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やさしい物理講座v37「花盛りのSF化した宇宙論」

吾輩はSFものの映画・小説は大好きである。知的好奇心を大変くすぐる。宇宙論や相対論を研究していて築\気付いたことがある。
検証されない空想と思われる理屈が大手を振って、有名物理学者の論文と言われるものが氾濫していることに気付いた。思いついた想像のアイデアを論文として出版した者の勝、早いもの勝ちの世界である。ビジネス界では商標登録、実用新案登録、特許登録の申請と審査を経て権利を保障されるが、著作権はすぐに権利が発生する。そして、著者死亡後70年間は保護される。当然、その知的財産を巡る争いも難しくなる。今回は著作権と表題に沿って解説する。

                      2021.12.28

                      さいたま市桜区

                      理論物理研究者 田村 司

はじめに

「先に言ったもん勝ち」つまり、論文を出版した者がその著作権が保護される。現実の著作権はもっと複雑である。要点を抽出してフローで簡単に表す。著書の場合は,公表権→出版権→出版→販売→印税(売上部数・発行部数の場合もあります)原稿料は新聞・雑誌などの著作物1回の使用料で,書籍の場合は大多数が印税方式をとるようです。 以上が概略である。
著作権は簡単に言うと『他人の著作物の複製を禁止する権利』です。英語では著作権のことをcopyrightという。直訳すると『コピーする権利』となり複製権の意味である。そして、「著作権」はそれ一つの権利ではなく,『多くの権利の束である』という点が他の法律とは大きく違う。著作権は,英語で,bundle of rights 支分権の束と言われ,複製権を始め多くの権利からなる。実際に,著作権者が著作権を活用する際には,出版権上映権翻訳権個別ライセンスするのが普通です。言い換えれば著作権とは著作物を利用して,経済的利益を得る権利だとも言える。」
著作物(著作物の例示第10条 一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
私的使用のための複製 
第30条
 著作権の目的となつている著作物は個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、その使用する者が複製することができる。
著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用
第39条の四
 著作物は、当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない

引用 第32条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

以上のように、SFにような論文であっても著作権として主張ができるのである。そして著者死亡後70年は保護されるのである。

保護期間の原則 第51条 著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。2 著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第一項において同じ。)七十年を経過するまでの間、存続する。

無名又は変名の著作物の保護期間 第52条 無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後七十年を経過するまでの間、存続する。ただし、その存続期間の満了前にその著作者の死後七十年を経過していると認められる無名又は変名の著作物の著作権は、その著作者の死後七十年を経過したと認められる時において、消滅したものとする。

SF化した宇宙論

事の始まりは、ハッブル氏が発見した恒星から到着した光を分析すると赤方偏移を起こしているという事実の観測結果を発表した。
それまでは定常宇宙説が一般出来であった。

ビックバン宇宙論

出てきたのがビックバン宇宙論である。今や宇宙論の大黒柱として定着しつつあるが、そのビックバンのシナリオには説明できない空白の部分や問題点が少なくない。

「ハッブルの法則」以前の宇宙モデル

エーテル宇宙

この宇宙には波としての光を伝播させる未知の媒質「エーテル」によって満たされている。絶対的に静止したエーテルの存在を肯定したのが「エーテル理論」である。

アインシュタインの宇宙モデル

「宇宙は、一様で静止している」これがアインシュタインの想像した宇宙像であった。「ハッブルの法則」の認知度が上がるにつれて、アインシュタインの宇宙モデルは失敗とされた。
吾輩は、「ハッブルの法則」が間違いであり、光の赤方偏移が光源の移動で「ドップラー効果」はなく「光の真空中のエネルギー減衰により赤方偏移」と考えている。そして、膨張宇宙ではなく、ビックバン宇宙でもなく、定常宇宙を支持している。アインシュタインの「宇宙は、一様で静止している」像に賛同するのである。



