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やさしい物理講座ⅴ77「透過物質中の光の屈折」

 量子力学の素粒子的に表現するなら重力子(グラビトン)と光子(フォトン)は親和性がなく力の統一性もなく別物である。分かりやすく説明するとグラビトンとは重力場を電磁場と同様に量子力学的に扱う時,電磁場の場合の光子に対応して考えられる粒子。実験ではその存在が確認されていない。重力子と言われる研究中の素粒子である。方やフォトンは光の粒子と電磁波の二面性を持つ。エネルギー持った電子遷移することによりエネルギーが変化する。
電子が基底状態から励起状態へ飛び移る際に光を 吸収
します。逆に励起状態から基底状態に戻ると きに発光します。

屈折率がなぜ起こるかというと、電磁波により、物質中の電子が揺り動かされ、揺り動かされた電子が、新しい電子波を輻射し、元の電磁波と新しい電磁波の合成によって、あたかも位相速度が遅れたり、境界で屈折したりするように、見えるためです。溶液の濃度が高くなると、揺り動かされる電子の数が変わるので、屈折率に影響を与える
 このような前提知識の上、報道記事の「『重力があると光が曲がる』のはなぜ?…『質量がない光』さえ重力で曲げられてしまうメカニズム」の主張に反論する。

     皇紀2684年6月9日
     さいたま市桜区
     理論物理研究者 田村 司

反論1、宇宙空間ガス層が重力により屈折を起こす

 宇宙は純然たる真空状態なのか。否である。今、宇宙空間で起きる物理現象で説明できない仮想物質をブラックマターと称して解明に注力している。
 はっきり解明できているのは、宇宙空間に銀河を取り巻く宇宙空間ガスの存在が確認されているぐらいである。
 その星の重力に引き寄せられてその宇宙空間ガスが層を成して存在する。当然、そのガス層は星との距離によってガス濃度に相違が起きている。物性物理からも分かる通り、濃度によって屈折率が若干変化を起こすことは、当然、想像つくことである。下の図は空気とガラスを想定した屈折率の初歩段階の図であるが、これを、微分・積分のように薄い濃度の違う物質の層が出来ているものと想定すると、宇宙空間ガスは星の重力の影響で星を取り巻く濃度の違うガス層が出来ており、そのガス層を通るときに光の屈折を起こしていることは想像に難くない。

屈折の例

宇宙空間で当然、光の屈折が起きている。同じく、記事の図も
光が重力により曲げられるのではなく、太陽の重力に引きよれられた宇宙空間物質(水素・窒素など)が周りに層を成しておりその層の濃淡が屈折率の差違を引き起こし、下の図のように光は屈折すると考えられる。重力は(質量と定義する)物質に作用するのであり、質量0の光はその質量ある物質とは言えないのである。光は電磁波で伝播するときは、電場と磁場が交互に作用しながら伝わる。真空中の光の速度は「c」と定義されているが、これを重力で加速して「c+v」となるかというと加速できない。重力が作用するのは質量がある物質であり、光には重力が作用しないのは質量がないからである。光は素粒子「光子」と言われるが、電場と磁場が織りなす「場」のエネルギーが作りだしたものであり、重力「場」とこの「光子」が作り出す電磁「場」は親和性がない。このように別物なので、まだ力の統一理論が完成していない。
つまり、報道記事の下の図は、太陽を取り巻く宇宙空間物質を重力が作り出した層による光の屈折が作用したと考えるのが妥当である。

宇宙間ガス層による屈折が原因

反論2,「重力レンズ」は、光の日食現象

同様に、宇宙間物質のガス層が作り出す光の屈折現象がある。その現象を「重力レンズ」と命名されて、重力が光を曲げた現象の証拠と相対性論者には騒がれている。
しかし、これの光「重力レンズ」と騒がれている天体ショーは日食と宇宙空間のガス層が作り出した光の日食現象であろう。下の図は日食を切り取った図である。決して重力に曲げられた光ではないことが想像に難くない。広い宇宙ではこのような宇宙空間ガスがただよっており、それによる現象の一環であり、重力により光が曲げられるのではない。このように光の屈折は透過性のある物質中の電子が揺り動かされ、揺り動かされた電子が、新しい電子波を輻射し、元の電磁波と新しい電磁波の合成によって、あたかも位相速度が遅れたり、境界で屈折したりするように、見えるためです。溶液の濃度が高くなると、揺り動かされる電子の数が変わるので、屈折率に影響を与える。

