政治講座ⅴ2003「レディーファーストにおけるジェンダーギャップ」
レディーファーストは中世ヨーロッパで生まれた習慣なのですが、当時は毒殺や、突然斬り付けられるという事件が多発していた。 そこで、女性を食事においては毒見役に、歩いているときには盾に使ったというのがレディーファーストの起源と言われている。
翻って、現代において、欧米では、紳士が淑女を丁重に扱うものとしてこのレディファーストは知られている。
しかし、仮に女性を丁重に扱うつもりでやったことでも捉えようによっては女性蔑視につながってしまうわけで、なかなか難しく取り扱いが難しいのである。
それが、米国大統領選挙で女性vs男性となると舌戦になるのである。今回の米国大統領選挙は政策論争というより女性vs男性の争いの様相を呈している。さて、どちらに軍配が上がるのか。選挙結果を、乞うご期待!
今回はそのような報道記事を紹介する。
皇紀2684年11月5日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
米大統領選、ジェンダーギャップあらわ ハリス氏「女性属性」封印 トランプ氏「女性守る」発言
【ワシントン=大内清】5日投票の米大統領選では、候補者の支持率で「男女差」(ジェンダーギャップ)が鮮明となっている。民主党のハリス副大統領(60)が女性票で、共和党のトランプ前大統領(78)は男性票でそれぞれ優位に立つ展開だ。ハリス氏は弱点である男性の支持を広げるために「女性初の大統領」などの表現を封印。トランプ氏は「女性を守る」とのメッセージの発信に努めている。
CBSテレビと調査機関ユーガブが10月下旬に行った世論調査では、ハリス氏への支持が女性で55%なのに対し、男性は45%。トランプ氏は逆に、男性の支持が54%、女性が43%となった。
背景には、女性の関心が強い人工妊娠中絶などの問題でハリスが女性擁護を鮮明にする半面、トランプ氏は立場が一貫していないことなどがある。トランプ氏は在任中、連邦最高裁判事に保守派3人を指名。それによって中絶を憲法上の権利としてきた最高裁判例が2022年に覆ることにつながったことも、同氏には足かせとなっている。
男性有権者には、性別による不平等の是正を実現すべきだなどとする「ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)」を意に介さないトランプ氏に「強い指導者」像を見出す傾向が指摘される。
前々回の16年大統領選では、圧倒的に優位とみられた民主党のヒラリー・クリントン元国務長官がトランプ氏に敗れた。女性の活躍を押さえつける「ガラスの天井」を破って「女性初の大統領」になるとのクリントン氏のメッセージが、男性保守層の反発を呼んだことが一因と分析される。
ハリス氏が今回の選挙戦で、女性としての属性を前面に押し出すことを避け、元検察官や中流階層出身との経歴を自己イメージの中心に据えている。クリントン氏の轍を踏まないためだ。
一方、トランプ氏も勝利には女性票の積み増しが不可欠だ。そんな中でトランプ氏は10月30日、接戦の中西部ウィスコンシン州での支持者集会で「女性たちがそう望まなくても、私は女性たちを守る」などと発言。これに対し女性団体などからは「女性を平等な存在ではなく保護の対象としてしか見ていない」「ミソジニー(女性蔑視)的な性質が表れている」との批判が相次いでいる。
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