ド・シッター宇宙

1919年、オランダの天文学者ド・シッターはアインシュタイン同様、宇宙項(万有斥力)の入った重力場の方程式を考え、これを物質の無い空間に適用すると、スペクトルに赤方偏移が生じる「ド・シッター宇宙」となることを示した。その上でこの空間内の粒子の運動は、相互の距離が拡大するような性質であることを突き止めた。しかし、ド・シッターはこの宇宙をあくまで静止したものと想定していたため、赤方偏移や粒子間の距離の拡大が膨張宇宙を意味するものとは考えていなかった。

フリードマン宇宙

ド・シッターのように「理想化された架空の空間」ではなく、「物質を伴った実際的な空間」をそれも宇宙項のない重力場方程式によって取り扱おうと試みたのが、ロシア人数学者アレクサンドル・フリードマンである。[フリードマン宇宙」では、物質密度が一定値より低いときには永遠に膨張する宇宙、それによりも高い密度では、膨張と収縮を繰り返す振動宇宙となる。だがフリードマン宇宙が発表されたのは1922年、まだハッブルの法則が発表される以前であり、世界の注目を浴びることはなかった。

ルメートル宇宙

ベルギーの宇宙論研究者ジョルジュ・ルメートルは1927年、やはり一般相対せ理論に基づいて、膨張する宇宙を理論に導き出した。しかし、これも当時はほとんど知られることはなかった。


ジョージ・ガモフのビックバン宇宙論

ガモフがアメリカに移住したのは1934年、その12年後『フィジカル・レビュー』誌に一編の論文を寄せた。当時の原子核物理学には、宇宙における元素の存在比を理論的にどう説明するか、という難問があった。多くの物理学者はこの問題を熱平衡化における原子反応で説明しようとして、ことごとく失敗していた。とくに、重い原子核の存在度の説明は絶望的に困難だった。1946年のガモフの論文は、この問題を平衡条件下で解くことをやめ、非平衡の条件下で考えることを提唱するものであった。
そこで彼は、初期の宇宙は極めて高温・高密度で、しかも急激に膨張しつつあると考えた。非平衡状態を生じさせるためにはこうした条件が必要なのである。その2年後に肉付けをして論文の発表をした。
それによれば、初期の宇宙は、高温・高密度の自由中性子からなっていた。原子核中の中性子とは異なり、束縛されていない自由中性子は一定の寿命(現在では崩壊半減期約10分と分かっているが当時20分とされていた)の後、電子とニュートリノを放出して陽子に変わる。ガモフが出発物質として、中性子を選んだ理由の一つはこうした不安定さをもち、しかも、崩壊して中性子とともに原子核の構成要素となる陽子を生むところにあった。もう一つの理由は、1946年にブルックヘブン研究所で調べられた原子核は「速中性子」を捕獲してガンマー線を発生する反応の断面積と原子量との関係が元素の存在比と原子量との関係が全く逆になっていることにアルファーが目を付けていたことだ。
ビックバン理論が与える水素とヘリュウムの生成比が現実の宇宙での両元素の存在比とよく合うことが信頼性を高める要因となった。

宇宙背景放射の発見後

ガモフのビックバン理論は一度死んだ。ビックバン理論は長い間研究者の間では無視に近い扱いをうけることになった。宇宙に於ける水素とヘリュウムの存在比を再現できるというだけならこれと違ったモデルも考えられるというのがその理由であった。
それに何より、当時はまだ宇宙論という分野そのものがどこかうさんくさいものと受け止められていた。実証科学として認知されにくいという事情もあった。
1965年アメリカの天文学会誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に「4080メガサイクル/秒における過剰なアンテナ温度の測定」と題するベンジアス氏の1編のつつましい論文が掲載されたのをきっかけにビックバン理論はにわかにもてはやされるようになった。これが宇宙背景放射で有名になる。この論文を巡って、悶着が起きたのである。一番煎じの功績の取り合いである。