日食が作り出した現象であり「重力レンズ」ではない。

反論3,矛盾する現象を正当化するために「時空」の概念を出しているが無意味である。

 その理論の錯誤の極めつけは、次の図である。
前述したように媒体中の光は下図の左の図が正しい。右の図のように重力の影響ではこのような軌道を取らない。

大気中の光の屈折(図左)の解説
空気の無数の層を媒質1,2,・・nと考えるとそこではづの通りの屈折が起こると考えられる。
問題ある現象は図右である。起こり得ない。矛盾する図である。

濃度の違う媒質中の光の屈折

記事によると「重力による屈折は空間ではなく、時間と空間をまとめて考えた時空中で起きている。」とある。
この様な意味不明な内容は以前掲載したブログの運動する物体の時間の遅れの錯誤に掲載した。

反論4,光速度c=一定と定義されている。そしてアインシュタインも光速度c=一定と要請している。光に加速vの光速度は(c+v)にはならない。

質量のある物質に力fが働くと慣性力fが永遠に止める力ーfが働くまで続く。これが質量のあるものにはたらく慣性力である。慣性力が働いているか否かは自身の空間では分からない。このとき別な空間から相対的に見た時に判別できるというのが特殊相対性理論であり、その慣性力の働いた空間を慣性系という、そして、慣性系での物理現象は他の慣性系と相対的に同じ物理現象が起きる。

反論5、「重力=質量×重力加速度」から導き出される結論

「0=0×g」の計算式をご存じであろうか。これを文章化すると質量0の素粒子には重力加速度gが働かないと説明できるのである。つまり重力の影響を受けない光(電磁波)には慣性力が働かない。光速度は(c+v)のような慣性力が光には働かない。慣性力が働かない結果は光の軌道を曲げることはない。くどいようであるが、光は伝播する波(電磁波)であるが、その電磁波には慣性力が働かないことが分ったと思う。

反論6、光の二面性の素粒子(光子)の性質と波(電磁波)であることはよく知られているがアインシュタインは粒子が伝播する(流れ)と解釈したところから理論の錯誤を起こしている。

参考文献と引用部分の抜粋
・原康夫著 『量子力学』 岩波書店 1994.6.6 第一刷発行 p3(光の二重性)、
p4文章抜粋「このように光は波動性と粒子性の両方の性質を示す。とりあえず光の二重性を『光は空間を波として伝わり、物質によって放出・吸収されたとき粒子として振舞う。』
p5文章抜粋『1905年にアインシュタインは振動数νの光(一般に電磁波)はエネルギーE=hνを持つ粒子(光子)流れだと光電効果を説明した。』

反論7,アインシュタインの思考実験「光時計」についての解説

「光時計」の前提は光を「粒子」として捉えてその「粒子」の運動(伝播)により「時間」刻むものとして、思考実験をしている。しかし、これが間違いのもとである。
反論6の通り、「光は空間を波(電磁波)として伝わり物質によって放出・吸収されるときは粒子として振る舞う」つまり波(電磁波)として伝わるので下の図のように移動する思考実験は間違いなのである。粒ではなく波として伝播するのである。もう一つ、素粒子「光子」は質量0であり、慣性力が働かないことに留意が必要である。


       アインシュタインの思考実験
       1、 「光時計」は右にV1の速度で移動する
          と想定・・・B
       2、 「光時計」の上まで「光粒子」が移動
           するものと想定
          (静止しているときの条件)・・・A 
       3、 光粒子は軌跡上を、「ⅽ」の速度移動
           する・・・C  
     
          ピタゴラスの定理  A²+B²=C² 
         光速度不変の原理
を当てはめると 
         時間の遅れ(time dilation) が生じる
         と主張


運動する電車内でボールを真上に上げた運動は電車内での運動(慣性系1)は上下運動をするが、線路を走る電車の中のボールを見ると放物線を描くこと(慣性系2)が良く知られている。
慣性力を体感する経験としては、バスに乗っているときに急ブレーキでバスが止まると乗っている自分は後ろから押されたような力を感じる。

さて、アインシュタインの思考実験の問題は点は?

