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言うほどでもない自分なりの習慣の末路。

「人に言うほどでもない自分なりの習慣」として、「辛ラーメンを食べる日々」というものがありました。はい。本当に言うほどのことではありません。でもちょっとだけ書きます。

振り返れば、上京後から家に常備しておくインスタントラーメンは常に辛ラーメンでした。ほぼ20年も前のことです。きっかけは「東京生まれのオシャレな先輩に教わったから」というのが大きかったかもしれません。上京してすぐ、まるで知らない真っ赤な袋麺に心躍り、「深夜のドンキホーテに辛ラーメンを買いに行く」「鍋のまま食べる」なんて行為が一人暮らし初心者のマインドに刺さったのです。絶妙な辛さと、それをマイルドにする落とし卵、やや太めのちぢれ麺…以来、大学を出てからもずっと辛ラーメンと共に暮らして参りました。

と、「辛ラーメン作文コンクール」に提出するような文章になっていてすみません。そんなわけで、かれこれ20年弱、週2~3のペースでコンスタントに食べ続けてきたわけです。

それが、去年子供が産まれて以降、我が家では辛ラーメン禁止となりました。

というのも、辛ラーメンを作る時、粉末スープを鍋に入れて沸騰させると、舞い上がった蒸気が鼻を刺激してむせることがあったのです。明らかに大人な刺激のその蒸気は、赤ちゃんにはよろしくないのでは、ということと、シンプルにむせた時の声で赤ちゃん起きちゃうよね、なんていう理由で、自分も大賛成でしばらくやめとこうという話になったわけです。

味は大好きでしたが、正直特別な思い入れはありません。こればっかりは理由も理由ですしね。まあ別の袋麺にするかね、くらいのことで落ち着いたんです。…が。ですが、です。約20年、辛ラーメンの持つ辛み成分を日常的に摂取してきた人間が途端に摂取をやめると、けっこうパニックになることが分かりました。

何を食べても物足りなさがすごいんです。「美味しいけど、辛くはないな、、」そんな感じ…。そう思う日々を過ごすうちに、それならばと、他で辛みを摂取するようになっていきました。「暴君ハバネロ」というお菓子を見つけ、食べてみます。あら美味しい。コレよコレ。そう思って食べ始めたら本当に止まらなくなりました。しばらくの間、夜な夜な暴君ハバネロを一袋一気食いしてました。近所の100円ローソンの店員さんは引いていたかもしれません。よく来る常連の客が、ある日を境に突然暴君ハバネロを大量買いするようになったから。この辺りで自分でも気づきました。あ、これが辛ラーメンを絶った弊害なのか、、と。

しかし、さすがに毎日ハバネロ食べてたらどうにかなっちゃうよな、と思い、自制の意味を込めて他を探します。ハバネロペッパーという香辛料を購入してみると、かけられそうなものにはとにかくかけて食べるようになる自分がいました。えっと、自分がコワイんですけど…そう思っても強くコントロールできません。全然かけちゃいます。。もしかしたら辛党に目覚めたのか?そう思って、蒙古タンメンに行ってみました。強烈な辛みが体を支配します。「コレコレぇ!」という感覚と共に、「辛すぎ辛すぎぃ!」という感想が体を巡ります。どうやら辛党になったわけではなさそうです。CoCo壱も3辛がちょうどいいし。体はちょうどいい辛み成分を欲しがっているようです。怠ることなく20年接種し続けて培った味覚は、そう簡単に変わりそうもありません。ずっと脳が「ちょっとだけ辛み足りてませんよー!」と叫んでいる感じです。

じゃあ逆に、逆に「辛みとのお別れ」だと思って摂取を絶ってみました。家の中に辛いものを置かないようにし、耐えに耐え、5日ほど経ったところで、ひょんなことが起こりました。

ななまがり森下さんのご自宅に伺う機会があり、その帰りに「塚本、これよかったら持ってくか?」と言われ、ワサビーフをいただきました。ワワワ、ワサ、ワサ、、、脳から体中に号外が撒かれます。「ワッサビーフ!ワッサビーフ!」、帰路に着いて開封、取り出したワサビーフの一枚目は黄金色に輝いていました。いやマジでマジで。真っ金でしたよ。100の金。味なんか過去イチうまいワサビーフに決まってるでしょ。悶えたもんマジで。震えっちゃうよね。そっからもうバカ食いよ。

そんなわけで、言うまでもない習慣を絶った結果、今はプチ辛党になったという話でした。皆様、素敵なGWを…。そしてGW明けはこちら、お待ちしております。



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