オルバースのパラドックス

ニュートン力学によれば、すべての慣性系は同等であるから、この宇宙は無限遠から

宇宙が無限なら夜空は暗くならない。
宇宙がもし本当にどこまでも無限であるとすると、現実と大いに異なる困った現実が起こってくる。もし宇宙が無限の広がりをもち、どこまで行っても一様に星が分布しているとすれば、地球から夜空を眺めたとき、どの方向を眺めても視線は星にぶつかることになる。遠方の星は距離の2乗に反比例して弱くなっていくはずだが、遠くまで視線を伸ばせば逆に星の数は距離の3乗に比例して増えていく。従って、極言すれば視野に入る全宇宙は星に埋め尽くされることになる。これなら、夜空は決して暗くはならないはずだ。この仮定で地球に届く光を合計すると太陽光の40万倍にも達するからである。
だが、現実には、夜空は大変暗い。とすれば宇宙は無限ではないか、あるいは他に何か原因があるに違いない。
この矛盾に気付いた人間は早くから存在した。ヨハネス・ケプラーもすでに17世紀にはこの事実を指摘していたというが1826年、ドイツのアマチュア天文学者ハインリッヒ・オルバースがこの疑問を指摘する論文を発表した。この論文は多くの研究者の注目を集めるに至ったため、現在ではこれを「オルバースのパラドクス」と呼んでいる。
オルバース自身は、夜空が暗いのは遠方の星が宇宙空間に漂う星間ガスに吸収されるためと解釈していた。
しかし、これではちゃんとした説明にはならない。背後の恒星から莫大な放射エネルギーを吸収した星間ガスはまもなくそのエネルギーを放射しはじめ、やはりこちらから見ればガスそのものが強烈に輝いてみえるだろう。

多元宇宙論

(たげんうちゅうろん、: multiverse)とは、複数の宇宙の存在を仮定した理論物理学による論説である。物理的に観測不可能な様々な事象を数学や物理学を元に理論構築し、既知の観測や観察とともに予想された物理理論の一つである。様々なSFやより理論的裏付けのない解釈で語られることも多い。

宇宙のインフレーション

初期の宇宙が指数関数的な急膨張(インフレーション)を引き起こしたという、初期宇宙の進化モデルである。ビッグバン理論のいくつかの問題を一挙に解決するとされる。インフレーション理論インフレーション宇宙論などとも呼ばれる。この理論は、1981年に佐藤勝彦、次いでアラン・グースによって提唱された。インフレーションという命名は、宇宙の急膨張を物価の急上昇になぞらえたものである。

宇宙ひも

物理学、特に宇宙論で言及される時空の中の特殊な領域。コズミックストリングとも呼ばれる。時空が相転移する際、全体がいっせいに相転移するのではなく、複数の領域がそれぞれ個別に相転移することが考えられる。その場合、領域の境界には位相的欠陥ができ、その部分は通常の時空とは異なる状態になる。これは、通常の物質が結晶になる際に、結晶粒子の境界に格子欠陥の一種である結晶粒界ができる現象と類似したものと考えると理解しやすい。宇宙では、宇宙誕生時には1つだった基本相互作用が4つに分かれ、その間に少なくとも3回の相転移があったと考えられている。そして、実際の宇宙では、因果関係が成り立つ範囲、つまり、光速情報が伝達される範囲内でしか一様な相転移は起きない。つまり、距離の離れた領域は別々に相転移が起き、そのため、宇宙には上述の位相欠陥が残されている可能性がある。位相的欠陥には、宇宙ひも以外に、ドメインウォールモノポールテクスチャーなどがある。宇宙ひもは線状(ループ状も含む)の欠陥で、時空に角度欠損ができ、その周囲を一周する角度は360度未満となっている。また、宇宙ひもは非常に大きな質量を持っている。そのため、初期の宇宙で密度ゆらぎを起こし、宇宙の大規模構造の原因となった可能性が指摘されたり、ダークマターの候補と考えられたりした。ループ状の宇宙ひもは、重力波のかたちでエネルギーを放出しながら崩壊していく。この重力波エネルギーが宇宙の進化に与える影響などから、宇宙ひもの存在量が見積もれないかなどが研究されてきた。しかし、WMAPによる宇宙背景放射の温度ゆらぎの解析結果から、宇宙ひもの寄与は(あったとしても)少ないことが分かった。宇宙ひもが存在したとしても宇宙論に与える影響は少ないようである。

