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鈍間で行儀のいいルール

そろそろ車の燃料もあと少しになってきたところで、仕事帰りにガソリンスタンドに寄ることにした。

街中や郊外など至る所を走らせていると都内に限らず地元でも、セルフで入れられる場所がこの10年で頭角を現してきているような気がしている。

それと引き換えに、価格競争が激しかったり各社がこぞって一社に統合したりしている。おかげで寂しいことに、赤やオレンジ等を中心とした同じ系列のスタンドしか見かけなくなっている。

ほんの少し道を進めただけでも「ここにも同じ看板がある」と思わず呟いてしまうぐらいに。

地図アプリやカーナビの画面を広域に表示すれば、都内はおろか駅周辺ではよくありそうな、コンビニや居酒屋などの激戦区と似たような絵面と化しているかもしれない。


私が地元にいた時に車を購入してから半年か一年ほど、親がいつもお世話になっている行きつけのガソリンスタンドで入れてもらっていた時期がある。
その時はガソリンを入れてもらうだけでなく、窓全般も拭いてもらっていたりしていた。そうしてもらえるのはありがたいと思う反面、少々気まずいと感じていたこともあった。

たまにガソリンを入れに行くだけしか用事がなかった時、幼い頃から見知った店員さんに窓を拭いてもらいながら「今日はこの後どこか行くの?」と訊かれた際にうまい返し文句が見つからず、
「いえ、真っ直ぐ家に帰ります…」と、素直に返すのも少々心苦しかったりするものだった。

雑談を交わすのがあまり得意ではなかった当時の私にとっては、エンジンを切った状態の車内でなんとも言えない気分に浸っていたのである。

別段、フルサービスのスタンドで悪い思い出や良くない出来事があったとかそういうことではない。まだその時は、単に人と会話することを苦手としていただけのことである。


とはいえ、気を遣ったり遣わせたりすることなく給油ができないかと考えていた矢先、セルフで入れられるガソリンスタンドの存在を知る運びとなった。

それこそ初めてノズルを手に取って給油した時は、うまく出来るのかとか他の人を待たせていたりしていないか等といった緊張感が、かなり走っていたのを憶えている。

それらの不安要素も今じゃ杞憂の一つであった。この場所に立ち寄って給油している間は最低限のやり方さえ覚えておけば、ノロマで行儀のいいルールなんてものはいらないと考えるようになってきている。

因みに、今日は給油し終わった後でタイヤの空気圧の点検を自分でおこなっていた。だが、未だ不慣れであったり空気入れのレバーなるものが異様に固かったりして、ちゃんと入るまでに時間がだいぶかかってしまったのである。

最後までお読みいただきありがとうございました。 またお会いできる日を楽しみにしています!