⑴、「光粒子」には前述のような、慣性力が働くか否か?
⑵、「光時計」のように「光粒子」は動くのか?
この解答は、光粒子には質量がないから慣性力が働かない。「光粒子」は「光時計」のような運動(慣性力)の影響を受けない。
近年の量子力学や素粒子論、光エネルギー学に従う
光は粒子として伝播しない。光は伝播するときは電磁波として伝播する。」と結論付けられている。
そして、思考実験のような実験は成り立たないので、それにより導き出された「時間の遅れ(time dilation)」としての理論は成立しないローレンツ収縮などということは起こらない。

光の二重性に関しては、「光は空間を波として伝わり(電磁波)物質によって放出・吸収されるときは粒子として振る舞う」(原康夫p4)事はよく知られている。

反論8,ブラックホールによる空間が曲がることも光が曲げられることはない。

光がブラックホールを構成する物質に光が当たりエネルギーの吸収が起こり得る可能性は否定できないが、空間が曲げられて光が吸い込まれていくのは、重力により光が曲げられるとは違う要素(物質にエネルギーが吸収されるような力)が働くと考えられる。これについては後日にして論評を控える。

報道記事掲載

「重力があると光が曲がる」のはなぜ?…「質量がない光」さえ重力で曲げられてしまうメカニズム

2024.06.06 田口 善弘 

中央大学理工学部教授
本記事では〈
我々が住んでいる宇宙空間はじつは「平ら」ではなく「曲がっている」…!「空間を歪めている」存在とは何なのか?〉に引き続き、曲がるメカニズムについてくわしくみていきます。

曲がるメカニズムはよく似ている

蜃気楼や逃げ水のように空気中で光が曲がることと、重力で光が曲がることは違うように思えるかもしれないが、実はよく似ていている。

下の図は大気中の屈折率の差で光が曲がる場合重力で曲がる場合の比較である。どちらも赤い線は光が直進する場合を示し、青い線は屈折が起きる場合を示している(左の図の赤線は大気中の屈折率が場所によらず一定なので屈折が起きない場合に相当し、右の図の赤線は重力が存在しないので直進する場合に相当する)。


大きな違いは、左の図は縦軸も横軸も空間なのに、右の図では縦軸が空間で、横軸は時間だということである。つまり大気中の光の屈折は空間で起きているが、重力による屈折は空間ではなく、時間と空間をまとめて考えた時空中で起きている。

大気中の光の屈折の図では、地表からの距離が遠くなる(高くなる)ほど屈折率が小さく(光の速度は速く)なっている。一方、重力による光の屈折の図では地表からの距離が遠くなる(高くなる)ほど位置エネルギーが大きくなり光速は速くなっている。

前者の場合、光が曲がる理由は単純で、2点間を最短時間で移動する場合にはまっすぐ移動するより、遠回りしても上空の速度の速いところを通ったほうが短い時間で移動できるからである。

これはこんな状況を考えるとわかりやすい。下の図のA地点からB地点に行きたいとする。しかし、左半分は泥濘(ぬかるみ)で歩くのが大変。右半分は乾いた地面。さて、あなたはどんな経路でA地点からB地点まで行きたいだろうか?



A地点からB地点を結ぶ直線? いやいや、きっと泥濘を移動する距離は最低限にしてA→C→Bと移動したいと思うだろうし、実際、このほうがきっとはやくB地点にたどり着ける。あなたが泥濘を避けたいのと同じように光も速度が遅いところは避けて最短距離を進む。その結果、光は「屈折する」ことになる。

重力による光の屈折が起きるのも同じような理由だが、そこで最短時間で移動するのではなく、時空間内での移動距離が最短になるように移動する。最短なら直線がもっとも短いのではないかと思うかもしれないが、高いところ(=位置エネルギーが大きいところ)を移動したほうが「距離」が短くなることが知られており、これが「時空が曲がっている」と言われるゆえんとなっている。