「負の圧力」が作り出す宇宙

ビックバン理論の醜い特異点を消せるか。物質とエネルギーの創造を追求。

銀河形成理論・宇宙の泡構造

「銀河は直径1億5000万光年の巨大な泡状の空洞の表面に分布している。」

「超ひも理論」が迫るビックバン直後の宇宙

宇宙の全ての物質と力が10次元時空の「ひも」から生まれたと主張。


我々と別の宇宙は本当にある 物理学の最新理論

宇宙論研究者の野村泰紀教授に聞く

出典:日経新聞 科学&新技術 2017年7月29日 2:00

私たちが見ているこの宇宙以外にも無数の宇宙が存在し、今も次々と生まれている。宇宙は単一のユニバースではなく、多数の宇宙が存在する「マルチバース」だ──。一見SFのようだが、多くの理論物理学者たちが真剣に考え、研究している理論だ。最近マルチバースについての新たな見方を提唱した米カリフォルニア大学バークレー校の野村泰紀教授に、この理論について聞いた。

野村泰紀米カリフォルニア大学バークレー校教授。同大バークレー理論物理学センター長,東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究員を兼任する。専門は宇宙論,素粒子論。

──マルチバースの理論はどのようにして出てきたのですか。
「最大のきっかけは宇宙の真空エネルギーの問題だ。真空エネルギーというのは宇宙が最も安定したときのエネルギーで、宇宙の性質を決める重要な値だが、宇宙観測によって計測した値が理論からの予測値より120桁以上も小さかった。あまりに小さいので、物理学者たちは恐らく本当はゼロなのだろうと思って、それを実現する仕組みを懸命に探したが、見つからなかった」「1987年にノーベル賞受賞者のワインバーグが、まったく異なる解決策を提唱した。まず、真空エネルギーがもし今より数桁大きければ宇宙には星も銀河も生まれず、空っぽだったことを計算で示した。さらに、真空エネルギーが異なる宇宙が膨大にあるとの説を唱えた。膨大な数の宇宙があれば、中には真空エネルギーが理論値より120桁小さい宇宙もあるだろう。そして宇宙を観測し真空エネルギーを突き止める人間が存在し得るのは、そんな宇宙だけなのだ。これを『人間原理』と呼び、この宇宙の真空エネルギーが極めて小さい理由を説明できる」

──人間原理以外にマルチバースを示唆するものはありますか。「いくつかある。重力理論と量子力学の統合を目指す超弦理論の方程式を解くと、10の500乗個ともいわれる大量の解が出てくる。これは実現しうる宇宙の種類が山ほどあって一つに決められないことを意味しており、当初は超弦理論の欠点だと思われていたが、最近、マルチバースとうまく整合するとの見方が出てきた」「また、異なる宇宙がどのように生まれるかは、インフレーションの理論によって示されている。インフレーションとはこの宇宙の誕生直後に起きた加速膨張のことだけをいうのではなく、この宇宙を含む空間全体で起きており、今も続いている。加速膨張する宇宙が別の宇宙に相転移すると、沸騰する湯の中に気泡が生じるように、もとの宇宙の中に新たな宇宙の泡ができる。これは量子力学による確率的なプロセスなので、宇宙どうしが量子的な『重ね合わせ』になる」

──宇宙がたくさんあるというのは想像しにくいですが。「近年の研究の発展で、マルチバースがどんなものか具体的に明らかになりつつある。人間はこれまで、科学を通じて自分が思っていたより小さい存在であることを学んできた。唯一の大地だと思っていたものが太陽系にいくつもある惑星の一つの表面だと知り、その太陽系も銀河にたくさんある惑星系の一つだと知り、その銀河も宇宙にたくさんある銀河の一つだと知った。マルチバースはとっぴな考えだと思う人もいるが、むしろ宇宙だけは現在我々が観測しているものしかないと思うほうが革命的な考えだ」(詳細は25日発売の日経サイエンス2017年9月号に掲載)

My  Opinion.

