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政治講座ⅴ1883「中国産バッテリーでベンツEV全焼火災」

あな恐ろしき中国産EV!車火災において、リチウムバッテリーの怖さを今回は紹介する。

     皇紀2684年8月8日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

韓国のベンツEV全焼火災、バッテリーは「中国産」…品質問題が再燃

AFPBB News によるストーリー

火災現場を調べる仁川消防本部(c)news1

【KOREA WAVE】韓国・仁川のあるマンションの地下駐車場で発生した電気自動車火災により、韓国で「中国産バッテリー」に対する恐怖感が広がっている。

火災車両には、中国メーカーのニッケル・コバルト・マンガンバッテリー製品が搭載されていた。

中国はLFP(リン酸鉄リチウムイオン)とは異なり、三元系(NCM・NCA)バッテリーの経験が浅く、バッテリーの品質に対する疑問がもたれてきた。

国土交通省と業界によると、1日に仁川のマンション地下1階の駐車場で全焼したベンツ中型セダン「EQE」には、中国の中堅車載電池メーカー、孚能科技(ファラシス・エナジー)のバッテリーが搭載されていたことが確認された。

このバッテリーはNCM三元系タイプで、正確なモデル名は不明だ。

韓国の調査会社SNEリサーチによると、今年1~5月の孚能科技のグローバルバッテリー出荷量は2.6GWhで、前年同期より138.5%増え、シェア2.4%で世界8位を記録している。

韓国バッテリー業界は「火災事故の正確な原因を究明することが優先」とし、EVバッテリー全般に対する不安感の拡散を警戒している。

ただ一部には、長く続いてきた中国バッテリーの安全性に対する懸念が、今回の事故を契機に再浮上したとの見方もある。実際、2021年3月に中国・北京汽車集団は孚能科技のバッテリーに火災発生の可能性があるとし、EV約3万台のリコールを実施した。

今回の事故車両に搭載されたバッテリーが中国の主力製品ではなく、NCMバッテリーという点も業界が注目している。グローバルEVバッテリー市場は、大きく▽低価格のLFPバッテリー▽高価の三元系(NCM・NCA)バッテリー――に分けられる。これまで中国は前者を中心に、韓国のバッテリー3社(LGエネルギーソリューション・サムスンSDI・SKオン)は後者を集中的に、それぞれ開発してきたためだ。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News

マンションでの電気自動車火災、住民対立へと飛び火か…地下への駐車禁止で争い=韓国

14 時間 • 読み終わるまで 2 分

 今年初め、安養(アニャン)のあるマンションに、電気自動車(EV)の地下駐車場への進入を禁止するという横断幕が掲げられた。電気自動車には火災の危険性があるため信頼できないとして入居者が投票をおこなった結果、約62%がこの措置に賛成するという結果が出たのだ。これを受け、同マンションは電気自動車の9カ所の充電施設をすべて地上に移設した。同マンションの管理事務所の関係者は6日、ハンギョレの電話取材に対し、「電気自動車が火災に弱いという世論が強く、地下駐車場への進入を禁止すべきだという苦情も多かった」とし、「地下に共用配管、水道施設などがすべてあるため、火災が起きれば問題が大きくなる恐れがある」と述べた。


6日午後、ソウル麻浦区の阿ヒョン駅そばの建物の駐車タワー入口に、電気自動車入庫不可の案内が貼り出されている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 電気自動車の地下駐車に対する反対世論は、1日に仁川市青羅(インチョンシ・チョンナ)で発生した電気自動車火災でさらに広がりつつある。最近、ソウル汝矣島(ヨイド)のある飲食店の建物は、駐車タワーへの電気自動車の入庫を禁止した。駐車場の管理人は、「電気自動車は火災の危険性があるため入庫を禁止した。実際に、電気自動車の駐車を断った際に、お客さんとの口論が大きくなることもある」と述べた。ソウル新村(シンチョン)のあるオフィステルも、駐車タワーの壁に「電気自動車は駐車タワーに入庫せず地上に駐車してください」という案内を貼っている。

