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政治講座ⅴ1741「中国のEV車の顛末」

  秦の始皇帝の時代の万里の長城、兵馬俑、始皇帝陵、それらの経費のための増税と重税、焚書坑儒、どうも中国は昔からやり過ぎの傾向がある。近代史では大躍進政策、文化大革命、そして、改革開放の行き過ぎで不動産バブル崩壊とそれに伴う地方政府の過剰債務問題(融資平台などのシャドウーバンクからの資金調達が1京5千兆元とも言われている)、国策としてはじめたEV車に対するダンピングに対して、世界の風当たりは強くなりつつある。一帯一路では過剰な鉄鋼の消費地として発展途上国に返済の目途の無い融資と抱き合わせで債務の罠と非難される事態を引き起こした。今度は、EV車は補助金つきでダンピングでの販売である。本当に節度を知らない国家である。
今回はそのような報道記事を紹介する。

     皇紀2684年4月18日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司 

中国の「EV大量輸出」「経済無策」に英経済誌がブチギレ…!そのウラにある習近平の「ぜいたく嫌い」と「EV大失速」の深刻すぎる現実

藤 和彦 によるストーリー

習近平の「デフレ輸出」に世界がキレた…!

中国から輸出されたEVが大量に売れ残る…。中国政府の多額の補助金によって中国で大量につくられるEVに対して、アメリカでもヨーロッパでも怨嗟の声が広がっている。

中国から大量に輸出されたEVが売れ残っているため、「欧州各地の港がEV専用の巨大な駐車場と化してしまった」との悲鳴が聞こえてくるほどだ。

中国を訪問し怒りをあらわにした米イエレン財務長官 Photo/gettyimages© 現代ビジネス

ドイツのキール世界経済研究所は10日、「中国政府はBYDに対して34億ユーロ(約5600億円)の補助金を交付している」との分析を明らかにした。過剰生産によって安価なEV太陽光パネルが世界に広がり、「中国が世界にデフレを輸出している」と痛烈な批判を浴びている。

不公正な中国の姿勢に、先進国からは批判が殺到しているが、それだけではない。欧米諸国が中国製品の締め出しを始めている中、中国政府はグローバルサウス(新興・途上国の総称)への輸出拡大に活路を見いだそうとしているようなのだ。近隣窮乏化策ともとられかねない政策をグローバルサウスの国々はどう考えるのだろうか。


ますます悪化する中国経済

中国の国内経済は、依然としてデフレ懸念が続いている。

国家統計局が4月11日に発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.1%上昇したが、伸び率は前月(0.7%上昇)から大幅に鈍化した。

内訳をみると、これまで好調だった「旅行」の伸び(6.0%上昇)も大幅に鈍化した。第1四半期のCPIは前年比で横ばいとなり、中国政府が掲げる「3%前後」の目標にはほど遠い状況だ。

消費者の節約志向も強まっており、特に高額商品の分野での不調が目立っている。

欧米高級ブランド企業の第1四半期の売り上げが大幅に減少すると予想されており、百貨店業界も苦境に陥っている。直近3ヵ月で有名百貨店10店舗が閉鎖に追い込まれており、バブル崩壊後の日本を彷彿とさせる状況となっている。