実際、重力による光の屈折は別名「重力レンズ」と呼ばれており、地表(=星)から距離が遠いほど屈折率は小さい(=光速は速い)ことが知られている。

実は、「重力があると光が曲がる」という現象を説明する方法には、2つのアプローチがある。ひとつは、アインシュタインの一般相対性理論を用いたもの、もうひとつは高校で習ったニュートン力学の範囲を超えないように説明する方法だ。

高校で習う物理学では、質量がゼロなら重力はゼロになる。どうやって光が「曲がる」ことを説明するのかと思うかもしれないが、ニュートン力学でこれを説明することは可能だ。

もともと、物が重力で落下するときの重力の大きさはその物体の質量に比例する。
つまり、

重力=質量×重力加速度

と書ける。ここで重力加速度は質量によらず一定である。加速度が一定ということはどんな質量のものを考えても、まったく同じような軌跡を描いて落下するということである。

軌跡が質量の大小に関係ないなら、ゼロでもいいんじゃないか、と考えることもできそうだ。ならば、質量がゼロの光も、質量が有限の質点と同じ軌跡を描いて落下するはずだ。これが高校で習う普通の力学で考えた場合の光の軌跡である。

かなり屁理屈っぽい感じはするが、質量がゼロの光の場合も成り立つと強引に言い張ってしまえば、ニュートン力学であっても、光がどのように曲がるか計算できる。この計算結果と一般相対論の予測は幸いにも異なっていたので、どっちが正しいかの白黒をつけるのに使うことができた。

決着をつけたのは、天空の星から来た光が太陽のそばを通過するときにどれくらい曲がるか、の観測である。普通は太陽がまぶしすぎて星の光なんて見えないのだが、日食のときはこれが可能だ。そして観測の結果、一般相対論のほうが正しいと結論された。
20世紀初頭の著名な天文学者エディントンは、相対性理論による光の屈折を観測するため、1919年5月29日の日食をわざわざアフリカのプリンシペ島に遠征して観測した。
そのとき撮影した太陽の近くに見えるヒアデス星団中の恒星の写真を太陽がそばにいないとき(つまり夜間)の位置と比べることで、太陽のそばを通過した光が何度くらい曲がったのか計算したのだ。

計算結果はニュートン力学による予測より、一般相対論の予測のほうが観測結果に近かった。これは一般相対論の最初の実験的な(観測的な)確認になった。
質量がない光さえ重力で曲げられてしまうのだからそもそも「等速直線運動」を考えようと思ったら空っぽな宇宙にたった1個の質点とか、たった一筋の光しかない(つまり、質点や光が通過するべき空間を歪めるものが存在しない)という状況以外ありえない。
そういう意味では「等速直線運動」は現実にはありえないほど理想化された状況にしか出現しないものである。にもかかわらず、わりと簡単に実現できるように考えられるのは、そのずれがとっても小さくてまず目に見えないからにすぎない(高校では台車などを使って等速直線運動の実験を行うことになっている)。

下の図は一般相対論で議論される、質量によって歪んだ空間の例であるシュヴルツシルト解。中心にブラックホールに相当する質点がある。
実際の空間は3次元なのでこのような絵を描くことはできない。
この解は完全な真空の場合の解である真空解でもあることが知られているので、中心の一点以外の宇宙空間になんの物質もなくても空間がこんなふうに曲がってしまうことはありえる(もっとも質量を真ん中に置かないでこういう空間を作り出す方法があるとは思えないが)。


参考文献・参考資料

「重力があると光が曲がる」のはなぜ?…「質量がない光」さえ重力で曲げられてしまうメカニズム(田口 善弘) | 現代新書 | 講談社(1/3) (gendai.media)

やさしい物理講座v4「光子(素粒子)は質量0で重力の影響を受けない。」|tsukasa_tamura (note.com)

基礎から学ぶ光物性 第8回 物質と光の相互作用(3)  電子分極の量子論 (sato-gallery.com)

濃度の違いによる屈折率の変化2007.pdf

やさしい物理講座ⅴ74「光は空間を波(電磁波)として伝わり物質によって放出・吸収されるときは粒子として振る舞う」|tsukasa_tamura (note.com)

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