 電気自動車の地下駐車場への進入は認めているものの、充電施設の利用を禁止しているマンション団地もある。南楊州(ナミャンジュ)のあるマンションは1日から、火災の危険性などを理由として地下に設置されている電気自動車充電施設の利用を禁止した。このマンション団地には地下に14の充電施設が設置されている。釜山(プサン)のあるマンションでも、昨年4月に電気自動車の充電中に火災が発生してから現在に至るまで、充電器への電気供給を遮断している。同マンション団地に住む電気自動車所有者のAさんは、「充電器の問題ではなく、火災車両のバッテリーが不良だったという調査結果が出たのに、いまだに充電できないようにしているのは不当だ」と述べた。

 このような措置が広がっていることで、住民同士の対立も強まっている。インターネットコミュニティーでは、仁川青羅の電気自動車火災の後、あるマンションで電気自動車の地下駐車について入居者が討論していたところ、電気自動車所有者と他の入居者が口論となる事件が発生したという投稿も見られる。

 スプリンクラーが作動しなかったことの方が大きな問題だという指摘もある。仁川消防本部は、青羅の電気自動車火災について内部調査をおこなったところ、スプリンクラーが作動していなかったと発表している。消防は、スプリンクラーが作動しなかった理由などを確認している。西部警察署も、火災時にスプリンクラーが作動しなかったとの証言を確保し、これについて調査中だ。

 この火災事故を目撃した一般の電気自動車ドライバーのBさんは、「スプリンクラーが正常に作動していたら火災が急速に広がることはなかっただろう、と私も思う」とし、「電気自動車にすべての問題を押し付けようとするのは誤り」だと述べた。
イ・スンウク、キム・ヨンドン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

電気自動車は火災事故が多いのは本当か?日本と海外の事例を調査

公開日:2024/06/22更新日:2024/06/22

電気自動車の話題になると、賛成、反対、様子見とさまざまな立場からの意見が出ますが、中でも激しい議論になりがちなのが「電気自動車は火災事故が多い!危険だ!」というお話。まだよくわからない未知の乗り物だけに、火災についても決め手となる意見はなかなか出ません。実際に日本や海外での事例はどうなのでしょうか?

中国メーカーの電気自動車で火災事故が多発?


SNSでは海外からのニュース配信を引用し、自らの意見も添えて発信する人が数多いのですが、自動車に関しては中国製の電気自動車で火災事故が起きた時など話題にしたがる人が多いようです。

中国メーカーの電気自動車で火災事故が増加

まず、中国メーカーの電気自動車で火災事故の「件数」が増加しているのは本当かどうか…と言えば、参考になるデータがひとつあります。

中国でさまざまな安全対策などに関わる「応急管理部」の消防救援局によれば、2022年第1四半期には電気自動車の火災事故が640件、1日平均では約7件発生しており、前年同期と比較して約32%増加したと発表されています。

ただしこれはあくまで「中国国内における発生件数」の話ですし、急激に増加する一方の電気自動車で事故が増えるのは当たり前、割合としてはどうなのか、中国メーカーと他のメーカーではどうなのかといったデータまではないことに、注意が必要です。

中国メーカーの電気自動車で実際に発生した火災事故例

わりと最近の事例で中国メーカーの電気自動車に起きた火災事故を検索すると、2024年4月26日に中国の山西省運城市で、スマートフォンなどでも著名なファーウェイ系の「問界(AITO)」ブランドが販売している電気自動車のSUV、M7が火災事故を起こしています。

ただしこれは高速道路で道路清掃車に追突、炎上事故を起こしたものであり、「何もしていないのに、バッテリーが勝手に出火して燃えた」という類の事故ではなく、エンジン車でも同様に火災事故を起こす可能性はあったでしょう。

それ以外では、日本でも積極的に展開している「BYD」の電気自動車が、中国国内などでディーラーなどに置いてあった、あるいは輸送中に発火した例もあり、さすがにこれはエンジン車ではなかなかありえない、電気自動車ならではの現象と言えます。

電気自動車は火災事故が多いのは本当?