天動説が改められ地動説になるまで400年の歳月を要した。宇宙が膨張するというとてつもない理論が堂々と論じられる現在。天動説の天体を地球が中心に宇宙が回転するという発想は、宇宙がビックバンにより膨張しているという理論は、常識的に考えると信じられない現象と思える。事の出発点(原点)に立ち戻り考察すると、天動説のような宇宙が膨張しているという理論より、地動説のような、光が138億光年を経て地球に到達するまでに、真空中の希薄な素粒子(仮想粒子アクシオン)などにエネルギーを奪い取られて、光粒子(電磁波)の振動数が減少して波長が伸びた結果、観測結果として、赤方偏移を起こしたという解説の方がリーズナブルである。光の真空中の減衰作用というのが吾輩の主張である。素粒子に奪い去られたエネルギーは現在観測されている宇宙背景放射3kの正体と考える。

要約すると
1,宇宙に浮遊する希薄な素粒子(仮想粒子アクシオン)が、光の真空中の減衰作用を起こす。
2,減衰したエネルギーは宇宙背景放射3kの原因である。(エネルギー保存則)

翻って、ドップラ効果は音波にも見られる現象であるが、波長の変化という現象を引き起こす原因には「運動する音源」以外にも、「媒質の温度」によっても、波長の変化を引き起こすのである。


宇宙背景放射

 光子のスペクトルは絶対温度で3k(正確には2.726k)の黒体輻射スペクトルに非常に近い。銀河団を通り抜けてきた3k宇宙背景放射はスペクトルが変化する。高温ガス中の電子によって逆コンプトン散乱を受け、長波長領域の光子がエネルギーをもらって短波長領域に移る。その結果銀河団方向での3k宇宙背景放射のスペクトルは長波長領域(波長1mm以上)において、銀河団の周囲よりも強度が減少する(スニアエフ=ゼルドビッチ効果)。

「宇宙形成でノーベル賞受賞。 米プリストン大のジェムズ・ピーブルズ名誉教授(84) 1960年代半ばから宇宙の構造に関する新たな理論を提唱。ビックバンと呼ばれる宇宙誕生から約40万年以降に宇宙に広がった放射線に着目し、どれだけ物質ができたかを計算した。その結果、星や私たちの体などを構成する物質は宇宙全体のわずか5%にすぎないことが明らかになり、人工衛星の観測でも裏付けられた。」2019.10.9 読売記事参照

宇宙背景放射観測衛星COBEやWMAPに「マイクロ波」で観測されている。
この結果を次のように論じている。
宇宙誕生から38万年後の姿は、宇宙の温度3000Kと推測され、赤外線の波長(1μm)の波長が宇宙膨張によって引き延ばされ約1000倍のマイクロ波(1㎚程度として観測される。この辺から「宇宙の晴れ上がり」と称しているようである。

ここでも矛盾発生。
 先ほど、「世界の天文学は宇宙の膨張は『空間の広がり』であり、『中身の銀河や恒星、星、惑星、は大きくならない』と論じている。」
 「宇宙誕生から38万年後の姿は、宇宙の温度3000Kと推測され、赤外線の波長(1μm)の波長が宇宙膨張によって引き延ばされ約1000倍のマイクロ波(1㎚程度として観測される。
 光源の移動もなくどのような力が働く波長が伸びるのかが論じられていない。証明されない仮説であることが明らかである。
 空間自体を膨張させる物理現象はあり得ない
 熱力学で物理現象としての物質間の空間が空く膨張現象があるが、これは分子運動の結果の現象である。伝播する光が「空間の膨張」の一言で「光の波長が伸びる」と言う論評は短絡的である。
空間が膨張するから波長が伸びる」という物理現象は聞いたことがない。ビックバン理論、インフレーション理論の「宇宙の晴れ上がり」ではない。


