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関口メンディーさんグループ脱退・事務所退社から思ったこと

関口メンディーさんが4月30日にグループの脱退及び13年間勤めた会社の退社を発表し、5月1日に会見を開いた。

「4月30日」「5月1日」そして、「13年」
ネットでニュースを見て、この3つの数字に親近感が沸いた。

それは、自分も「13年」勤めた会社を「4月30日」で退社し、「5月1日」から新たな環境で挑戦を始めるからだ。
奇しくも、メンディーさんと同じタイミングだったのである。

5月1日はグループで会見をすると言うことで、同じタイミングで挑戦を始めるメンディーさんがどんな言葉を発するか楽しみだった。

ここで先に述べておくが、僕はGENERATIONSのファンでもなければ、メンディーさんのファンでもない。
メンディーさんのことはバラエティ番組で「メンディー」と叫んで、お茶の間を沸かせている人として認識した程度である。
ファンの方にしか分からない憤りや悲しみがあるだろうし、本人たちにしか分からない事情もあると思う。

僕はあくまでたまたまニュースを見て、たまたま同じタイミングで退社をし、たまたま新たな挑戦を始めるということで、勝手に親近感が沸いただけの者である。

-5月1日
メンディーさんの話から会見が始まる。
その表情はとてもスッキリしていて、希望に満ち溢れてキラキラしている。

僕はこの顔をする人を知っている。
勇気を出して新たな環境に飛び込むことを決断した挑戦者の目だ。

しかし、メンディーさんの後に続いてメンバーが話し始めるとそれまでの空気は一変して緊張感が走る。
僕は他のメンバーの言葉を聞いていてどんどん胸が苦しくなった。

「7人組を守れなくて申し訳ない」
「正直めっちゃ怒ってます」
「今でも納得していないし、怒っている」
「戻ってくるとなってもNOと言う」
「戻ってくる選択肢はない」
「戻ってきても対等な立場ではない」

「愛情の裏返し」と言う名の元に出てくるのは他のメンバーからの悲しみと怒り、そして決別の言葉。
ファンの気持ちをメンバーが代弁したという側面もあるだろう。
しかし、僕は見ていていてあまりにも苦しかった。

なぜこの光景を見ていて胸が苦しくなったかと言うと、自分も会社を離れる時にメンディーさんと同じ想いをしてきたからだ。

「会社を辞める」と言った瞬間、それまでと状況は180度変わる。

良い会社にしたいと思って社員の為に発していた言葉や行動は、それまで「革命家」と呼ばれていたのに「反逆者」になり「裏切り者」になった。

その瞬間、これまで自分のことを持ち上げ、支持してくれていたと思っていた人たちが何も発さなくなった。

共に変えていこうと言った同士たちは、「自分たちは会社側の人間なんで」と言って離れていった。

新しい道に進むと言った時に応援すると言ってくれた人が、ある日を境に辞めることを反対し出し、「裏切られた被害者」に回った。

夢を追いかけて「ベンチャー企業に挑戦する」と言ったら、鼻で笑われてベンチャー企業を馬鹿にされた。

新卒で入社をして、迷惑ばかりかけ、何者でもない自分を長い目で育ててくれた会社には感謝の気持ちでいっぱいだ。
自分の都合で会社を離れるから、砂をかけて出ていくようなことはしたくなかった。

だから、どんなことを言われても何も言い返さなかったし、離れていく人たちを見ても黙っていたし、目の前で起こることをただただひたすら受け止めた。

メンディーさんはきっと同じ想いを抱えていたと思う。
自分の勝手な理由でグループを脱退し、会社を離れることへの「罪悪感」
自分1人が悪者になってもいいという思いで、何を言われても全部受け止めるつもりなのだと思う。

しかし、メンディーさんは何か悪いことをしたのだろうか?
コンプライアンス違反をした訳でもないし、スキャンダルが発覚した訳でもない。

会社・グループを「辞める」ことは必ずしもマイナスなことばかりではない。
空いたポジションで他の誰かがより活躍するかもしれないし、グループの団結力はより一層増すかもしれない。

自分の夢を追いかけるために環境を変えるだけなのに、メンバーが謝り、怒り、悲しむ、その光景は僕には理解できなかった。

そして、もう一つ感じているのは「寂しさ」ではないだろうか。
メンディーさんは13年間会社・グループに在籍し、計り知れないほどの貢献をしてきたはずである。

実際に僕がGENERATIONSというグループを認識したのは、「メンディー」と叫びお茶の間を沸かしている姿をテレビで見てからだ。
類い稀なる身体能力でスポーツ番組で活躍する姿も見た。

グループの認知度を広め、会社に収益をもたらすという点でも、メンディーさんはきっと多大な貢献をしてきたはずである。

それなのに、「辞める」ことばかりに目がいきすぎている。
メンディーさんはきっと13年間を共にしたメンバ−、そして会社から「お疲れ様」「ありがとう」「応援している」という言葉をかけて欲しかったのではないだろうか。

メンディーさんが13年間グループや会社に「貢献してきたこと」にも目を向け、これまでの感謝の言葉をかけて欲しい。

そして、メンディーさんが表現する「実家」のように、「失敗したら戻ってきていいから思い切って挑戦してこい」というぐらいの応援をして欲しかった。

僕自身、会社を辞めると言ってから辛い体験もたくさんしたが、嬉しい出来事もたくさんあった。

現在の代表は「お前がもっと色んな事に挑戦したいことは分かってたのに、挑戦できる環境を作ってあげられなくてごめんな。
会社の代表としてではなく、一個人としてお前の挑戦を応援している。」という言葉をかけてくれた。

自分が入社した時の社長(現・顧問)は「あなたがいなくなることはウチにとってはとっても痛手だけど、自分で決めたことだから応援してるよ。
むしろ、13年間も働いてくれてたくさん色んなことを残してくれてありがとう。」という言葉をかけてくれた。

代表2人からの感謝・労いの言葉は涙が出るほど嬉しくて、これまでの苦労や頑張りが全て報われた。

そして、転職をすることを報告した時に口を揃えて一言目に「おめでとう」と新たな挑戦を祝福してくれた同期たち。

僕はそんな言葉にとても救われた。
環境が変わっても関係は変わらず、挑戦を後押ししてくれた同期や友人を一生大切にしたいと思った。

そんなことを思い返していると、メンディーさんの隣にいたメンバーの1人が話し始める。

「メンバーではなくなって、友達に戻るというかそういう感じなので。
俺、友達なんで何かあったら、助けられることがあったら助けます。
戻ってきたいってなったら、実家って言ってたんですけど、俺は一緒に頭を下げるからっていうそれぐらいの感じです。」

会社の反対を押し切って会社を辞める決断をし、会社の人が見守る中、反対するメンバーとは全く違う意見を堂々と述べる勇気ある姿に僕は感動した。
メンディーさんはこの一言、このメンバーの存在にきっと救われたはずだろう。

そして、同じくこのメンバーが困った時には自分が駆けつけようと心に決めたはずである。

メンディーさんのこれからの挑戦、そしてメンディーさんがいなくなったGENERATIONSというグループがどうなっていくかがとても楽しみだ。

僕自身、様々な思いを胸にして新たな環境で勇気を持って挑戦していきたい。

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