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【LDL】福井メンバーの3人で語る、「地域に目覚めたきっかけ」

LDL(Locally Driven Labs)とは、『まちづくり幻想』『地元がヤバいと思ったら読む凡人のための地域再生入門』『福岡市が地方最強の都市になった理由』『地方創生大全』『稼ぐまちが地方を変える』などの著者で、約20年にわたって全国各地で経営とまちづくりに取組んでいる木下斉さんが所長として立ち上げたラボです。

このLDLの所属しているメンバーで定期的に行われるバディ対談というものがありまして、私は毎回楽しくこの企画に参加させて頂いております。



今回は、同じ福井県のメンバーである野村恒太(のむらこうた)さんを指名させて頂きました。
LDLのメンバーでも、やっぱり同じ県の方がいるっていうのは嬉しいものです。
対談の日程を決めている最中に福井県在住の土田佳司さんが10月からLDLにジョインされた事もあり、野村さんの提案で対談ではなく、鼎談という形式で行いました。

今回のテーマは木下斉所長から頂いたお題「私が地域に目覚めるきっかけ」について行いました。

■メンバー紹介

■八木 司(やぎ つかさ)
 LDLパートナー 2022年4月よりパートナーに加入
 福井県あわら市でホテル八木という温泉旅館を経営
 お客様に【気兼ねなく、心地よく】お過ごし頂けるよう、
 現状に満足することなく、日々挑戦し続けている。

■野村恒太(のむら こうた)
 LDLアソシエイト 2019年 都市経営プロフェッショナルスクール受講
2008年福井市に土木技師として入庁、河川課、道路課を経て国交省 水管理・国土保全局 水資源部へ出向。令和2年4月より福井市 都市計画課へ帰任。現在は、下水管路課にて維持管理を担当。
プライベートでは職場となりの公園で小規模なマーケットや野外映画等を実施。

■土田佳司(つちだ けいじ)
 LDLパートナー 2023年10月よりパートナーに加入
 10年ほど車屋に勤め2016年に福井県の丸岡町で59ガレージという車屋を開業
 妻の経営するカフェの前にある丸岡城麓のお店主前公園が普段から誰にも利用されていない事を勿体なく思い、子供が無料で食べられるおでん屋をしたり公園を利用して主に子供向けのイベントを実施。カフェの2階住居部分が来年に空く為、改装して宿を開くか思案中。

このメンバーでリアル対談を実施。
会場は野村さんが、福井市内のイケてるお店をチョイスして下さりました。

開始後いきなり、【減酒のすすめ】の話題からスタートしました。
私この日はノンアルで楽しませていただきました。
今回の選んで頂いたお店、もノンアルのペアリングもできたので、非常に満足しました!
いやしかし、地方こそノンアル市場にチャンスしかないと思っています。

LDLメンバー同志ですと、基本的な共通言語であったり、voicyネタで盛り上がれるので毎回心地よいです。
終始軽やかな雰囲気で話し合いが進んでいきました。
そしてあっという間の2時間30分をまとめていきたいと思います!

■各自のエピソード紹介

〇自分のきっかけとエピソード

8年前、北陸新幹線が金沢までの延伸を果たした。その影響で、まちづくり協議会が設立され、私は何と会長の役を任されたのです。理由は一番若かったから(笑)初めての経験で、市役所の観光課と手を取り合い、イベントを次々と開催。しかし、その中で「賑わい創出」という言葉の真意に気づくことになりました。私の中での「賑わい」とは、単なるイベントで作り出すものではなく、日常の中に自然と存在するものだと信じていたのです。補助金を頼りにしたイベントは、誰もが本気になれない。この考え方の違いに、私は悩み続けました。

そんな時、知人から紹介された木下斉さんの「凡人のための地域再生入門」。この本を手に取った瞬間、私の中のもやもやが晴れるようでした。まるで、私の心の中を読み取ったかのようなその言葉たち。そして、その知人たちと共に、新たなまちづくり会社を設立。私たちが共有していたのは、地元が「つまらない」という感覚。しかし、新しい視点や実際に取り組む仲間と出会うことで、驚くほど簡単に面白いプロジェクトが実現した。これこそが、私が求めていたまちづくりだったのです。