宇宙背景放射の現象は別な要因であると推測する。
それは、これから、吾輩が主張する「光の減衰理論」で解説するが、減衰したエネルギーが分散・拡散された結果から、伝播された光が減衰された部分が投影された光の集積により、黒体放射としての宇宙背景放射(3k)である。エネルギー保存の法則が成り立つ。

ビックバン理論、インフレーション理論に異議を持つ者のその1人にフランスの天文学者ペケールによれば,宇宙背景放射は非常に等方的であるにも関わらず、ハッブルの法則が天体の種類や方向によってかなりのばらつきを示すのは3k放射が実際には全宇宙的な現象ではなくわれわれの周辺の空間だけに起こる特殊な局所的現象だからと述べ、ビックバン宇宙への疑念を表明している(とりわけ近年、もっとも遠い天体と見られるクエーサーにはハッブルの法則が当てはまらないことが分ってきている。
つまり、宇宙は138億年前に誕生した。そうすると、100億光年前のクエーサーは、宇宙の初期に出現したことになる。しかし、数十億光年以内にクエーサーが観測されないことから、クエーサーは宇宙の初期に限って存在したと判断できる。100億光年以上の距離でありながら、光が届くのは元々クエーサーが明るいからだ。銀河系1000個分の明るさを持っている。強い可視光を放っているだけでなく、強いX線や赤外線も放射している。

音波のドップラ効果以外の波長の変化要因

 音の音源の移動による「ドップラー効果」の以外に「波長に変化」をもたらす条件として 媒体温度によって波長が変わる。
温度15℃の空気を伝わる音速はおよそ340m/sである。
温度°Cのとき、音速vm/sv=331.5+0.6t となる。

 これを光に置き換えて考える。真空中の希薄な素粒子ガスの存在があるとする。素粒子(仮想粒子アクシオン)は存在が予言されながら未発見の素粒子で,わずかに質量をもつと考えられ,暗黒物質の候補となっている。アクシオンは強い磁場とレーザー光によりアクシオンと光子の結合を調べる非加速器素粒子実験によって精力的に探索が行われているが未発見である。 また,身の回りに希薄な密度で充満し,宇宙の暗黒物質を形成していると思われるアクシオンを,強力な磁場中でマイクロ波に変換してとらえる実験が,アメリカおよび京都大学でそれぞれ行われている。

光(電磁波)が光源の移動以外に波長に変化を起こす要因は何であろうか。光を波長でなく、光をエネルギー粒子すなわちE=ℎνと考えると
ν(振動数)の減衰で起こり得る。素粒子(アクシオン)と光粒子のコンプトン散乱でエネルギーの減衰が起こり得ると仮定するのである。

光粒子のエネルギー減衰の分析

アインシュタインの光電効果より次の式で分析する。

 E=ℎν  E=ℎ(ν₀-ν₁)   λ=c/ν(波長は分析には不使用)

ℎ=6.62607015×10⁻³⁴Js(プランク定数)

1光年=3.1536×10⁷ s

THz:テラヘルツ=10¹² Hz (光の振動数)

c=3×10⁸m/s (1秒間の光の速度)


我々は、目の中の網膜で光を検出して脳に伝えてる。

 高い振動数を直接振動として感じるわけではなく、振動数に応じた刺激を脳が学習して、振動数の違いを色の違いとして認識する。たとえば、赤という色は450兆回くらい、緑という色は550兆回くらい、青という色は700兆回くらいの振動をする。虹の七色と呼ばれている色を振動数の低い順に並べると、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫となる。
 光の振動数は、光粒子が物質に吸収されて感じる物理的な実体ですが、色というものは振動数の違いを脳が学習して作り上げたものです。Aさんの感じている緑と、Bさんが感じる緑は全然違う可能性もある。
極端な例が色弱の者もいる。