自然発火も含めた火災事故が増加しているならば、やはり電気自動車は火災事故が多い危険な乗り物なのか、エンジン車などとの比較、国内外での事例の比較などから考えてみます。

電気自動車の火災事故はエンジン車より圧倒的に少ない

まずよく話題となる中国国内での電気自動車火災事故ですが、ある統計では10万台中20台とされる一方、アメリカの統計だとハイブリッド車は3,475台、ガソリン車は1,530台としており、電気自動車の火災発生率ははるかに低い、としています。

あくまでそれは中国国内で起きた火災事故を参考にしたもので、国によってはより安全性の高い車しか公道を走ることを認められないため、ガソリン車やハイブリッド車の火災発生件数が少ないこともあるでしょう。

ただ、「電気自動車が、それ以外の自動車より火災事故を多く起こしている」という、有意な統計が今のところ見つかっていないのだけは、確かです。

日本における電気自動車の火災事故はほぼない

日本国内で電気自動車の火災発生事例はどうでしょうか?

Google検索の「ニュース」で特に期間などを設けず検索してみた限りでは、以下の事例がありました。

2013年3月
三菱自動車水島製作所で生産中だったアウトランダーPHEV用バッテリーパックから出火。検査工程で不適切な振動や落下によるショート。生産済みだったアウトランダーPHEV4,000台の電池をリコールで交換。

2021年8月
佐賀県武雄市の住宅敷地内で電気自動車から出火。
大雨によりハンドル付近まで水に浸かった水没車で、漏電やショートの可能性はあるが続報は確認できず。

2022年12月
関西電力技術研究所で電気自動車のマイクロバスが出火。リチウムイオン電池の充放電実験中に充電器から出火した模様。

2023年7月
千葉県千葉市花見川区の「アウディ幕張」屋外駐車場でe-tronが出火。不明(出火原因に言及した報道やサイトが確認できず)。

意外と情報が少ないものですが、少なくとも日本国内で電気自動車の出火が多発している、という事例は確認できません。

なお、消防庁の統計では自動車の出火事故の原因として、電気自動車には存在しない「排気管」がもっとも多いようです。

アメリカでも電気自動車の火災事故はエンジン車より圧倒的に少ない

自動車大国のひとつであり消費者の意識が強く、権利や訴訟も多いアメリカは統計もしっかりしていそうですが、自動車保険の比較サイト「AutoinsuranceEZ.com」が公的なデータから集計したところ、以下の結果が得られています。

まだ数が少なく、慎重に使われている電気自動車の出火件数がたまたま少なかったと考えても、ガソリンという可燃物を積んでエンジンや排気管から高温を発するガソリン車、さらにモーターやバッテリーを積んでシステムが複雑なHEVの方が発生率ははるかに多いです。

電気自動車の火災事故が危惧される理由

イメージとしてはともかく、実際の火災事故発生件数は意外にも少ない電気自動車ですが、なぜ「火災を起こして危険」と危惧されるのか、そこには昔ながらのガソリン車とは異なり、それでいてHEVやPHEVと共通する理由があります。

電気自動車に搭載されているリチウムイオン電池について

電気自動車のほとんどで走行用バッテリーに採用されているのは、2024年5月現在ではほとんどがリチウムイオン電池です。

1990年代までは鉛バッテリーを搭載することが多く、現在もトヨタ車体のミニカー、「コムス」などはまだ鉛バッテリーで、その次の世代として採用されたニッケル水素バッテリーも、2020年代に入ってなおHEVに使われています。

しかし、2000年頃から電気自動車やHEVに使われ始めたリチウムイオンバッテリーは、コンパクトで大出力という利点を活かして2010年代からMHEV、HEV、PHEV、BEVといった各種の電気自動車で採用が相次ぎ、今や走行用バッテリーの代表格となりました。

2028年頃から「全固体電池」と呼ばれる次世代バッテリーが本格的に大量生産されるようになり、2030年代にはリチウムイオンに取って代わると見られていますが、まだまだ先の話です。

リチウムイオン電池の発火リスク

リチウムイオン電池自体は電気自動車以外にもスマホや家電をはじめ、さまざまな製品に使われており、特に小型の製品では廃棄時の衝撃による破損などでショートし発熱、発火する「熱暴走」のリスクが知られています。

それは電気自動車でも同じで、製造時の工程に何らかの不備があったり、事故による衝撃でバッテリーパックや配線、制御装置などが破損するなど、何らかの原因でショートした場合は猛烈な熱とともに発火するのは変わりません。