将来への不安を高める中国人金(ゴールド)の購入に走っている。就職難にあえぐ若者の間でも「金豆(豆粒大の小さな金製品)」への投資がブームとなっている。

このような事態を踏まえ、中国政府もようやく重い腰を上げた。

「需要対策」を放棄する習近平への絶望

国家発展改革委員会は11日、「設備の更新と消費財の下取りを促進するプログラムに参加する企業に大規模な資金援助を行う」と発表した。

支援策の詳細は不明だが、消費財の下取りを促進することで今年の小売売上高は0.5%引き上げられるとしている。だが、今回の対策も供給サイドに軸足を置いている。

中国は深刻な消費不況により過剰生産に陥っている Photo/gettyimages© 現代ビジネス

設備投資は2027年までに年間3.8%押し上げられるとしており、新たな政策を講じることで中国経済の需給ギャップがますます拡大してしまう可能性が高い。

つまり、供給過剰になって物が売れずにデフレが加速してしまうということ。海外での中国の経済政策に対する評価は下がる一方だ。

「英エコノミスト誌」が怒っている…

英エコノミスト誌(4月6日号)は「習氏の経済対策、3つの誤り」と題する記事を掲載したが、真っ先に誤りとして指摘したのが「消費者を軽視している」点だ。

個人消費の規模不動産ハイテク産業よりはるかに大きい。

中国のGDPに占める個人消費の比率は37%世界の水準よりかなり低く消費を刺激する政策は中国経済に絶大な効果をもたらすはずだ。ところが、である。

過剰な政府補助金でEVは作りすぎになっている…Photo/gettyimages© 現代ビジネス

習近平国家主席は、これまでもさんざん指摘してきたように倹約志向であり、消費喚起策に消極的だ。ぜいたくを嫌う権威主義者は、梃でも動かない

そうした中、補助金で設備投資された過剰な生産力を、世界に振りまいて「デフレ輸出」を進めているのだから、批判を受けるのは当然と言えるかもしれない。しかも、その輸出先が新興国へと振り向けられ始めているのだから、筆者の不安は増すばかりだ。

中国の過剰生産能力、弊害すでに表面化

Nathaniel Taplin によるストーリー

中国の過剰生産能力、弊害すでに表面化© The Wall Street Journal 提供

「チャイナ・ショック2.0」説によると、中国は安全保障上の脅威かつ低価格工業製品の競合相手であるだけでなく、西側諸国に安価なハイテク製品を大量に送り込もうともしている。ただ、こうした戦略がもろ刃の剣であることはあまり注目されていない

中国が16日に発表した1-3月期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.3%増と、大方の予想を上回った。好調な鉱工業生産と輸出が押し上げ要因となった。一方で、明らかに過剰生産能力が積み上がっており、中国自身にもダメージが及んでいる可能性があることを示唆した。

鉱工業生産は1月と2月に前年同期比7%増と好調だったものの、3月は4.5%増と急減速した。より顕著だったのは、製造業の設備稼働率が1-3月期に73.8%に低下したことだ。新型コロナウイルス流行下の2020年同期を除くと、これは少なくとも2015年以降で最も低い水準だ。3月の輸出は数量ベースで約10年ぶりの高水準だったが、金額では昨年10月の水準をわずかに上回ったにすぎない。

つまり、企業の価格支配力が国内外で弱まり、おそらく利益率の低下圧力が強まっているということだ。

製造業への民間投資もそうなるだろう。外需が金額ベースで早期に伸びず、国内経済も弱いままなら、民間投資はいずれ減速せざるを得ない。さもなければ、政府、つまり国有銀行が鉱工業部門への過剰融資のコストを直接吸収する羽目になるだろう。不動産やインフラ部門がその先例だ。

とりわけ目を引くのは設備稼働率の内訳だ。自動車や電気機器など、政府が推進している分野で低下が際立っていた。指導部はこのところ、電気自動車(EV)や半導体、太陽光発電パネルなどの「新たな質の生産力」にことさら言及しており、同分野は西側の政治家にとって頭痛の種となっている。自動車製造業の稼働率は1-3月期に65%を割り込み、20年1-3月期を除くと直近の最低水準だった2016年半ばの69.1%を下回った。

対照的に、従来の輸出品分野の稼働率は比較的底堅く推移し、繊維製品は1-3月期に上昇した。コンピューター・通信機器は低下したものの、自動車ほど大幅ではなかった。

3月の国債発行を除く経済全体の借り入れは、債券利回りと金利が数年ぶりの低水準であるにもかかわらず低調だった。利益率の低下圧力を受けて「新たな質の生産力」が投資を抑制し始めたら、財政政策による成長の下支えが必要になるだろう。