 振動数の単位はHz(ヘルツ)で表す。
1秒間に1回振動する場合を1 Hz、100回振動する場合を100 Hzと表す。
可視光はどれくらいの振動数かというと、驚くほど高い振動数です。1秒間に大体430兆~750兆回くらい振動する。
つまり、何百兆Hz(何百THz:テラヘルツ ×10¹² Hz  )という振動数である。
 可視光は次の範囲の電磁波の光である。
それぞれの銀河団の減衰エネルギー E=ℎ(ν₀-ν₁)を計算した。   


 紫色:700–790 (×10¹² Hz)・・・中間値 745×10¹² Hz ν₀
        

 藍色:667–700 (×10¹² Hz)・・・中間値 684×10¹² Hz ν₁ 

おとめ座銀河団  0.78億光年 ν₀-ν₁≒61×10¹² Hz  
 E=ℎ(ν₀-ν₁) 
E= 6.62607015×10⁻³⁴Js×61×10¹² Hz  
 ≒404.19027×10⁻²²Js/Hz

 青色:580–667 (×10¹² Hz)・・・中間値 624×10¹² Hz ν₂

おおくま座銀河団 10億光年 ν₀-ν₂≒121×10¹² Hz 
 E=ℎ(ν₀-ν₂) 
E= 6.62607015×10⁻³⁴Js×121×10¹² Hz  
 ≒801.75448×10⁻²²Js/Hz


            

 緑色:530–580 (×10¹² Hz)・・・中間値 555×10¹² Hz ν₃

かんむり座銀河団 14億光年 ν₀-ν₃≒190×10¹² Hz 
 E=ℎ(ν₀-ν₃) 
E= 6.62607015×10⁻³⁴Js×190×10¹² Hz  
 ≒1258.9533×10⁻²²Js/Hz


 黄色:510–530 (×10¹² Hz)・・・中間値 520×10¹² Hz ν₄

うしかい座銀河団 25億光年 ν₀-ν₄≒225×10¹² Hz 
 E=ℎ(ν₀-ν₄) 
E= 6.62607015×10⁻³⁴Js×225×10¹² Hz  
 ≒1490.8657×10⁻²²Js/Hz



 橙色:480–510 (×10¹² Hz)・・・中間値 495×10¹² Hz ν₅

うみへび座銀河団 40億光年 ν₀-ν₅≒250×10¹² Hz 
 E=ℎ(ν₀-ν₅) 
E= 6.62607015×10⁻³⁴Js×250×10¹² Hz  
 ≒1656.5175×10⁻²²Js/Hz


 赤色:405–480 (×10¹² Hz)

我々は光の本体をみることができないが、プリズムによる分光により波長による分類で色として識別する方法が可能となり、今回の赤方偏移の原因追及手段としている。しかし、光をエネルギーE=ℎνとして分析したのは本論文が初めてである。

真空中の希薄素粒子による光の減衰グラフと減衰理論の根拠



 宇宙は大きな実験室である。
ここでの実験結果、「光が波長が伸びて赤方偏移するのは、光のドップラ効果であり、ビックバン理論(宇宙膨張説)の根拠とするものである。」と定説として論じられているが、組み立てられた宇宙理論の結果信じがたい論説と確信する。単純な「減衰理論」で、夢みたいな理論が終焉を迎えることを期待したい。

減衰とは振動の振幅やエネルギーを減少させる作用であり、 光の赤方偏移、青方偏移は運動する光源以外に光のエネルギの減衰に原因があると仮定。
真空中を伝播する光のエネルギーはE=ℎνで表される。
このエネルギーの減衰をグラフにしたのが次の図である。
それそれの銀河団までの距離(億光年)を横(右)
E=ℎνの振動数差 をE=ℎ{ν₀-ν(₁,₂,₃,₄,₅)縦(下方)

光の減衰グラフ  E=ℎ{ν₀-ν(₁,₂,₃,₄,₅)}

光の真空中の減衰グラフ(銀河団)

グラフからも分かる通り、減衰と距離は比例関係が読み取れる。

光の減衰の想定要因について

⑴、粘性減衰(比例粘性減衰)

