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実質的にZbrushにリグとウェイトを導入することができるかも知れないGoBの今後

(約 2,800文字の記事です。)

少し興奮気味にざっと書くことにする。GoBアドオン、今はバグらしくBlenderでリグ入りウェイト有りモデルをZbrushにエクスポートしてBlenderに再インポートすると、ウェイト情報が抜け落ちている。

このことについて、今GoBをメンテしているKromar氏に問い合わせてみたところ、原理的にはどうやら可能らしく、今実装できていないのは単なるバグ、という返答を得た。

つまり、時期は未定だがGoBでは今後、ほぼ間違いなく「BlenderとZbrushとで往復してもBlender側で付けたウェイト情報が保持されたままZbrushと往復可能になる」という確証を得た。

もちろん、Blenderでウェイトを付けたトポロジをZbrush側で変更してはならないのは原理的にも不可避な制限事項だ。頂点番号が変わるとウェイトがめちゃくちゃになるから。それは当たり前の制限事項として。

もちろんBlender側でのトポロジ変更は自由だ。ウェイトがきちんと追従するようなトポロジ変更ならば自由にすればいいし、形状が似ているならばウェイト転送機能でいくらでもそっくりなウェイトを維持したままトポロジ変更ができる。ほぼ自由と言っていい。


GoBのこれが実現すると、Blender側で付けたウェイトは、実はBlender側のモディファイアでハイポリ化する分にはきちんとほどよく追従してくれる。例えばマルチレゾリューションモディファイアやサブディビジョンモディファイアでハイポリ化は可能だ。


で、興奮する理由はというと、これは実質、Zbrushにリグ入れ機能とウェイト塗り機能が追加されたようなものなのだ。GoBアシストツールを使えば2クリックでZbrushからBlenderにいけるし、BlenderからZbrushへはワンクリックなのだから。

https://yamato-tsukasa.booth.pm/items/2078171


そんな1,2クリックでリグ+ポーズ変更機能がZbrushに反映されるのだから、そりゃもうZbrushにリグ機能が導入されたも同然。そういうことなのだ。私がZbrushを触り初めて最初の頃に感じた不満が、数年の時を経て、ようやく解消されようとしている。

そうなると、Zbrushでざっくり形をスカルプトし、Blenderでリグ入れ&ポージングし、大体OKならばZbrushに戻してどんどん細部を詰めるようなスカルプトを進める。途中でポージングの微調整などが必要になったら、再びBlenderに戻してリグをマウスでちょっと触るだけできちんとウェイトが効いているので関節などが大きく破綻することなく全体が変形する。で、再びZbrushに戻して荒れた部分を整える。そしてまた細部をどんどんスカルプトする。

もしポリゴン密度が足りなくなったら,一度Blenderに戻って部分的にループを追加したり、全体にならばハイレゾリューションモディファイアを1段階適用すればポリゴン密度4倍になる。そしてZbrushに戻してスカルプトすれば、ウェイトが維持されたままハイポリかつスカルプトを進められる。


これのいいところは、ハイポリになって作業全体の終盤になっても、Blenderに戻せばウェイトが効いているのでボーンの調整でポージングを変えられる点。もちろん関節の角度が大きく変わるほどの大胆なポーズ変更は、それ相応に修正箇所が増えるが、角度の微調整程度ならば影響が出たところだけを少しスカルプトすればいいだけなので、それまで進めてきた多くの細部はそのまま維持される。そのための作業はリグをマウスで軽く触るだけ。マスク領域に気を付けたり、マスクの強弱に気を付ける必要もない。リグを触るだけ。


このポテンシャル、可逆性の可能性の高さ。


もちろん最後の最後には、形のためのトポロジを得るためにリトポなどして再ポージングが不可能なハイポリメッシュとしてZbrush内で仕上げることになるだろうが、そこに至る直前までに何度か発生するはずのポージングの微調整が「簡単かつ最小の手間で」できる手段が手に入りそうだ、ということ。


もちろんZbrushでもマスク+マスクブラー、ギズモで移動、結果が気に入らなければUndoしてマスクし直してetc、を繰り返せば理想の微調整もできる。だがタイピングしただけでも工程が多すぎて面倒臭い(笑)上に、修正方法が本質的ではない。工数が多い上に勘に頼る作業になるし、実際にギズモ移動させてみるまで影響が分からない。だから本質的な修正作業ではない。出たとこ勝負の修正だから効率が悪い。


それに対してリグ+ウェイトならば、そもそもリグで簡単にポージングが変わるし、メッシュもリグに追従して変化する。荒技を使うならばポージング状態で薄いウェイトペイントを塗ってリグへの追従性を変えたり、という手も使える。ウェイト値の大小で「触ったところの頂点をリグの回転・移動方向に薄く全体を調整できる」というのがポイントだ。スカルプトとは違って頂点群全体を規則的に移動させられる点。スカルプトは法線方向への全体移動は強いが、一定方向への規則的な移動には弱い。デフォーマー的な操作に弱い。その上Undo以外に戻せる方法がない。だがウェイト値ならば再び値を変えるように薄く塗れば可逆だ。

もちろん最終的にはポーズが決まったら改めてZbrush上で弱いブラシで気になるところを盛って仕上げればいいだけのこと。

とにかくBlender上での作業は「可逆性」が非常に高い。作業の前後に関わらずポーズが変わるなんてまさに可逆性の勝利。ウェイト値の増減でリグへの追従性を前後させられる点も可逆性そのものだ。

対してZbrushでは基本的には連続した時系列を除けば非可逆だが、Blenderではできないことができる以上ソフトとしての有意性&優位性はある。

GoBはそのいいとこ取りを実現させる。


問題はKromar氏がいつバグ修正版を公開してくれるか、だ(笑)


今回の創作活動は約30分(累積 約1,688時間)
(467回目のnote更新)

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読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