彼氏が私の知らない異性と歩いているのを見てしまった日

彼氏が私の知らない異性と歩いているところを目撃してしまった。
その瞬間、とんでもなく心がざわついた。
頭が真っ白になった。なぜ彼氏が私の最寄り駅の改札から私の知らない異性2人と出てきて、かつ親しげに話しながら歩いていくのか理解しようとしたが到底無理だった。
これが浮気現場に遭遇した全人類が味わう気持ちなのかと思い知った。
サレ妻などという言葉を聞いたことがあるが、まさか自分がサレ側になるなんて思ってもみなかった。彼氏からは溢れんばかりの愛情を感じているからだ。

幸い浮気ではなかった。
かなり簡潔に状況説明すると下記の通りだ。
彼はその日かなりお酒を飲み、朝帰りをする流れだったが、
やっぱり私に会いたいからと私の家に帰ってくることになった。酔っぱらいの彼から最寄り駅の到着時刻を聞き出した私は、そんな彼を駅まで迎えに行ったのだが、その結果まさかの彼氏が女性2人と改札から出てくるという訳の分からない状況に出くわしたのだった。

帰宅後、私は泣きながら彼に事情聴取。少々支離滅裂かつ私がなぜ悲しんでいるか理解していなさそうな様子から彼が想像以上に酔っていることに気が付ければ良かったのだが、「明日何も覚えていなかったとか嫌だよ?」と言った私に対して「大丈夫、ちゃんと覚えている」との彼の発言を鵜呑みにして、2時間程話し合った。途中彼も泣き始め、内心「なんでそっちが泣いてるの」と思ったし、最後の方は私を傷付けた罪悪感から自己嫌悪に陥ったのかイヤイヤ期の子供みたいな振る舞いをし始めた。彼とは初めて衝突した為、基本的に冷静沈着な彼氏の新たな一面を見て動揺したが、とにかく争いごとはその日の内に解決したい気持ちが強かった私はハグを求めた。しかし悲しいことにその申し出は拒まれ、彼は洗面所で寝始めた。(この振る舞いから彼がほぼ泥酔状態だと判断できれば良かったのだが、あまり酔っぱらい耐性がない私は酔ってもいるが不貞腐れてもいるのだと思ってしまった…)
その彼をたたき起こし布団で寝かせ、私は隣のベッドに寝ることに。しかし彼の私の気持ちを理解していなさそうなところと目の前の問題とその話し合いから逃げようとする姿を見てしまい、私にはただモヤモヤが残った。彼が寝始めてから2時間程寝付けず、夜中の3時にベランダで黄昏てみたりもした。今回の一件で別れようとは思わなかったが、これまでの2カ月が極めて順調だったがゆえにその反動に不安を感じ、一人で泣いた。ただ何より彼にハグを拒まれたことがショックだったのだと思う。大好きだからこそ帰ってきてくれた彼に触れたいのに触れられず、彼は爆睡してしまった。彼を起こすわけにもいかないので、結局彼を起こさない様細心の注意を払いながら彼にくっつくかくっつかないギリギリのところに寝そべった。お風呂に入らなかった彼からは香水が香り、その匂いにドキドキ感と安心感を覚えた。抱き着きたい衝動を抑えながらうつ伏せに寝る彼の頭をなでた。サラサラな髪に触れた瞬間愛しいという感情が溢れ出した。あんなに寝付けなかったのに、彼の横に身を置き、彼に触れて安心したのか気付けば眠っていた。彼の横は安心するし、私はこの人が大好きなんだなと再認識した。

翌朝彼は昨晩の出来事を想像以上に覚えていなかった。「だから話し合う前に確認したのに…」と思ったし、「じゃあ昨日の私の寝付けない地獄の時間は何だったんだ…」とも思ってしまったが、翌朝の彼に昨晩の出来事を説明すると再度私の気持ちを汲み取った上で謝ってくれ、昨日感じた違和感は全て酔いから来ていたものだと分かった。正直彼が浮気をしたとは思っていなかったし、私は「彼女の家の最寄りに知らない異性を連れてくるという私への配慮が欠落していた点」と「話し合いが出来ない点」に不安を覚えていた為、そこが解決したことで安堵でいっぱいになった。ただ、若干の疑問と違和感が残っていることは否めないし、こんな出来事二度とごめんである。それ程あの現場に遭遇した時の私が受けた衝撃はなかなかのものであった。だから、今回の出来事で得た教訓をここに記す。

「酔っぱらいは相手にしない」
私は酔っぱらいの相手をあまりしたことがない。だから彼が酔っているとは分かっていたが、少し的外れな意見を言ったり、私のスキンシップを拒んだり、不貞腐れた様な態度を取ったりしたのは彼の本性なのだと思ってしまった。しかしこれらは全て酔っていたからだということが分かった。だとすると私は感情のやり場には困ったかもしれないが、目の前の彼は酔っているのだと割り切り、相手にしなければよかったのかもしれない。同時に泥酔レベルまで達した彼氏にはそもそも会わない方がお互いの為だとも思った。正常な判断ができなくなっている彼と会ったことにより、私は見たくないものを見てしまったからだ。酔っていなかったら、彼女の家の最寄り駅の改札から異性2人と出てくるなどという配慮が足りない行動は起こさなかったと思う。
ただもしまたかなり酔った彼氏と会うことになったら、次から動画を撮っておこうと思う。動画を回せば翌朝何を言っていたか一緒に見返せるし、記憶の確認が行いやすい。お酒が入ると記憶がなくなってしまうのであれば、そのなくなってしまう記憶を記録しておくことで、飲み過ぎを反省してもらうしかないと思うのだ。

今回の一件から数日経っている為、今の私の心は平穏だが、直後はかなりかき乱されていた。同じことを繰り返さない為にも、教訓として今後は酔っぱらいは相手にせず、動画を回すことを心に決めた。


この記事が参加している募集

サポートして頂けたら、泣いて喜びます笑 noteを通じて、これからも私の世界観をお届けできたら幸いです!