(例)空気や水など流体中を振動する物体に、それらの流体が抵抗となって生じる減衰。

 
 真空中の因子ℊを仮定したとき、真空中の素粒子ℊがその原因かもしれない。通常、物質を通過するなら、光粒子は吸収され消滅する。物質ではない素粒子(仮想粒子アクシオン)も要因かもしれない。

⑵、真空の電場・磁場からの影響

電場、磁場の相互作用で電磁波(光)が伝播するが、それが真空を伝播する過程で、粘性減衰作用として働くのではないのか。真空には何もないのではなく、真空から陽電子、負電子が対発生と対消滅の現象がおこる。
つまり、真空から反物質(陽電子、反粒子)が生まれる。
 それは、真空のある一点に大きなエネルギー(ガンマー線を衝突させる)と、電子と陽電子のペアが対生成され、またガンマー線となって対消滅する。量子論的な真空は電子と陽電子の生成・消滅の間を揺らいでいる状態である。このような可能性もあり得るのである。

⑶、コンプトン散乱等の影響

 宇宙背景放射の空間を通り、粘性減衰作用を起こしていることも否めない。コンプトン散乱も要因の一つである。
ほとんど静止した電子に光子が衝突する普通のコンプトン散乱では、電子はエネルギーを失って波長の長いエネルギーの光子になる。
逆のケースではスニアエフ=ゼルドビッチ効果がある。3k宇宙背景放射の光子は銀河団の中の高温ガスの電子によって逆コンプトン散乱を受け、長波長領域の光子がエネルギーをもらって短波長領域に移る現象もある。

花盛りのSF化した宇宙論を支持るか否かはあなた次第である。


To be continued .  See  you  later !





参考資料・参考文献

未知の素粒子「アクシオン」か、予想より多い電子反跳を検出 - アストロアーツ (astroarts.co.jp) 

やさしい物理講座v35「光の真空中の減衰作用は暗黒物資の素粒子『アクシオン』かも知れない」|tsukasa_tamura|note

やさしい法律講座ⅴ28 副題 著作権|tsukasa_tamura|note

やさしい法律講座ⅴ34 副題 商標|tsukasa_tamura|note

矢沢サイエンスオフィス編集 『最新宇宙論」学研 1989.6.1

多元宇宙論 - Wikipedia

多重宇宙と人間原理 (u-tokyo.ac.jp)

我々と別の宇宙は本当にある 物理学の最新理論: 日本経済新聞 (nikkei.com)

宇宙のインフレーション - Wikipedia

宇宙ひも - Wikipedia

“負の圧力”で膨張した「液体金属」を直接観察 -航空宇宙分野の新材料開発やレーザー加工の高度化へ-(プレスリリース) — SPring-8 Web Site (spring8.or.jp)

伊達宗之著『新しい物性物理ー物質の起源からナノ:極限物性まで』講談社2005.6.20 1刷発行
 p20 エネルギが低いときは主として波動的に見え、エネルギーが高いと粒子的に見えやすい。ガンマー線は常に粒子的に見え、これを波として捉える観測機はまだない。


広瀬立成著『ヒッグス粒子』ナツメ社 2012.8.30 初版発行
 p134~135 光子の質量はなぜゼロか


鈴木浩平著『振動する世界』ナツメ社 2009.2.3 初版発行 
p79 粘性減衰、摩擦減衰、履歴減衰


G・フレーザー著 佐藤勝彦監訳 沢田哲生訳 『反物質』シュプリンガー・フェアラーク 2003.1.14初版2刷


小向正司 編集人『最新 宇宙論』学研 1989.6.1 第4刷発行
p174~178 「ハッブルの法則」は破綻する?

矢沢 潔 構成『最新アインシュタイン論』学研 1989.12.1発行


水谷 仁 編集人 『天文学11の革命』ニュートンプレス2007.6.7発行

竹内均 編集人『銀河大紀行』ニュートンプレス 2003.5.1発行

渡部潤一監修『宇宙のしくみ』新星出版 2005.12.5初版発行

『最新 天体論 全域スペクトルがとらえた変貌する宇宙』 学研 1989.4.1
p42.赤方偏移の原因論争

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