財政健全化目標の公約撤回でも、日本国債はよく売れる

日本の財政赤字は巨額で、それほど簡単に解決できない問題であることは、誰でも分かっている事ですし、2020年までにプライマリーバランスを黒字化出来ないことも、皆が知っていたはずです。それでも日本国債はよく売れていますし、今後も売れ続けるでしょう。それは、国内投資家が日本国債を買わざるを得ないからです。

日本政府が破産すると思えば、日銀券も危険ですから外貨を買うしかありませんが、国内投資家が外貨を持つと為替リスクを抱えることになります。「日本政府破綻のリスクの方が為替リスクよりまだマシだ」と皆が思っているので、皆が日本国債を買っているのです。こうして皆が日本国債を買っている限り、日本政府の資金繰りが行き詰まる事はなく、財政が破綻する事はありません。

今回の公約撤回を聞いて、「遠い将来に日本政府が破産する確率が僅かに高まった」と感じている人が少しはいるかも知れませんが、「海の水を一口飲んだから海の水が減った」という程度の話でしょう。「財政の信認が揺らいだ」などと騒ぐほどの事はありません。落ち着きましょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO22275820U7A011C1EA2000/

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