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イケてる仲間を紹介するぜ!【Voigtländer Bessaflex TM】

フォクトレンダーは1700年代からカメラを生産している歴史あるカメラメーカー。そのブランドを日本のコシナが買い取り、2000年代に生産した一眼レフがこのベッサフレックスです。

この頃はレトロカメラブームが来ていたようで、フィルムカメラ最後期に生産されたにも関わらず、手動巻き上げ機械式シャッターのマニュアルカメラとなっています。唯一の電子機能の露出計は中央重点測光の3点LED発光式。絞り込み測光なので、露出計を起動してレンズを絞るとファインダー内が暗くなります。ボディのカラーはシルバーとブラックの2色展開ですが、それぞれボディの形状が異なっている珍しいカメラです。

出会い

フィルムカメラでの撮影にシフトしていた僕は、齢30歳を超えるAE-1に代わるカメラを探していた。AE-1もまだまだ元気に稼働していたが、電子制御のカメラはいつシャッターが押せなくなるか分からない

露出計以外は完全機械式のカメラが望ましい、しかしそうなると生産年数が古いものが大半・・・ううむ

そんな中見つけたのがこのベッサフレックス。

2000年前後のレトロカメラブームに乗っかり、フォクトレンダー銘のレンジファインダー機を多数発売したコシナは最後に一眼レフ機のベッサフレックスを発売。しかし当時は売り上げが伸びずに2年で生産終了となったようだ。

生産終了から約10年後、僕は大阪市内の某中古カメラ店でシルバーのベッサフレックスを発見。当時の販売価格は4万オーバー。僕の価値観としてはフィルムカメラに4万を出すのは結構な冒険だったが即決。(ちなみに2019年現在ベッサの中古市場価格は7万を超している。ああこの時に手に入れておいてよかった。)

手に入れたベッサのボディ状態は良好(というか使用感はほとんど無し)ファインダーも露出計も問題無しと、メイン機を務めるにふさわしい状態だった。

レンズについて

ベッサを選んだもう1つの理由が「M42マウント」ということ

M42マウントは戦後〜70年代まで主流だったレンズマウント。
ネジ式の単純な構造のため世界中で様々なレンズが生産されていました。

オートフォーカスカメラの出現後、M42をはじめとするオールドレンズは過去のものとされてましたが、近年マウントアダプターを装着することによって様々なレンズを使うことができるミラーレスカメラの発達により、最新のレンズにはない独特の描写をするオールドレンズのブームが起こりました。

「僕もレトロでオシャンなレンズを使ってみたい!でもミラーレス機は持ってない・・・」

「M42マウントのフィルム機を買えばいいんじゃね?」

そんな感じで、ベッサフレックスは僕の要望を叶えてくれる最高の相棒だったわけです。

M42マウントのレンズで有名なものはペンタックス、カールツァイスイエナ(東ドイツ)、ペンタコン(東ドイツ)、ロシアレンズなどですね。一時期に比べてレンズの中古市場価格も上がってしまいましたが、ペンタックスやペンタコンのレンズは比較的安価に手に入れることができます。

僕が所持してるレンズはカールツァイスイエナのFlektogon 35mm f2.8、Pancolar 80mm f1.8、Sonnar 135mm f3.5などです。これらのレンズ価格は以前と比べてかなり高騰してしまいましたが、やはりツァイスのレンズが使えるのは嬉しいですね。ミーハーなので・・・

気になった点

最高の相棒であるベッサにも思わぬ弱点があります。
それは「ミラーずれ」です。

そもそも一眼レフカメラはレンズから入る光を、内蔵しているミラーからペンタプリズムを経由してファインダーに像を写しています。そして撮影時にはシャッターを押すとミラーを跳ね上げ、同時にシャッター幕を開くことでフィルムに感光させる構造になっているわけですが・・・

ベッサフレックスこのミラーを接着剤で固定している(!)ため、経年劣化で接着剤の粘着力が低下し、ミラーがずれてレンズと干渉してしまうのです。この現象は同様の固定方法を採用しているコンタックス機でも起こる現象らしいけど、この辺はもうちょっとなんとかならなかったのか(ちなみにAE-1は金属の爪でミラーを固定している)

例に漏れずウチのベッサもこのミラーずれが起こり、撮影が出来なくなってしまいました。

しかし、こうした事態でもベッサは強みを見せます。生産元のコシナは現在もフォクトレンダー機の修理を受け付けており、機体を郵送して3週間ほどで修理された状態で戻ってきました。
いつまでこのサポート体制が続くか分からないが、部品交換の必要の無い修理に関しては当分大丈夫だろうと思います。


信頼性とサポート体制が整った機械式フィルムカメラ
ベッサフレックスはこの先も僕のメイン機として活躍してくれるでしょう。

モデル協力:葛西凛

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