ただし電気自動車だけではなくPHEVやHEV、さらにMHEVでもなくただのエンジン車でも、スズキの「エネチャージ」などガソリン車でも、燃費を向上するべく回生エネルギーで車内電装品用のリチウムイオン電池に充電するような車種だと、発火リスクは同じです。

リチウムイオン電池は一度燃え始めると消火しづらい

ただしリチウムイオン電池で厄介なのは発火リスクというより、「一度発火してしまうと消火しにくい」のが大問題です。
何しろ熱暴走による過熱、過圧のサイクルが発生すると自己発熱がなかなか止まらず、仮に酸素を遮断して火が消えても、電極の活物質が熱分解することによって酸素を放出して再出火しますから、なかなか「鎮火」には至りません。

そのため長時間にわたって大量の放水を続ける必要があるものの、電気自動車のバッテリーは床下配置がほとんどで放水が届きにくく、可能ならば大きな水槽に車ごと沈めて24時間ほど再出火を防ぐ措置が最適なくらいです。このように一度出火すると大掛かりな消火および再出火防止の作業が長時間にわたって必要なため、大きなニュースになっています。

実際に電気自動車の火災事故が発生した場合の対処方法


発生してしまうと恐ろしいリチウムイオン電池の火災事故ですから、何も電気自動車に限った話ではなく搭載車全般の話ですが、火災が発生してしまった場合の対処方法は、以下のようになります。

  • 猛烈な勢いで燃え広がるため、ただちに下車して可能な限り車から離れる。

  • 消防への119番通報で、リチウムイオン電池搭載車であること、特に大容量の電池を積むBEV(電気自動車、ピュアEV)であるなら、それを必ず伝える

  • 周囲への延焼など重大な事故に発展する可能性が高いため、他にも車に関する情報や火災を起こした位置、状況は可能な限り伝える。

火災原因がリチウムイオン電池の熱暴走だった場合は容易に収まらず、BEV以外でもエンジン搭載車なら燃料への引火爆発も併発しますし、まずは身の安全、次に周囲への被害を最小限にするべく正確な通報が大事です。

電気自動車の火災事故件数や発生確率についておさらい

まだまだ普及途上で件数は少なく、発生率もイメージとは裏腹に意外と低い電気自動車の火災事故ですが、それでも電気自動車のイメージに大きな影響を与えているのは発生時に猛烈な勢いで消火に長時間を要するかなり派手な炎上事故となるからです。

いくら実際の火災発生率は低いといっても、リチウムイオン電池を積まない昔ながらのガソリン車に比べれば急激かつ被害も甚大になるため、そのリスクや発生時の対処法はしっかりと理解しておきましょう。

相次ぐEV火災の「消えない火」 バッテリー冷やせず再燃する

岩野 恵

日経クロステック/日経ものづくり
2021.09.22
 電気自動車(EV)の火災事故が世界各地で相次いでいる。衝突事故に伴う炎上など原因はさまざまだが、共通するのが事故処理の難しさ。一度鎮火してもバッテリーの発熱によって再燃してしまうのだ。全米防火協会(NFPA)や米国家運輸安全委員会(NTSB)の調査結果から実態に迫る。

 2021年4月17日夜、米国テキサス州ヒューストン北部で米Tesla(テスラ)のEV「モデルS」が木に衝突して炎上し、2人が死亡した(図1)*1。
21年8月14日にはドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)のEV「ID.3」がオランダで充電後に発火*2。米GMの「Bolt EV」も充電中に電池から発火した事例が複数あり、GMは3回にわたってリコール(回収・無償修理)を発表した*3。

*1 地元警察の発表では、事故時の運転席が無人だったことから、事故直後はテスラの運転支援システム「オートパイロット」との関連が注目を集めた。ただし、米国家運輸安全委員会(NTSB)は21年5月10日、事故現場で状況を再現した結果、左右の走行方向を制御する「自動操舵(そうだ)機能(Autosteer)」は作動不可能だったとする初期調査結果を公表した。オートパイロットを使うには自動操舵機能と、前方車との距離を制御する「交通量感知型クルーズコントロール機能(Traffic Aware Cruise Control)」の両方を作動させる必要がある。

