2023年度の大阪大入試「解答例又は出題の意図」について

大阪大が今年度の「解答例又は出題の意図」を公表している。

このなかで,日本史の第3問について「生糸価格の高騰に対する対応策であることもおさえられていない答案が目立った。前提としての価格の高騰をおさえられていない答案は,自ずと糸割符制度創設後の生糸価格の変動にも言及ができず…」とコメントしてある。
しかし,糸割符制度の目的について「国内での価格統制」に触れているのは実教出版『日本史B』くらいで,山川『詳説日本史B』『新日本史B』は「輸入価格の決定」にしか触れていないのが現状。実教出版『日本史B』でも,前提としての価格高騰までは触れていない。
その点を考えると,無理な注文です。

追記
糸割符仲間に輸入価格を決定させることでポルトガル商人の利益を抑えるのだから,制度創設の当時,生糸価格が騰貴していたことはわかるでしょと言われると,そうなんですけどね

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