:00 夜ごはんの時間。大好きな缶詰のウエットフードを買ってきたので、さっそく「パカッ」とやるとニャー!といってすごく喜んでいた。久々だもんね。食欲はちゃんとありそうで安心する。この缶詰ごはんは絶対に食べてくれるから、ササっと注射を済ませてごはんタイムを楽しんでもらった♪細い針だから案外痛みは小さいのかもしれない。


これから、あらゆる生活にコッチャンの治療を考えてしまうと思う。朝と晩、だいたいの決まった時間にインスリン注射を打つこと。

猫の糖尿病は治る可能性があるらしいものの、なんだか気を病んで自分の食欲がない。まだ2日目だから特に、重く考えずに上手に付き合っていく、みたいなことが考えられない。いよいよ寝たきりコッチャンを介護などすることになったらどうなっちゃうんだろう笑。

コッチャンに悲しい顔を見せられぬと思いつつ、この先が暗闇みたいで何度も何度も泣いてしまう。

- だけど、2人だったら頑張れるよね -

忙しい日々にかまけて向き合いきれていなかったコッチャンとの日々を、ここに書き記していきます。






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