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||ねこをよむ|| 2022年2月22日「猫の日」にむけて、 猫と人間、猫と文化をつなげる1分間の映像作品を募集します。

〈映像作品を11月10日(水)より募集開始〉


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猫、好きですか?

害獣対策という実利性から人間との交流を始めたといわれる猫は、それ以降現在に至るまで、人間と心的な交友を深め、文化の発展に寄与してきた重要な動物であり、友でもあります。

猫と日本人の関係性は、かつてのさまざまな芸術作品からも見て取ることができます。その自由気ままな性格や愛らしさはもちろん、猫の特性と日本の住宅事情や家庭環境がマッチしたことも関係性を深める要因の一つであったと考えられます。

そんな猫が旧くから現在にかけて、数多の芸術家に影響を与えた存在であることは言うまでもありません。世界的に見ても、日本国内で見ても、作家が、画家が、音楽家が、猫を愛で、猫との交友の中から作品をつくりあげています。


猫と日本人

中東付近でのリビアヤマネコの家畜化からはじまったといわれている猫と人間の関わり。それは長い時を経て、古代エジプト王朝からヨーロッパ全域、そしてアジアにまで広まっていきました。その後、奈良時代から平安時代に中国から仏教が伝えられた際、経典をネズミの害から守るため、船に一緒に乗せられてきたというのが、猫が日本にやってきたという通説となっていました。ところが近年、長崎県の遺跡から弥生時代中期頃のイエネコと推定される骨が出土したことで、日本への猫の移入時期は一気にさかのぼることになりました。

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平安時代中期のカリスマ作家である清少納言は、日本三大随筆『枕草子』に一条天皇の愛猫の姿を記しました。また、江戸時代末期に活躍し猫にまつわる浮世絵を数多く残した浮世絵師・歌川国芳は、かなりの愛猫家であったことでも知られます。国芳は数匹から十数匹の猫を飼い、死んだ猫のために仏壇を用意し、位牌までつくり供養していたほどでした。猫を膝に抱きながら創作を行うなど、とても猫を愛していたことがうかがえます。明治になるとさらに多くの絵画に猫の姿が描かれるようになります。中でも竹久夢二の美人画に描かれた猫は大変有名で、妖艶な美人画に趣を添えています。文芸作品でも猫が登場するものが多数見られますが、やはり代表的な作品は夏目漱石の小説『吾輩は猫である』ではないでしょうか。

このように、日本において猫は、生活に、日常に溶け込み、多くの芸術のモチーフとされ、今日まで人々に愛され続けているのです。


猫と文化

では、そんな猫を主軸として、日本全国、また時に世界の作品を見ると、一体なにが映るのか。
そこには猫と人間の普遍的交友の中に、土着文化や地域性、国民性が色濃く現れ、同時に猫という共通媒介を通じ、より深層に至る思想の交換が生まれているのではないでしょうか。

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本企画「ねこをよむ」の目指すもの

「読む」という言葉は、その対象となる表現物の意味をとることをさします。
今回は、猫が登場する日本文学に目を向け、それぞれの文学作品に生きる猫の姿を通して、その作品が内包する文化や思想を読み自分の中に取り込むことで、さまざまな視点から視覚的・感覚的に表現してもらいたいと考えています。

ここに、猫にまつわる22の文学作品があります。各作品から引用する文章より、あなたが読みたいものを一つ選び、それをテーマとした1分間の映像作品をご応募ください。(応募テーマは募集概要をご確認ください)

夏目漱石『吾輩は猫である』 / 萩原朔太郎『猫街』 / 海野十三『透明猫』 / 宮原晃一郎『虹猫の話』 / 寺田寅彦『ねずみと猫』 / 宮沢賢治『猫の事務所』 / 梶井基次郎『愛撫』 / 尾形亀之助『雨になる朝』 / 谷崎潤一郎『猫と庄造と二人のをんな』 / 芥川龍之介『お富の貞操』 / 夢野久作『ドン』 / 小川未明『おばあさんと黒ねこ』 / 村山籌子『お猫さん』 / 豊島与志雄『シロ・クロ物語』 / 小酒井不木『猫と村正』 / 片山廣子 『「子猫ノハナシ」』 / 沖野岩三郎『赤いねこ』 / 池田蕉園『「ああしんど」』 / 室生犀星『猫のうた』 / 梅崎春生『猫男』 / 島木健作『黒猫』 / 太宰治『葉』



審査員紹介

あんのくるみ(絵本作家)
埼玉県出身。2019年「つまさきもじもじ」で第3回絵本出版賞優秀賞受賞。翌年、同作品でデビュー。主な受賞作品に「ごめんって」(キッズエクスプレス21読み聞かせ大賞、2021年)、「すてきなことば」(スマイル童話賞最優秀賞、2021年)、「ひみつ」(埼玉文学賞佳作、2021年)などがある。近年は介護問題から怪談までルポルタージュを多数寄稿。共著に「実録怪談最恐事故物件」(竹書房、2021年)、「呪術怪談」(竹書房、2021年)がある。絵本「つまさきもじもじ」(みらいパブリッシング、2020年)は韓国でも翻訳出版されている。

