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政治講座ⅴ1166「隠蔽されている中国の債務と不良債権化した海外債権」

新華社通信から報道される中国の経済は眉唾ものが多い。普通の常識で考えると分かる。GDPなどの経済指標は殆ど捏造されまともな実態を表していないからである。経済学者もまともに分析できない理由はそこにある。すべて中国共産党に都合の良いように捏造されているからである。今回は阿鼻叫喚の中国の報道記事を紹介する。

     皇紀2683年6月20日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

宮崎正弘「危機前夜」 中国の外貨準備は「張り子の虎」 海外資産は多くが不良債権化 米欧との貿易摩擦で輸出は経常赤字

中国の巨大経済圏構想「一帯一路」は、7481億ドル(約104兆3494億円)を投じた習近平国家主席の目玉で、関連諸国は150カ国に及んだ。

米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)」によると、順風満帆に見えた中国経済の大躍進時代には毎年1000億ドル(約13兆9485億円)を注ぎ込んだ。コロナ禍で変調を来し、一帯一路への投資は年間600億ドル(約8兆3714億円)台に減退した。

やっぱりそうだった。

米調査会社「ロジウム・グループ」の調べで、不良債権が768億ドル(約10兆7133億円)に達していた実態が浮かび上がった。筆者が2013年頃から主張してきたように、「借金の罠」に中国自らがはまったことになる。

もともと、返済概念の希薄な途上国に、しかも当該国の独裁者たちは賄賂を期待してのプロジェクトだったから、完成例はほとんどない。

その後、スリランカ、パキスタン、ベネズエラなどで「返済減額」「繰り延べ」などのリスケ交渉は暗礁に乗り上げており、「不良債権」は膨らむ一方である。

中国開発銀行、中国輸出入銀行は貸し渋り、「貸し剥がし」に転じている。鳴り物入りで宣伝された中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)は、インドへ数件の融資など、大半が日本主導のADB(アジア開発銀行)との協同融資だった。

IMF(国際通貨基金)は、債務返済と債権国へ80%棒引きなどを要求し、中国は交渉に応じなかった。

中国の外貨準備は公称3兆2000億ドル(約446兆5728億円)と豪語している。ところが、米国債保有を激減させて手元資金を充足させたばかりか、外国銀行からドルを借り入れているのが実態だ。

潤沢な外貨準備と豪語するにしては矛盾した行為である。

中国の海外資産は多くが不良債権化している。インドネシアにおける新幹線工事は遅れに遅れマレーシアは規模を縮小した。つながったのは、「中国ラオス鉄道」(=中国雲南省・昆明と、ラオスの首都ビエンチャンを結ぶ)だけ。ところが、乗客が少なく一日一便、もちろん大赤字である。パキスタン南西部グワダル港近代化プロジェクトは中断し、カラチへ移転した。

外貨準備を純増させるのは輸出である。経常赤字が続き、米欧との貿易摩擦で貿易が減少しているのに貿易黒字が継続するはずはない。そのうえ、中国の統計方法では外銀からの借り入れも外貨準備に算入している

つまり中国の外貨準備は見せ金、「張り子の虎」というのが実態である。 (評論家、ジャーナリスト・宮崎正弘)

中国政府、新たな景気対策発表せず-失望感から株式相場下落

Bloomberg News によるストーリー • 

(ブルームバーグ): 中国政府が景気対策を先週末発表しなかったことで、景気懸念が強まり、当局がどこまで成長を後押しするのかという議論に拍車をかけている。

  中国人民銀行(中央銀行)が先週、中期貸出制度(MLF)の1年物金利を引き下げたことなどから、国務院が16日の会議後に新たな景気刺激策を発表するのではと投資家は待ち構えていた。

  だが投資家の期待は空振りに終わった。国務院は具体的な景気対策の発表には至らず、政府が「時宜を得て」採用する新たな措置を検討中だと説明するにとどまった

  国務院を率いる李強首相は欧州歴訪中で、景気刺激策に関する発表が間近に迫っていない可能性を示唆している。就任後初の外遊を始めた李首相は18日、ドイツに到着。フランスも訪れる予定。


Slowing Activity | China's economy weakens in May, adding to pressure for stimulus© Source: National Bureau of Statistics

  エコノミストらは景気支援策が打ち出されたとしても限定的なものになるだろうと、期待感を後退させている。

  ゴールドマン・サックス・グループは、今年の中国経済成長率予測を6%から5.4%に引き下げた。人口減や債務水準の上昇に加え、習近平国家主席が不動産投機の抑制を呼びかけていることから、政策の制約が大きくなっているとし、当局が景気浮揚策としてインフラや不動産への投資を強化した過去の景気悪化時に比べ、景気刺激策が小規模にととどまるとの見方を示した。

  閃輝氏らゴールドマンのエコノミストは18日のリポートで、不動産・インフラ関連の刺激策は恐らく「的を絞った控えめな」ものになるだろうと予想。「不動産やインフラを利用して力強い景気回復を図るというかつての手法に頼ることは指導部が繰り返し強調してきた『質の高い成長』のタイプと矛盾する」と指摘した。

  国務院の声明に対するトレーダーの失望感が広がったことなどから、19日の中国株式相場は下落。香港株も売られ、アジア株の指標MSCIアジア太平洋指数を押し下げている。

Chinese Stocks Give Back Some Recent Gains© Bloomberg

原題:China’s Delayed Stimulus Adds to Worries Over Slowing EconomyChina’s New Premier Arrives in Germany for First Overseas Trip、Asia Stocks Drop, Led by China as Stimulus Hopes Seen ‘Overdone’(抜粋)

--取材協力:Ishika Mookerjee. More stories like this are available on bloomberg.com©2023 Bloomberg L.P.

参考文献・参考資料

宮崎正弘「危機前夜」 中国の外貨準備は「張り子の虎」 海外資産は多くが不良債権化 米欧との貿易摩擦で輸出は経常赤字 (msn.com)

中国政府、新たな景気対策発表せず-失望感から株式相場下落 (msn.com)

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