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改革活動のキーパーソンは、どのような方がいいか。

こんにちは。企業改革コンサルタントの小野司です。

企業改革に取り組む若きリーダーさん、そしてウィズコロナなどで、企業改革に取り組まれる企業さまに、改革のヒントをお届けしています。

改革活動を上手く進めるには、キーパーソンの協力が必須です。

なお、ここで挙げるキーパーソンは本人は告知していません。改革リーダーの意中の人のことを意味しています。

では、キーパーソンとして、どのような方がいいでしょうか。

端的に申し上げますと、その方が変わると、周りの方も変わらなきゃという影響を及ぼす方が改革のキーパーソンです。

1.エースをキーパーソンにする

多くの改革リーダーは、改革の目的や意義が分かり、最も成果を出せる人をキーパーソンにします。つまり、チームのエースであったり、右腕と言われる方になってもらいます。この場合、改革は、堅実に前に進むのですが、代わり映えはあまりしません。改革は変わる活動ですから変化がほしいです。爆発的な改革にはなりにくいです。そのため、以下の順に取り組みます。

2.抵抗勢力の一人をキーパーソンにする

抵抗勢力の一人が変わると周りへの影響が大きいです。

抵抗勢力の方の場合、180度変わることに近くなります。改革活動には、最も効果的ですが、難易度も高いです。上手く行かない方が多いですが、最初は、ここから考えます。

抵抗勢力の方は、いろいろなことを言われます。現状を変えなくても(自分は)問題はない、現状を変えると仕事が増える、現状を変えると今までのやり方ができなくなるなどです。

ある機械工場での事例を紹介します。工程改革をしていました。その工場のサブリーダーは、職人上がりで、技術はピカイチでした。しかし、工程改革に反対の立場でした。やり方を変えるとトラブルが起こるというのが理由でした。

私は、この方をキーパーソンと定め、改革メンバーに入ってもらいました。話し合いでは、この方にポイントで意見を求めました。否定的な発言が多いのですが、ある時、改革の趣旨に合うアイディアを出されました。

どんな抵抗勢力の方でも、大きな方向性は一致しています。生産性を向上させるなどです。ですから、趣旨に合うアイディアは出されます。あるいは、工程改革とはどのようなものかを理解されて、趣旨に合うアイディアが出される場合もあります。

話は戻ります。抵抗勢力の方から、改革の趣旨に合うアイディアが出された次は、その方のアイディアを深く掘り下げます。そして、取り組みの柱に据えます。

その後、サブリーダーには改革を動かす立場になってもらいました。つまり、抵抗勢力の方に改革の推進リーダーになってもらったのです。こうなりますと、改革は速いです。

そして、なんとなく改革に抵抗のある他の方々も、ついてきてくれます。そして、やってみるとこちらの方がいい、というようになることが多いです。

3.落ちこぼれさんをキーパーソンにする

落ちこぼれさんというのは、あまりいい言葉ではありませんが、再生してほしい人、変わってほしい人という意味です。期待している人でもあります。

イメージとしては、プロ野球、野村監督の野村再生工場に似ています。他球団で結果の出なかった選手を起用して戦力にしたことです。

想像してみてください。落ちこぼれと思われた人が、いきいきとして、改革の成果を上げた時のことをです。その時、組織や仕組みが変わっているような感じがしませんか。

落ちこぼれさんは、かまってほしい場合が多いです。ですから、ある程度、時間をかけます。ワイガヤでも、発言しないで、ずっと考えている時があります。その時は「信じて」待ちます。

「信じて」というより「念じて」待ちます。待っている時は、必ず問題点に気づいてくれる、いいアイディアを出してくれる、というように念じています。

確かに、他のメンバーからは、〇〇さんにかまっていたら、時間がもったいないと言われることもあります。しかし、改革リーダーの「変える」という気持ちは伝わるのです。

落ちこぼれさんは重要なキーパーソンなのです。

4.新人をキーパーソンにする。

次に、アプローチするのは、新人さんです。フレッシュですし、前例を知らないですから、たくさん吸収してくれるのです。そして動いてもくれます。

5.若手をキーパーソンにする。

次に若手です。一般的な改革活動では、最初のアプローチだと思います。

会社員時代、外部の大手コンサルタントの方に支援頂いて改革活動をしていました。この時、若手をキーパーソンにすることを教わりました。

そして、そのコンサルさんと、若手の中からキーパーソンの候補者を数人挙げ、集中的に仕掛けてゆきました。

その方の中から、小さな成功事例を一つ作ります。そして、改革の代表例として、成功事例を横展開します。次には大きい成功事例作りに取組みんでゆきます。

このように、改革活動では、若手をキーパーソンにするのが多いのです。

若手は、フレッシュさを残し、柔軟な人が多いですから、変わることに抵抗が小さい傾向にあります。さらに、吸収力、行動力もあります。改革活動には、欠かすことのできないメンバーです。


私が、抵抗勢力や落ちこぼれさんに最初にアプローチする理由はスピードです。そして、上手くいかなければ、次のアプローチに、すぐに移ればいいのです。大企業の場合は、人、時間、費用はある程度ありますが、中小企業の場合は限られています。それも優先順位を変えている理由の一つです。

若き企業改革リーダーのみなさま。改革のキーパーソンの優先順位、特徴のイメージはつきましたでしょうか。もちろん、メンバー構成や組織の風土によって、わたしもアプローチを臨機応変に変えています。参考にしていただければと思います。

改革活動は比較的長丁場になります。新型コロナを契機に改革を迫られているリーダーもいらっしゃると思います。しかし、改革の最初の動きは鈍くれます感じます。

ヒトが変わる過程は、まず「考え方」、次に「発言」、「行動」となり、最後に「結果」につながります。

結果につながるまでは、動きは鈍くて、もどかしく感じ時もあると思います。しかし、「発言」が変わってきた段階で手応えを感じ始めていいと思います。

そして、ある時、急に変わる時が現れます。私は、それまで信じて待つことにしています。参考になればありがたいです。




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