石渡麻美(福岡映画部 主宰)
福岡県出身。2017年より福岡映画部 主宰。映画にまつわるイベントの企画・プロデュースや映画のローカル宣伝のほか、福岡を拠点とした映画文化醸成のためのプラットフォームづくりを行う。

坂井希久子(小説家)
1977年生まれ、和歌山県和歌山市出身の小説家。同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科卒業。会社員を経て2008年「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)で第88回オール讀物新人賞を受賞。作品に、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所、2021年)、『たそがれ大食堂』(双葉社、2021年)、『すみれ飴 花暦居酒屋ぜんや』(角川春樹事務所、2021年)などがある。

深田隆之(映画監督)
1988年生まれ。2013年、短篇映画『one morning』が 仙台短篇映画祭、Kisssh-Kissssssh 映画祭等に入選。2018年『ある惑星の散文』が第33回ベルフォール国際映画祭(フランス)の長編コンペティション部門、国内では福井映画祭にてノミネート。2019年アメリカ、ポートランドで行われたJapan Currents、日本映画特集にて上映。
映画制作以外の活動として、2013年から行われている船内映画上映イベント「海に浮かぶ映画館」の館長でもある。iPhoneを使用した日記映画『私のための風景映画』を日々制作しvimeo上で発表。社団法人こども映画教室の講師・チームファシリテーターとしても活動中。2021年から愛知大学メディア芸術専攻で非常勤講師を務めている。

泉志谷忠和(YHIAISM株式会社 CEO) 
米国遊学後、慶應義塾大学SFC卒業。インテル株式会社を経て、2013年、生演奏をより多くの人に届けるべく日本初のゲーム音楽を専門とするプロ交響楽団JAGMOを創設、代表取締役CEOに就任。2年で5万人超動員の興行ブランドに育て、NHK音楽祭出演、外務省後援を得て海外公演を展開。2016年、M&Aを経て引退。文化政策・文化芸術事業の研究行う。
デロイト トーマツグループ参画後、文化芸術経営のイノベーションファームであるYHIAISMを創業、CEOに就任。文化芸術経営のリーダーシップ支援プログラム Cultural Innovation Leadership 代表。世界初のとなるゲームオペラ公演 Opera Dots(オペラドット)プロデューサー。

※五十音順・敬称略


実施概要

▼応募期間
2021年11月10日(水)〜 12月28日(火)24:00

▼賞
優秀賞:各テーマ毎に1作品、計22作品を選出
*ツカノマレーベル公式YouTubeチャンネルにて作品公開
*2022年2月22日の猫の日に福岡市内にて受賞作品上映会を開催予定
*受賞作品集を製作、受賞者には後日郵送にて授与

▼応募作品
テーマに沿った、1分間の動画作品
*実写、アニメーション、モーショングラフィックスなど表現方法は問いません
*未発表・オリジナル作品に限ります

▼応募資格
プロ・アマチュア問わず、すべての方

▼応募テーマ
こちらよりご参照ください。

▼応募方法
指定の応募フォームよりご応募ください。
*審査用作品はYouTube限定公開など、動画を確認できる非公開のURLにてお送りください
*1人(1団体)何作品でも応募可能です

▼発表
2022年2月上旬、入賞者に通知するとともに、2022年2月22日に受賞作品をツカノマレーベルの各公式アカウントにて発表いたします。また、2月22日に福岡市内にて入賞作品の上映会を開催予定です。(状況により日程の変更・中止となる場合があります)

注意事項
※応募作品中に実在する企業名、また本人が特定できる個人名等のご使用はご遠慮ください
※応募作品が以下に相当すると当事務局が判断した場合、該当する応募作品及び同一の応募者によるその他すべての作品において審査対象から除外いたします
 ・テーマに沿わない内容の作品
 ・既存作品の模写および、第三者の有する著作権、肖像権その他権利を侵害した作品
 ・公序良俗に反した内容の作品
 ・法令等に違反、または犯罪行為に結びついた作品
※作品審査において当事務局、審査員および選考委員に対し作品の開示を行います
※審査、審査過程に関するお問い合わせには一切応じられません
※応募後の作品の差し替えには対応いたしません
※応募作品の著作権は応募者に帰属します。ただし、主催者は自ら発行、管理・運営または主催する新聞・ウェブサイト・宣伝物等の媒体、作品集、展示会、施設などにおいて、映像およびその映像のサムネイル等の一部または全部を受賞者の許諾を要することなく無償で自由に二次利用(複製・上映)ができるものとします
※応募作品の二次利用に際しては、当該二次利用によって当事務局が対価を受領した場合に限り、受賞作の著作者に対して当事務局規定の二次的利用料が支払われます
※個人情報の取り扱いについては、こちらをご確認ください。


▼PRESS RELEASE[PDF]


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ツカノマレーベルは、文学作品と音楽、美術、パフォーマンスを融合させる企画の制作・運営を行っています。鑑賞型の企画だけでなく、言葉の隙間からみえるものを鑑賞者自らが捉え、各個人の創造性や表現を融合させた参加型の企画を通して、地域文化を生かした新たな文化体験を提供していきます。

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