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すべてのAWSリージョンは3AZ以上に

3月にはAWSは大阪リージョンを正式リージョン化し、現在も6リージョンを準備中です。これは「地域」の追加ですが、それより小さいエリアを指す「アベイラビリティゾーン(Availability Zone:AZ)」追加の発表も、今月初めにありました。北京リージョンに、3つ目のAZが追加されたという発表です。

個人的には、リージョン追加の発表より北京リージョンへの3つ目のAZ追加の発表の方に、「ついに」という思いを持ちました。

北京リージョンの3AZ化

まずリージョンとAZの関係を振り返りたいのですが、ちょうど大阪リージョンの発表でよい図が提供されていました。説明とともに引用します。

⼤阪リージョンを含むすべての AWS リージョンは、100km の範囲内で物理的に離れた場所にある複数のアベイラビリティーゾーン (AZ) で構成されています。 それぞれのアベイラビリティーゾーン(AZ)は 1 つ以上のデータセンターで構成され、AZ 間は完全な冗⻑性を持つ専⽤線上に構築された広帯域幅、低遅延なネットワークで結ばれています。

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北京リージョンは、これまでこのアベイラビリティゾーンが2つでした。これでもアベイラビリティゾーン自体がそもそも内部で冗長性(複数のデータセンターから構成)を持ち、それが二つあったので、正式リージョンとしての冗長性・可用性は持っていたと言えるでしょう。ですがこの6月で、これが3AZになりました。東京や大阪で利用できるのと同じAZ数です。

本日、Sinnetが運営する 中国(北京) リージョンに第3のアベイラビリティーゾーン(AZ)を追加し、中国で成長する顧客基盤の需要をサポートすることを発表しました。すべての AWS アベイラビリティーゾーンと同様に、このアベイラビリティーゾーンは、冗長電源、ネットワーキング、および接続を備えた別々の施設内の 1 つまたは複数の個別のデータセンターを網羅しています 。この発表により、中国の両方の AWS リージョンは 3 つの AZ を提供し、拡張性、耐障害性、高可用性のアプリケーションを構築できます。

すべてのAWSリージョンは3AZ以上に

東京リージョンや、今年初めに正式リージョン化された時点での大阪リージョンは3AZが利用可能です。2019年のAWS東京リージョン障害後に「3重化が定石に?」「縮退のためには3AZ化が必要」といった声があったのも、東京リージョンの構成が念頭にあったものと思います。でも東京リージョンはたまたま3AZあるというのがこれまでの実態で、3AZありきの検討はそこを踏まえないといけないものでした。

グローバルインフラストラクチャリージョンと AZ」ページを確認すると分かるのですが、ほとんどのリージョンは3AZ以上を備えています。AWS中国リージョンは先日の「日本企業の中国ビジネスを加速させる“AWS中国クラウド”」セミナーでも説明されていた通りAWS直営ではなく中国事業パートナーによる運営という珍しい形態をとっており、そうしたこともこの珍しい構成に影響してたかもしれないと思います。

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北京リージョン3AZ化後の「現状」をまとめておきましょう。「グローバルインフラストラクチャリージョンと AZ」ページで確認する限り、すべての正式リージョンは3つ以上のAZを持っています。特殊な位置づけの中国リージョンおよび米国GovCloudリージョンもです。一部のリージョンは4AZを持ち、北バージニアリージョンだけは6AZを持っています。ただしすべてのAZが使えるわけではないので、注意が必要です。

東京リージョンは4AZを持っていますが、現在、実際に新規利用者が使えるのは3AZです(ap-northeast-1bのキャパシティに余剰がないためだと言われています)。サンパウロリージョンでは「New customers can access three Availability Zones」と注意書きされているので、同様に実は使えないAZがありそうな気がします。そして北カリフォルニアリージョンは「New customers can access two Availability Zones」の注意書きがあります。北カリフォルニアリージョンだけは使えるのは2AZつです。3AZ以上ではありません。

AWSは、リージョンあたりのAZ数について、公式には「複数のアベイラビリティーゾーン (AZ) で構成」としか表明していないと思います。将来については、この3AZ以上という状態が維持されるか否か、確かなことは言えません。ただカジュアルな場では、新規リージョンは3AZ以上で構成する方針のような発言が聞かれることがあります。現在はAuroraのような3AZ存在する事を前提とするサービスもあります。2AZの正式リージョンというのは、今後作りにくいのではという推測はできそうです。

まとめ

2021年6月に北京リージョンの3AZ化が発表され、すべての正式リージョン(商用リージョン、中国リージョン、GovCloudリージョン)が3AZ以上の構成になりました。なお、現時点で新規利用者が利用可能なAZは2つに限定されるリージョンがあることには、注意が必要です。今後のAWSリージョンが備えるAZ数については「複数」としか公式なメッセージが見つかりませんが、これまでより3AZを前提とした構成検討もしやすくなったと思います。

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