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通関むかしばなし

在宅も副業も自由にできない、残業多い、給料安い、ペーパーモア、年功序列、男尊女卑、古い、時代遅れ…などなど、私たちの業界についてネガティブな意見は本当にたくさん聞く。

私自身もそれはわかる。軍隊みたいな通関業者に入社したとき、
「うちは女の通関士は要らんからな!」面と向かって言われた。
(え?もう入社しちゃったんですけど…)今ならハラスメントでアウトだけど、昔はこんなのふつーにありました。

私の伯父は「水先案内人」、船の着岸が仕事。若いころは外航船にも乗っていた。私が通関士になったと聞いて

伯父「通関士になったんだって?体力勝負で大変だろ?女性の通関士なんか俺みたことねぇよ、すげぇなぁ」

私「ん???」

伯父が外航船に乗っていたころの通関士のイメージ(50年位前?)



船の出港間際に全速力で自転車をこいできてたらしい。

船がもう出港する時間になっても輸出許可になっていない貨物は不積みとなり残されるんだけど、ぎりぎりに許可になった貨物の通関士が

「ちょっと待ったー!許可切れた!載せて!」

輸出許可書を持ち自転車を全速力でこいできてたらしい。こうなるともはや通関スキルよりも脚力が大事と思われる。確かに女性の仕事って感じじゃあない。

ガントリークレーンも、コンテナ船も、AIもNACCSもエクセルだってなかった基本は人力だった昔。きっと今よりももっと泥臭い仕事だったはず。(今でもグローバルでオシャレな感じとは程遠いところもあるが)

出典:税関ホームページ https://www.customs.go.jp/zeikan/project/nenpyo_1912-1988.pdf

税関の年表によると「申告納税方式」の導入が1966年。そこから通関士が活躍するからやはり伯父の話は50年位前の話だと思う。

こんな感じの力仕事だったし、老舗だと職業婦人なんていなかった大昔から創業してるからどうしても男性社会の名残が今でも根強いのかなという気はする。

それから時間も経ち、いまは2024年。いろいろとそろそろ変わっていってもいいですよねぇ…

通関の新しい景色が見たい。

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