あるいは、余剰貯蓄を製造業部門に注ぎ込んでさらなる過剰生産能力を生むという選択肢もある。だがいずれ、貿易相手国だけでなく自国の銀行や政府自身もそのツケを払うことになるだろう。

中国で広がる「EVの墓場」 参入過多が招いた負の遺産

電気自動車(EV)が急速に普及する中国各地で、使用されずに放置される「EV墓場」が問題になっている。EVメーカーやシェアリングサービスの過度な参入が原因。足元ではEVメーカーの淘汰も進んでおり、負の遺産が拡大する可能性もある。
 中国東部にある浙江省杭州市の郊外。私立小学校がある閑静な住宅街の一角に足を踏み入れると、白色のセダンがナンバープレートも付けられずに放置されている光景が広がる。

浙江省杭州市の郊外にある「EV墓場」


 中国自動車大手、東風汽車集団系のEVで、台数は100を超える。運転された形跡がない車両も多く、座席にはビニール製のカバーが付けられているほか、ダッシュボードに運転キーが置かれたままの車もあった。人はほぼおらず、野犬がすみかを構えていた。
 「売れ残りかどうかはわからないが、1~2年はずっと放置されたままだ。EVが動いて出ていくところを見たことがない」。隣接する私立小学校で守衛を務める男性はあきれた表情でこう話す。

座席にビニール製のカバーが付けられ、ダッシュボードに運転キーが置かれたままの車もあった中国各地でEV墓場の投稿相次ぐ


 杭州だけではない。中国各地でEVが使用されずに放置される問題が起きている。同一車種がズラリと並ぶ光景から「EV墓場」と呼ばれるほど。中国のSNSでは寺院や川沿いの空きスペースに所狭しと並べられている様子が数多く投稿されている。
 EV墓場が生まれる原因の一つが、中国でのEV市場の過度な競争だ。EVメーカーに加えて、シェアリングサービスが数多く台頭した結果、採算が合わずに撤退した事業者がEVをそのまま放置しているという。

中国のクリーンエネ過剰生産、抑制する必要=米財務長官

Andrea Shalal David Lawder によるストーリー

イエレン米財務長官は16日、クリーンエネルギー製品の先進製造業に対する中国の大規模投資が不公平な競争環境をもたらしていると述べた。写真は、2024年4月7日に北京大学の学生と対話する同財務長官。(2024年 ロイター/Florence Lo)© Thomson Reuters

Andrea Shalal David Lawder

[ワシントン 16日 ロイター] - イエレン米財務長官は16日、クリーンエネルギー製品の先進製造業に対する中国の大規模投資が不公平な競争環境をもたらし米国の労働者や企業を脅かしているとし、こうしたリスクを軽減する必要があるとの見解を示した。

国際通貨基金(IMF)・世界銀行の春季会合に合わせた記者会見で述べた。

イエレン氏は、中国企業が政府の支援を受け続ける中、電気自動車(EV)や電池、太陽光パネルなどの過剰生産は米国や他国の企業を廃業に追い込みかねないと指摘。

「これは公平な競争条件ではない。サプライチェーン(供給網)の観点からもリスクをもたらすと考えており、われわれは明らかに軽減を目指す。米国の労働者や企業にとっても不公平だ」と述べた。

中国政府高官との新たな会合を控える中、継続的な米中対話は、マネーロンダリング(資金洗浄)対策や気候変動への対応など、共通の関心分野ですでに進展が見られるとも語った。

ただ、米政府高官は中国の産業政策の慣行や、過剰生産能力が世界経済にもたらし得る負の波及効果についても、中国側と議論を交わしている。

参考文献・参考資料

中国の「EV大量輸出」「経済無策」に英経済誌がブチギレ…!そのウラにある習近平の「ぜいたく嫌い」と「EV大失速」の深刻すぎる現実 (msn.com)

中国の過剰生産能力、弊害すでに表面化 (msn.com)

中国で広がる「EVの墓場」 参入過多が招いた負の遺産:日経ビジネス電子版 (nikkei.com)

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