さらに、子供が生まれ、こども園やPTAなどの活動に参加する中で、同世代の親たちが同じ悩みを抱えていることに気づいた。そう、私たちはみんな同じ。ただ、新しいやり方がわからないだけ。従来の方法に囚われ、苦しんでいる。このジレンマを打破するためには、LDLに参加し、実際に行動を起こすしかない。私の新たな決意が、そこに生まれたのです。

〇野村恒太さんのきっかけとエピソード

市役所なので「まちづくりがやりたい!」って入ったかというとそうではなく、土木系の大学院を修了し福井で就職をすることを考えたときに、「貧弱な自分には現場は苦手かも」と思い市役所の土木職を選んだだけで、なにも考えずに市役所に入りました。市民要望に応えるために、予算や法律や技術基準の中から「答えを探す仕事」に疲れてきてた(笑)ところ、楽しそうに仕事をしていた別部署がやっていた2016年に第2回リノベーションスクール@福井に参加してみました。そしたら、すごくおもしろかった(疲れたけど)んです。普段接することのなかった、おもしろい考えを持った人と(飲みながら)話したことで、行政としてやるべき仕事ってのがおぼろげながら見えた気がしました。

実は第1回リノスク福井の時にも興味はあったのですが、「これは本気のビジネスやってる人が受講するやつだから俺は受講資格ない」とか思っていたし、受講料もまあまあするし(技術系の資格試験でも「受講料高いな」くらいに思ってたし 笑)、受講ためらってたところに後輩が受講してて、楽しそうで悔しくて受講しました。そして、案の定楽しかったので味を占め、翌年公務員リノベーションスクール@近畿を受講し、その翌年は国交省に出向して東京に単身赴任になったのでリノスクでお世話になった馬場さんや青木さんがやってる南池袋公園のIKEBUKURO LIVING LOOPとかnestmarcheのスタッフやったり、公務員リノスクでユニットマスターとしてお世話になった仙台市役所(当時)の洞口さんがやっていた、仙台市を案内してくれるツアー(説明雑)に参加した日の夜飲んでいるときに、同行した群馬県庁(当時)の片山さんが都市経営プロフェッショナルスクールに申し込みをする場に同席した勢いで、ボクも受講を決めました 笑

特にプロジェクトを持って受講したわけではないので、ネタ探しから始めつつ、福井に帰る機会もあまりとれないなかで、インプットもアウトプットも中途半端になり、福井帰ってきてもいわゆる「まちづくり」の部署ではないので、わかりやすい成果もだせず、とはいえ「公民連携」って今後の仕事に絶対必要というか、基本ルールになるんだろうなと感じているので、感覚鈍らないように、プロスクのアシスタントコーチしたり、LDLに身を置いたりしている感じです。