*2 ID.3の電池は韓国LG Energy Solution(LGエナジーソリューション)製とみられる。

*3 Bolt EVの全モデル、合計約14万台がリコール対象となっている。電池はLGエナジーソリューション製。

図1 21年4月17日にテキサス州で事故を起こしたテスラのEV

木への衝突で、EVの前方に搭載したバッテリーパックが損傷し、火災が発生した。(出所:NTSB)

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 これらの事故で明らかになったのが、EVの車両火災の危険性の高さ、特に消火の難しさだ。NFPAとNTSBの資料を基に、EV火災事故の詳細について解説する1~4)。

消したはずの火が何度も復活

 冒頭で紹介したテスラ車の火災事故の消火活動は、いつもと勝手が違ったという。テスラの消火に使った水の量は一般的な車両火災とは比べものにならないほど多く、具体的には約2万8000ガロン(10万5991L)もの水が必要だったのだ。山火事を消すのに使う世界最大級の消防用航空機で運べる水が約2万ガロン(7万5708L)なので、その量の多さを推し量れる。

 消火に当たった消防署の署長は現地メディアのインタビューに対して「我々が経験したことのない事故現場だった」と語った。火を消すまでに要した時間は約4時間。「通常の車両火災は消防隊が到着すると、数分で鎮火できるものだ」(同)と事故の特殊性を指摘する。

 事故の経過を詳しくみると、車両はずっと火だるま状態だったわけではない。実は、消防隊員は現場に到着した数分後の21時39分に一度鎮火した(表)
しかしその後、一度消したはずの火が復活(再燃)し、22時には再燃したバッテリーパックに水をかけて冷却を始めなければならなかった。

表 21年4月17日、米国テキサス州で起きたテスラのEVによる事故の経過

(出所:米国テキサス州ウッドランズ消防署の情報を基に日経クロステックが作成)


 これはリチウムイオン2次電池を積むEVならではの現象と考えられる。事故の衝撃などでリチウムイオン2次電池の正極と負極が短絡(ショート)すると、大きな電流が流れて発熱し、その熱がさらなる発熱を引き起こす「熱暴走」と呼ばれる現象が起きて電池が発火する。

 現在、事故で損傷したリチウムイオン2次電池から素早く確実にエネルギーを抜く方法はない。そのため、消火しても、電池内に残ったエネルギーにより再び発熱し、再燃に至る。鎮火した数日後に再び火が出るケースもあるという。

 再燃を防ぐには、電池を冷やすしかない。しかし多くのEVでは、容器に格納された状態の電池を車両の床下に配置しているため、直接水を当てて冷却するのが難しい。事故を起こしたテスラのモデルSの場合、444個のリチウムイオン2次電池(電池セル)を1つの容器にまとめたバッテリーモジュールが16個、座席の下に並ぶ(図2)。


図2 テスラのモデルSのバッテリーの構造

座席の下に設置されているバッテリーパックは、16個のバッテリーモジュールで構成される。各モジュールには単3電池より少し大きなサイズの「18650」と呼ばれる円筒形のリチウムイオン2次電池(電池セル)を444個搭載する。つまり、バッテリーパックは合計7104個の電池セルの集合体だ。(出所:NTSB)

 今回の事故では、消火栓から引いた水を車両の上にかけ続けたものの、再燃を止められなかった。冷却を始めておよそ2時間後の翌18日の0時15分、黒焦げになったテスラ車の残骸をクレーンでつり上げることが可能になり、車両底面にあるバッテリーパックに直接水をかけた。その結果、完全に火が消えたという。

参考文献・参考資料

韓国のベンツEV全焼火災、バッテリーは「中国産」…品質問題が再燃 (msn.com)

電気自動車は火災事故が多いのは本当か?日本と海外の事例を調査 | あなたを「あたりまえ」の未来へ | 電気自動車(EV)のCARSMORA

相次ぐEV火災の「消えない火」 バッテリー冷やせず再燃する | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)

https://news.goo.ne.jp/article/recordchina/business/recordchina-RC_933748.html

マンションでの電気自動車火災、住民対立へと飛び火か…地下への駐車禁止で争い=韓国 (msn.com)

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