〇土田佳司さんのきっかけとエピソード

なんとなく車が直せるとカッコいいかなと選んだ自動車整備士はとにかく給料が安い。同期が入った鈑金屋はボーナスがジャガイモ1箱みたいな田舎の車業界で働き、人並みに稼ぎたい一心で5年後に店を引き継ぐ約束をして爺さんが一人で経営する車屋へ転職。
現代の働き方が全く通用しない物忘れが激しくなっているジジイから毎日怒られ、なんとか店を継ぎたかったので喰らい付くが3年目で心を少し病んで逃げるように退職する事に。その時、妻は臨月。どこかへ就職しようか悩みましたが、長男が産まれると同時期に車屋を開業しました。
なんとか車屋が軌道に乗り出した頃から地域の若手要因として地元の様々なイベントに駆り出されるようになりました。最初は頼りにされていると勘違いしていましたが、結局若手はただの人手要員。やってる内容はただの消化試合のような予算消費のイベントで、来場者や出店者の事は全く考えていない開催する事が目的のイベントに付き合っていられませんでした。そんな頃に木下斉さんの【まちづくり幻想】に出会い年寄り達の団体とは一定の距離を置く事を決断。
三、四十代の仲間達と共に丸岡城麓のお店主前公園を舞台に家族連れ向けのイベントを定期的に開催してそれなりに盛況を得ましたがやはりイベントは一過性のもの。
普段からお天守前公園を人が集まる公園にしたいという思いが生まれて公園の前で大人が先払いしたチケットを使って子供が無料で食べられるおでん屋をしたり、夏は地元の大人が副業をする機会を作る為にビアガーデンを開催しました。
そんな事をする中で結局は内輪での盛り上がりに過ぎないのではないかと考えるようになり、観光地でありながら観光客が街に滞在する時間がとても少なく地元の飲食店で県外の人に出会う事なんてほとんど無い事に気がつきました。
そうか、街に宿が無いからだ!カフェの2階住居部分が来年から使わなくなるのでこれはちょうど良い!目の前にお城が見えるから売りになりそうだ!

いや、宿の事も何も知らないしそもそもお城が見えるだけで泊まってくれるんだろうか。なんだか不安になってきた。LDL入ろう。←今ここです。

■共通のテーマや考え
地域に目覚めたきっかけというテーマで、私たち福井メンバーが語り合ったこの鼎談は、ただの情報交換を超えたものを得られました。
私は温泉旅館を経営しながら、日々、お客様に「気兼ねなく、心地よく」過ごしていただくために努力していますが、しかしそれだけでは不十分だと感じている所もあります。なぜなら、私たちの地域には、まだまだ活かされていない可能性が眠っているからです。

私たちがやるべき事は、地域の「賑わい」を単なるイベントや一時的な集客に頼るのではなく、日常の中に自然と溶け込む持続可能なものに変えていく試みではないでしょうか。
野村恒太さんの公務員としての経験、土田佳司さんの車屋としての地域での役割、そして私の旅館経営者としての視点、それぞれの地域の異なる角度からの洞察を提供することってとても大事です。話をしていく中で、同じ福井県でも知らない土地や行事が山ほどあって、地域の可能性を本当に感じます。

私たちに共通するのは、地域の「つまらなさ」を打破しようという意志と、そのためには新しい視点や実践が必要だという認識です。
地域の日常に溶け込む賑わいとは、地元民が日々の生活の中で自然と集う場所、共感し合える体験を共有することで生まれる。
それは、補助金に頼るのではなく、地域住民自らが本気で取り組むことから始まるのです。3人ともその共通認識で持って話ができたことが本当に嬉しかったです。

■今後の展望

今後の展望としては、私たちが福井の魅力を引き出すための具体的なアクションを起こすことですね。
私の旅館も、ただの宿泊施設で終わらせず、地域の文化や歴史を感じられる場所として、訪れる人々に新たな価値を提供したいと思っています。そのためには、野村さんの公務員としての立場を活かした公民連携の取り組みや、土田さんの地域に根差したイベントとの連携が必要になってくるわけです。

■まとめ

今回の記事は、それぞれがエピソードを書くという共同編集で行いました。
なぜなら、内容盛りだくさんで私がお2人のエピソードを忘れてしまったからです。(笑)でも、これはこれで効率的で非常にありでしたね!

今回の内容は、地域の「つまらなさ」を感じているすべての人に向けたメッセージでもあると思っています。地域を変えるには、行政や既存の枠組みに頼るのではなく、私たち自身が新しい視点を持ち、実際に行動を起こすことが重要です。そして、その行動が集積されることで、地域は自然と賑わい、活気づいていくものだと。当然ですが、成功するかなんていうのは誰にも分りません。しかし、それぞれが地域と向き合って挑戦し続け、学び続けていく事をやめてはいけないと思います。
自分の地元がオワコンだと思っているならば、今すぐに地元のいいところを探しましょう。
思いがけない宝がすぐ近くに眠っているはずです!

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